運動習慣の主役は70歳以上!世代間格差の真相
看護師国家試験 第107回 午前 第25問 / 必修問題 / 健康の定義と影響要因
国試問題にチャレンジ
平成26年( 2014年 )の国民健康・栄養調査において、運動習慣のある女性の割合が最も高い年齢階級はどれか。
- 1.30~39歳
- 2.40~49歳
- 3.50~59歳
- 4.60~69歳
- 5.70歳以上
対話形式の解説
博士
今日は国民健康・栄養調査の問題じゃ。運動習慣のある女性の割合が最も高い年齢階級はどれだと思うかな?
サクラ
うーん、若い人の方が運動してるイメージがありますけど…。
博士
そう思うのは自然じゃが、実は逆なのじゃ。正解は70歳以上じゃぞ。
サクラ
え、意外です!なぜ高齢者の方が運動習慣があるんでしょう?
博士
まず「運動習慣」の定義を確認しよう。「1回30分以上の運動を週2回以上、1年以上継続している者」じゃ。この条件を継続的にクリアできる人は実はそんなに多くないのじゃ。
サクラ
なるほど、「継続」がポイントなんですね。
博士
そうじゃ。若い世代は仕事や子育て、家事で時間が取れん。結婚・出産・育児が重なる20〜40代女性は運動習慣の割合が最も低い。
サクラ
確かに忙しくて運動する時間がなさそうですね。
博士
一方、70歳以上になると退職して時間的余裕ができ、健康への意識も高まる。仲間と一緒にウォーキングやラジオ体操、水中運動などに取り組む人が増えるのじゃ。
サクラ
具体的な数字はどのくらいですか?
博士
平成26年の調査では、70歳以上の女性で約34%、男性で約43%が運動習慣を持っておった。20〜29歳女性はわずか10%台と最も低い数字じゃった。
サクラ
男性も70歳以上が最高なんですね。
博士
その通り。男女ともに70歳以上がピークで、男性の最低は30〜39歳、女性の最低は20〜29歳じゃ。
サクラ
健康日本21ではどのような目標を掲げているんですか?
博士
健康日本21(第二次)では運動習慣者の割合の増加を目標に、成人男性36%・女性33%・高齢者男性58%・女性48%を目指しておった。
サクラ
若年〜中年女性の運動不足は健康課題なんですね。
博士
そうじゃ。生活習慣病や骨粗鬆症予防のためにも運動は重要じゃ。だから職場での健康経営やウォーキングイベント、保健指導などで働き盛り世代を支える取り組みが進んでおる。
サクラ
身体活動の推奨量ってあるんですか?
博士
身体活動基準2013では、18〜64歳で3メッツ以上の運動を週23メッツ・時、65歳以上で強度を問わず週10メッツ・時が推奨されておる。強度×時間の単位じゃな。
サクラ
国試では統計の最新値も問われますよね?
博士
その通り。出題年度の調査結果を確認するのが基本じゃ。平成26年は「70歳以上が最高」と覚えるのじゃ。
POINT
平成26年国民健康・栄養調査で運動習慣のある女性の割合が最も高いのは70歳以上です。運動習慣は「週2回以上、1回30分以上、1年以上継続」と定義され、退職後の高齢者で最も多く、子育て・就労世代の女性(20〜30代)で最も少ないという世代間格差があります。健康日本21や身体活動基準など保健施策で運動習慣者増加が目標化されており、国試では最新調査の結果と傾向を整理して覚えることが重要です。
解答・解説
正解は 5 です
問題文:平成26年( 2014年 )の国民健康・栄養調査において、運動習慣のある女性の割合が最も高い年齢階級はどれか。
解説:正解は5の「70歳以上」です。厚生労働省が実施した平成26年(2014年)国民健康・栄養調査の結果、運動習慣のある者(1回30分以上の運動を週2日以上、1年以上継続している者)の割合は男女ともに年齢が上がるにつれて高くなる傾向を示し、男女ともに70歳以上で最も高くなっています。女性では70歳以上が約34%と最も高く、男性では70歳以上が約43%と最も高値です。逆に最も低いのは女性で20〜29歳、男性で30〜39歳となっており、若年層・働き盛り世代で運動習慣が乏しいことが示されました。これは、子育てや仕事で時間が取りにくい世代と、退職後に健康意識が高まり運動に時間を割ける高齢世代との違いを反映しています。
選択肢考察
-
× 1. 30~39歳
30〜39歳の女性は子育てや仕事で時間が取りにくく、運動習慣のある割合は低い年齢層です。
-
× 2. 40~49歳
40代女性も仕事や家庭で時間的制約があり、運動習慣のある割合は相対的に低めです。
-
× 3. 50~59歳
50代では運動習慣のある割合は中間的な値を示しますが、最高ではありません。
-
× 4. 60~69歳
60代は運動習慣のある割合が高い世代ですが、最高値は70歳以上です。
-
○ 5. 70歳以上
70歳以上は女性で約34%、男性で約43%と男女ともに運動習慣のある割合が最も高い年齢階級です。退職後の時間的余裕や健康志向の高まりが背景にあります。
運動習慣の定義は「1回30分以上の運動を週2回以上、1年以上継続している者」です。健康日本21(第二次)では、運動習慣者の割合の増加を目標に掲げ、成人男性36%・女性33%・高齢者男性58%・女性48%を目標値としていました。年齢が上がるにつれ運動習慣が増える一方、若年〜中年女性で運動習慣が乏しいことが健康課題として認識されており、職場での健康経営・ウォーキングイベントなどの取り組みが進められています。身体活動基準2013では、18〜64歳で3メッツ以上の運動を週23メッツ・時、65歳以上で強度を問わず10メッツ・時の身体活動が推奨されています。
国民健康・栄養調査における運動習慣の年齢階級別分布を問う疫学・保健統計の問題です。
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