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『肩こり』と『腰痛』のジェンダー差—国民生活基礎調査を読む

看護師国家試験 第112回 午前 第2問 / 必修問題 / 健康の定義と影響要因

国試問題にチャレンジ

112回 午前 第2問

令和元年(2019年)の国民生活基礎調査における女性の有訴者の自覚症状で最も多いのはどれか。

  1. 1.頭痛
  2. 2.肩こり
  3. 3.体がだるい
  4. 4.目のかすみ

対話形式の解説

博士 博士

今回は令和元年の国民生活基礎調査から、女性の有訴者の自覚症状1位を問う問題じゃ。まず『有訴者』という用語から確認しておくぞ。

アユム アユム

有訴者って、どういう人のことですか?

博士 博士

病気やけがなどで自覚症状のある人のことじゃ。人口千人当たりの割合を『有訴者率』と呼んでおる。

アユム アユム

では女性の1位はどれでしょうか?肩こりか腰痛で迷います。

博士 博士

令和元年の調査では、女性の1位は『肩こり』、2位が『腰痛』、3位が『手足の関節が痛む』の順じゃった。

アユム アユム

男性はどうなんですか?

博士 博士

男性は逆で『腰痛』が1位、『肩こり』が2位、『鼻がつまる・鼻汁が出る』『頻尿』などが続く。つまり肩こりと腰痛が男女でちょうど入れ替わる構図じゃ。

アユム アユム

どうして女性は肩こりが多いんでしょう?

博士 博士

筋量が男性より少ないこと、家事・育児による前屈み姿勢、デスクワークの多さ、ホルモン変動などが関与すると考えられておる。

アユム アユム

国民生活基礎調査って、毎年やってるんですか?

博士 博士

毎年実施されておるが、3年に1度は大規模調査、その間の年は簡易調査という建て付けじゃ。健康票で自覚症状・通院状況などが聞かれる。

アユム アユム

令和元年以外の年はどうでしたか?

博士 博士

よいところに気づいた。令和4年の大規模調査では女性の1位が『腰痛』に変わり、男女とも腰痛が1位になった。年度によって順位が変わるので、設問の年度を必ず確認するのが鉄則じゃ。

アユム アユム

有訴者率そのものは男女どちらが高いんですか?

博士 博士

女性のほうが高い。通院者率も女性のほうが高く、総じて女性は健康上の訴えが多く見える統計じゃ。

アユム アユム

看護師国家試験ではどう問われますか?

博士 博士

『男女別の1位』『年齢階級別のトップ症状』『通院者率の男女差』などが定番じゃ。男:腰痛/女:肩こり、とセットで暗記するのが効率的。

アユム アユム

肩こりの看護指導で大事なことは?

博士 博士

長時間の同一姿勢を避ける、適度な肩甲帯ストレッチ、温罨法、体幹・肩甲帯周囲筋の筋力強化、ストレス管理などじゃ。二次的な頭痛を併発することも多いので包括的にみるのじゃ。

POINT

令和元年(2019年)の国民生活基礎調査において、女性の有訴者率で最も多い自覚症状は『肩こり』であり、続いて『腰痛』『手足の関節が痛む』の順です。一方の男性は『腰痛』が1位、『肩こり』が2位で、上位2症状が男女でちょうど入れ替わるのが特徴であり、有訴者率・通院者率ともに女性の方が高い傾向があります。国民生活基礎調査は3年ごとに大規模調査が行われ、直近の令和4年では女性も腰痛が1位に変化するなど順位は動き得るため、設問が指定する年度を必ず確認することが大切です。看護の現場では、主観的な自覚症状の訴えに性差やライフスタイルが大きく関与していることを踏まえ、運動指導や姿勢改善、ストレスマネジメントを個別化して行う視点が求められます。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:令和元年(2019年)の国民生活基礎調査における女性の有訴者の自覚症状で最も多いのはどれか。

解説:正解は 2 の肩こりです。令和元年(2019年)の国民生活基礎調査において、女性の有訴者率が最も高い自覚症状は『肩こり』であり、2位が『腰痛』、3位が『手足の関節が痛む』の順となっています。一方、男性では『腰痛』が1位、『肩こり』が2位、『頻尿』『鼻がつまる・鼻汁が出る』などが続き、性差が明確に出る点が特徴です。なお、有訴者とは病気やけがなどで自覚症状のある人を指し、その人口千人当たりの割合を『有訴者率』と呼びます。

選択肢考察

  1. × 1.  頭痛

    女性の自覚症状としては上位ではあるが1位ではない。頭痛は女性に多い訴えの一つだが、令和元年の調査では上位5位程度に位置する。

  2. 2.  肩こり

    令和元年の国民生活基礎調査で女性の有訴者率の自覚症状1位となっている。デスクワークや育児・家事に伴う長時間の同一姿勢、筋量の少なさなどが関与すると考えられている。

  3. × 3.  体がだるい

    女性の訴えとして上位に入るが、1位の肩こり・2位の腰痛に次ぐレベルであり最多ではない。

  4. × 4.  目のかすみ

    加齢や眼精疲労に伴い訴える人は少なくないが、女性の自覚症状の上位には入らない。

国民生活基礎調査は厚生労働省が3年ごとに大規模調査を行い、間の年は簡易調査を実施する指定統計である。健康票では世帯員の自覚症状や通院状況が調査される。ポイントは性差で、『男性1位=腰痛/女性1位=肩こり』と対で覚えると得点につながる。なお令和4年(2022年)の大規模調査では女性の1位が『腰痛』となり男女とも腰痛が1位に変化したが、本問は令和元年時点の結果を問うているため『肩こり』が正解である。

性別による自覚症状の順位差(男:腰痛/女:肩こり)を押さえているかを問う頻出問題。年度によって順位が変動しうる点にも注意。