2世帯に1世帯に高齢者、令和4年国民生活基礎調査を読み解く
看護師国家試験 第114回 午前 第10問 / 必修問題 / 健康の定義と影響要因
国試問題にチャレンジ
令和4年(2022年)の国民生活基礎調査で全世帯に占める65歳以上の者がいる世帯の割合に最も近いのはどれか。
- 1.10%
- 2.30%
- 3.50%
- 4.70%
対話形式の解説
博士
今回は国民生活基礎調査じゃ。毎年必修で問われる重要統計で、世帯構造を把握する基本資料じゃよ。
アユム
国民生活基礎調査って、何を調べているんですか?
博士
保健・医療・福祉・年金・所得・世帯構造など、国民生活の基礎的事項を幅広く把握する調査じゃ。1986年から厚労省が毎年実施しておる。3年に1度は大規模調査、他の年は簡易調査という仕組みじゃ。
アユム
今回の問題は『65歳以上の者がいる世帯の割合』ですね。
博士
うむ。令和4年の全世帯数は約5,431万世帯、そのうち65歳以上の者がいる世帯は約2,747万世帯、割合は 50.6% じゃ。選択肢では 50% が正解になる。
アユム
半分以上の世帯に高齢者がいるんですね…想像以上です。
博士
そう。全世帯の2つに1つで65歳以上が同居または一人暮らしをしておる。超高齢社会の実態を端的に示す数字じゃ。
アユム
65歳以上のいる世帯の内訳って、どんな感じなんですか?
博士
『夫婦のみ世帯』が最多で約32.1%、次いで『単独世帯(ひとり暮らし)』約31.8%、『親と未婚の子のみ』約20.1%、『三世代世帯』は約7.1%まで減少しておる。
アユム
三世代同居が7%しかないのは意外です。昔はもっと多かったイメージがあります。
博士
1986年の初回調査では三世代世帯が 44.8% もあったのじゃ。そこから40年弱で約6分の1まで減った。代わりに夫婦のみ・単独世帯が急増した。
アユム
高齢者の一人暮らしが増えているのは、看護の現場でも感じます。
博士
うむ。高齢単独世帯(65歳以上のひとり暮らし)の増加は、孤立・孤独死・セルフネグレクト・災害時の支援など、地域包括ケアの大きな課題じゃ。
アユム
選択肢2の30%って、何に近い数字なんですか?
博士
鋭い質問じゃ。30%前後は『単独世帯の割合(全世帯の約32.9%)』や『高齢化率(約29.0%)』に近い。数字だけ見ると紛らわしいから、問われている指標をしっかり区別するのが大事じゃ。
アユム
高齢化率と『65歳以上のいる世帯の割合』は別物なんですね。
博士
そうじゃ。高齢化率は『総人口に占める65歳以上の人口』の割合、今回は『世帯単位』で数えて、一世帯に1人でも65歳以上がいれば含める。だから前者は約29%、後者は約50%と大きく違う。
アユム
児童のいる世帯のデータも出題されますよね?
博士
うむ。令和4年の児童のいる世帯は約991万世帯、全世帯の 18.3% じゃ。1986年は46.2%あったから、半分以下に減っておる。
アユム
『高齢者が増えて子供が減る』という変化が数字で見えますね。
博士
その通り。平均世帯人員も2.25人まで小さくなり、家族機能が地域や社会保障に移行している構造じゃ。看護師は世帯の実態を把握して支援計画を立てる視点が求められる。
アユム
数字の背景に、変わっていく家族の姿が見えてきました。
博士
統計は単なる暗記ではなく、日本社会の姿を理解する窓じゃよ。
POINT
令和4年(2022年)の国民生活基礎調査では、全世帯約5,431万世帯のうち65歳以上の者がいる世帯は約2,747万世帯、割合は 50.6% で、全世帯のほぼ半数に高齢者が含まれる状況です。その内訳は夫婦のみ世帯・単独世帯がそれぞれ約32%と上位を占め、三世代世帯は7.1%まで減少しました。一方、児童のいる世帯は18.3%まで減少しており、『高齢者の多い世帯が増え、子育て世帯が減る』という日本の世帯構造の変化が顕在化しています。看護師は世帯構造の実態を理解し、特に高齢単独世帯の増加に伴う孤立・セルフネグレクト・災害時支援などの課題に対して、地域包括ケアの視点で支援計画を立てる姿勢が不可欠です。統計は社会の姿を読み取る重要な窓であり、対象者を支えるための基礎知識となります。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:令和4年(2022年)の国民生活基礎調査で全世帯に占める65歳以上の者がいる世帯の割合に最も近いのはどれか。
解説:正解は 3 の 50% です。国民生活基礎調査は、保健・医療・福祉・年金・所得などの国民生活の基礎的事項を把握する統計で、1986年から厚生労働省が毎年実施しています(大規模調査は3年に1度)。令和4年(2022年)調査によると、日本の全世帯数は約5,431万世帯で、そのうち65歳以上の者がいる世帯は約2,747万世帯、割合は 50.6% でした。これは全世帯のほぼ半数に高齢者が1人以上含まれている状態を示し、選択肢では 50% が最も近い値となります。高齢化率(65歳以上人口/総人口)約29%と合わせて、超高齢社会の現状を示す重要指標です。
選択肢考察
-
× 1. 10%
実測は50.6%であり、10%という極端に低い値は1960年代以前の水準に相当する。現在の日本では到底当てはまらない。
-
× 2. 30%
30%前後は『単独世帯の割合(約32.9%)』や『高齢化率(約29.0%)』に近い値だが、65歳以上の者がいる世帯の割合ではない。混同に注意。
-
○ 3. 50%
令和4年の実測値 50.6% に最も近い値。全世帯の約半数に65歳以上が含まれている状態で、超高齢社会を象徴する数値。
-
× 4. 70%
70%は過大な値で、将来推計でも直近数十年のうちに到達する水準ではない。
国民生活基礎調査の重要指標は国試頻出。令和4年のポイントは、①全世帯数 約5,431万、②65歳以上の者がいる世帯 50.6%、③65歳以上の者がいる世帯の内訳は『夫婦のみ世帯 32.1%』『単独世帯 31.8%』『親と未婚の子のみ 20.1%』『三世代 7.1%』の順、④平均世帯人員 2.25人、⑤児童のいる世帯は全世帯の 18.3%(減少傾向)。関連指標として、高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)は約29.0%、高齢単独世帯(65歳以上の一人暮らし)の増加が顕著で、孤立予防や地域包括ケアの課題となっている。
国民生活基礎調査における高齢者のいる世帯割合(約50%)を把握し、日本の世帯構造の変化を理解する問題。
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