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予防接種・ワクチンの種類

健康支援と社会保障制度 / 感染症対策と予防

解説

予防接種とは、ワクチンを接種することで人工的に免疫を獲得させ、感染症の発症や重症化を防ぐ医療行為です。今回は予防接種・ワクチンの種類について解説します。

感染症成立と予防接種の位置づけ

感染症が成立するには、感染源感染経路感受性宿主の三要素がすべてそろう必要があります。予防接種は、このうち感受性宿主に対する対策であり、宿主の感受性を低下させて免疫を付与することにより感染症の成立を防ぎます。感染源対策には患者の隔離や器具の消毒、感染経路対策には標準予防策や経路別予防策があり、これらと並んで予防接種は感染症対策の重要な柱となります。集団における接種率が高まると集団免疫が形成され、免疫を持たない人や接種できない人も間接的に守られます。

ワクチンの種類

生ワクチン

生ワクチンは、病原体を弱毒化したものを用いるワクチンです。自然感染に近い強い免疫が得られやすく、効果が長く続きます。代表的なものにBCG(結核)、麻疹、風疹、麻しん風しん混合(MR)、水痘、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、ロタウイルス、黄熱があります。妊婦や免疫不全者には原則として禁忌であり、他の生ワクチンとの接種間隔は27日以上空ける必要があります。

不活化ワクチン

不活化ワクチンは、病原体を化学処理などで感染力を失わせたものを用います。生ワクチンに比べて免疫の持続が短く、複数回の追加接種が必要です。ポリオ(IPV)、日本脳炎、インフルエンザ、B型肝炎、A型肝炎、Hib、肺炎球菌、HPV、狂犬病などが該当します。接種後の他のワクチンとの間隔規制はありません。

トキソイド

トキソイドは、細菌が産生する毒素を無毒化したものを抗原として用います。ジフテリア破傷風が代表例で、毒素に対する免疫を獲得させます。

mRNAワクチン

mRNAワクチンは、病原体の抗原タンパクの設計図であるmRNAを投与し、体内で抗原を作らせて免疫を獲得させる新しいタイプのワクチンです。新型コロナウイルス感染症で実用化されました。

予防接種法による分類

予防接種法では、対象疾患をA類疾病とB類疾病に区分しています。

A類疾病(定期接種・集団予防)

A類疾病は集団予防および重篤な疾患の予防を目的とし、接種には努力義務があります。対象はジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、麻しん、風しん、日本脳炎、結核、Hib感染症、小児用肺炎球菌感染症、水痘、B型肝炎、HPV感染症、ロタウイルス感染症です。

B類疾病(個人予防)

B類疾病は個人の発症予防や重症化防止を目的とし、努力義務はありません。インフルエンザ、高齢者の肺炎球菌感染症、新型コロナウイルス感染症が含まれます。

任意接種

流行性耳下腺炎(ムンプス)は予防接種法の定期接種に含まれず、任意接種として扱われます。

副反応への対応

接種後は発熱や接種部位の腫脹などの局所反応がみられることがあります。アナフィラキシーに備え、接種後30分程度は経過観察を行い、急変時にはアドレナリン投与など速やかに対応します。重篤な副反応が疑われる場合は医師への報告と健康被害救済制度の案内が必要です。

まとめ

予防接種は感受性宿主の感受性を下げることで感染症の成立を防ぐ重要な対策です。ワクチンには生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイド、mRNAワクチンがあり、それぞれ特徴と注意点が異なります。予防接種法ではA類疾病とB類疾病に分類され、対象疾患や努力義務の有無が定められています。生ワクチンは妊婦や免疫不全者に禁忌であり、他の生ワクチンとは27日以上の間隔を空ける点が重要です。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    感染症の成立には感染源、感染経路、の三要素が必要であり、予防接種はこのうちに対する対策である。

  2. 2.

    予防接種法において、集団予防を目的とし接種に努力義務があるのは類疾病であり、個人予防を目的とし努力義務がないのは類疾病である。

  3. 3.

    病原体を弱毒化して用いるワクチンをといい、病原体を化学処理などで感染力を失わせたものを用いるワクチンをという。

  4. 4.

    細菌が産生する毒素を無毒化して抗原とするワクチンをといい、代表例にジフテリアとがある。

  5. 5.

    生ワクチンに該当する結核の予防接種はであり、麻しん・風しんの混合ワクチンはワクチンと呼ばれる。

  6. 6.

    生ワクチンはや免疫不全者には原則禁忌であり、他の生ワクチンとの接種間隔は日以上空ける必要がある。

  7. 7.

    新型コロナウイルス感染症で実用化された、抗原タンパクの設計図を投与するワクチンをワクチンという。

  8. 8.

    流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)は予防接種法の定期接種に含まれず、接種として扱われる。

予防接種・ワクチンの種類」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。