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産褥早期と新生児紅斑

母性看護学 / 産褥期・授乳

解説

分娩を終えた女性の身体は、妊娠前の状態へと回復していく過程に入ります。この時期を産褥期といい、おおむね分娩後6〜8週間を指します。産褥期の変化には、子宮や生殖器が元に戻る退行性変化と、乳汁分泌が確立していく進行性変化の二つがあります。看護師には、これらの正常経過を理解したうえで母体の回復を支援し、同時に新生児の生理的な所見にも対応していく力が求められます。

子宮復古と悪露の正常経過

子宮復古とは、妊娠で大きくなった子宮が分娩後に元の大きさへ戻っていく現象です。判断の指標となるのが子宮底高で、分娩直後は臍下2〜3横指、12時間後に臍高まで上昇し、その後は産褥1〜2日で臍下1〜2横指、産褥3日で臍下3横指、産褥10日には腹壁から触れなくなります。子宮が硬く触れることは収縮が良好なサインで、子宮収縮に伴う痛みを後陣痛と呼びます。

悪露は子宮内膜の剥離面や産道からの分泌物で、色調が時期とともに変化します。分娩〜産褥3日頃までは赤色悪露、〜2週で褐色悪露、〜4週で黄色悪露、〜6週で白色悪露へと移行します。子宮底高・子宮の硬度・悪露の量と色を組み合わせて子宮復古を総合的に評価することが、産褥早期の基本となります。

会陰縫合部のケアと排便への不安

分娩時に生じる会陰裂傷は、深達度により第1度(皮膚・粘膜のみ)、第2度(会陰筋層に及ぶ)、第3度(肛門括約筋に及ぶ)、第4度(直腸粘膜に達する)に分類されます。適切に縫合されていれば通常の排便圧で離開することはほとんどなく、5〜7日で創部の退縮が進みます。

産褥期は妊娠中の腸管圧迫が解除される一方で、腹筋の弛緩や水分バランスの変動、そして縫合部が裂けるのではないかという恐怖により便秘になりやすい状態です。便秘の訴えがあったときは、身体的要因か心理的要因かを見極めることが重要です。妊娠中に便秘がなく縫合部にも異常がない場合、原因は離開への不安である可能性が高く、まずは「縫合部は通常の排便で離開しない」という正確な情報を伝えて安心させることが最優先となります。心理的支援を行ったうえで、水分・食物繊維の摂取、排便習慣の確立、温罨法、最終手段として緩下薬と進めるのが基本の順序です。

新生児中毒性紅斑と生理的皮膚所見

新生児の皮膚には、病的ではない生理的所見が数多く現れます。新生児中毒性紅斑は生後2〜3日頃を中心に新生児の約半数に出現し、顔面・体幹・四肢に直径1〜3mmの黄色丘疹を中心とした紅斑が散在します。原因は不明ですが病的意義はなく、数日から2週間程度で自然に消失します。特別な治療や洗浄は不要で、母親には生理的なものであることを説明し、不安を軽減することが看護のポイントとなります。

このほかにも、皮脂腺の亢進による新生児ざ瘡、鼻や頬にみられる白色小丘疹の稗粒腫、仙骨部の青灰色斑である蒙古斑、前額や瞼のサーモンパッチなど、自然に消退する所見が多数あります。一方で、発熱を伴う発疹、膿疱、広範囲の水疱などは感染や病的皮疹を疑い、医師への報告が必要です。

まとめ

産褥早期では、子宮底高・硬度・悪露・後陣痛から子宮復古を評価し、会陰創部の治癒や乳汁分泌の進行を併せて観察します。便秘などの訴えがあった場合は、その背景にある原因を見極めて優先順位の高い介入を選びます。新生児の皮膚所見では生理的な変化と病的な変化を鑑別し、中毒性紅斑のような正常所見では母親に正しい情報を提供することで不安を和らげることが大切です。母児双方の正常経過を理解しておくことが、産褥期の看護の土台となります。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    産褥1日目の子宮底高は臍下横指が正常である。

  2. 2.

    子宮収縮に伴う痛みをという。

  3. 3.

    分娩〜産褥3日頃までの悪露は悪露である。

  4. 4.

    会陰筋層に及ぶ会陰裂傷は第度に分類される。

  5. 5.

    縫合部離開への不安で排便ができない褥婦には、まずとして縫合部は離開しないことを伝え安心させることが優先される。

  6. 6.

    生後2〜3日頃を中心に新生児の約半数に出現する生理的な紅斑を新生児という。

  7. 7.

    新生児中毒性紅斑は数日から週間程度で自然消失する。

  8. 8.

    仙骨部にみられる青灰色の生理的色素斑をという。

産褥早期と新生児紅斑」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。