StudyNurse

正期産分娩と夫の付添

母性看護学 / 分娩期・分娩経過

解説

今回は正期産における分娩第1期の進行と、産痛緩和、夫の付添について解説します。分娩は妊娠週数と進行段階によってアセスメントの視点が異なり、産婦の安楽と安全を守るための援助も第1期・第2期で大きく変わります。ここでは入院時の評価から極期のいきみ逃しまでを順に整理します。

妊娠週数と分娩用語の基本

分娩は妊娠週数によって呼び方が分かれます。妊娠22週0日から36週6日までを早産、37週0日から41週6日までを正期産、42週0日以降を過期産といいます。妊娠40週前後で陣痛発来した場合は正期産であり、児の成熟度が十分に得られている時期と考えます。

出生体重による分類も重要です。正常出生体重児は2500g以上、低出生体重児は2500g未満、極低出生体重児は1500g未満、超低出生体重児は1000g未満です。また初産婦のうち35歳以上の初産婦を高年初産婦といい、妊娠高血圧症候群や微弱陣痛、分娩遷延などのリスクが高まるため、入院時から慎重な観察が求められます。

入院時の胎児・母体の評価

入院時にはまず分娩監視装置で胎児心拍数を確認します。胎児心拍数基線の正常範囲は110〜160bpmで、これより低ければ徐脈、高ければ頻脈と判断します。心拍数の評価は基線だけでなく、基線細変動の有無、一過性頻脈や一過性徐脈などの一過性変動のパターンも合わせて読みとります。早発一過性徐脈は児頭圧迫、遅発一過性徐脈は胎盤機能不全、変動一過性徐脈は臍帯圧迫が示唆されるため、波形の意味を理解しておくことが大切です。

母体側では陣痛間欠と発作の時間、子宮口開大度、児頭下降度、破水の有無、バイタルサインを確認します。これらをもとに分娩進行が順調かを判断します。

分娩第1期活動期と産痛緩和

分娩第1期は子宮口開大が0cmから10cm(全開大)に至るまでの時期で、活動期に入ると陣痛が強くなり産痛も増強します。腰痛が強くなるのは児頭が下降して仙骨神経叢を圧迫するためで、産婦の安楽を保つために多彩な産痛緩和を行います。具体的には腰部マッサージや仙骨部圧迫、テニスボールや握りこぶしでの圧迫、温罨法、体位変換、ゆっくりとした呼吸法などが有効です。

この時期に夫が付き添っている場合は、看護師が夫に腰部マッサージや仙骨部圧迫の方法を具体的に指導し実施してもらうことが推奨されます。パートナー参加型ケアは産婦の安心感を高め痛みの閾値を上げる効果があり、同時に夫が分娩に主体的にかかわることで父親役割の獲得を促す重要な機会となります。看護師は夫が無力感を抱かないよう、できる援助を具体的に伝える役割を担います。

分娩第1期極期といきみ逃し

子宮口が7〜10cmに達した時期を分娩第1期極期といいます。子宮口8cmは極期に相当し、まだ全開大ではありません。児頭が下降してくると直腸が圧迫され「便が出そう」という強いいきみ感が生じますが、この時点でいきんでしまうと子宮頸管裂傷のリスクが高くなるため、全開大までは決していきませてはいけません

そこで行うのがいきみ逃しです。声かけとしては「いきまずに息を吐きましょう」「力を抜きましょう」と伝え、ヒーヒーフー呼吸や短速呼吸で陣痛発作をやり過ごせるよう支援します。肛門部をテニスボールなどで圧迫するのも有効です。子宮口が全開大になってから初めて陣痛発作に合わせていきみを促します。

破水後の管理

破水後は子宮内感染のリスクが高まるため、入浴やシャワーは禁止となります。内診回数も最小限にし、清潔を保ちます。観察項目として体温の上昇、羊水の量・色・におい、胎児心拍数、臍帯脱出の有無を確認します。羊水混濁がみられる場合は胎児機能不全のサインとして注意が必要です。これらの基本を押さえておけば、正期産・分娩第1期の問題には自信をもって対応できます。

確認問題(穴埋め)

空欄をタップすると答えが表示されます。

  1. 1.

    妊娠を正期産という。

  2. 2.

    胎児心拍数基線の正常範囲はbpmである。

  3. 3.

    出生体重が2500g以上の児を児という。

  4. 4.

    35歳以上の初産婦を婦という。

  5. 5.

    分娩第1期で腰痛が強いとき、夫に行ってもらう産痛緩和として代表的なのはである。

  6. 6.

    夫が分娩に付き添い産痛緩和に参加することは、夫のを促す機会となる。

  7. 7.

    子宮口8cmで「便が出そう」と訴える産婦に対し、いきまずに息を吐いて力を抜く呼吸法をという。

  8. 8.

    全開大前にいきむことで生じる代表的な損傷はである。

  9. 9.

    破水後は感染予防のためは禁止となる。

正期産分娩と夫の付添」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。