習慣流産の定義
母性看護学 / 妊娠合併症・異常妊娠
解説
習慣流産とは、自然流産を連続して3回以上繰り返した状態をいいます。今回は習慣流産の定義について解説します。
流産の定義と区分
流産とは、妊娠22週未満で妊娠が中絶することをいいます。妊娠週数によって区分され、妊娠12週未満で起こるものを早期流産、12週以降22週未満で起こるものを後期流産と呼びます。流産全体の多くは早期流産が占め、その原因の大部分は胎児(受精卵)側の染色体異常です。
また成立の仕方によっても分類され、人工的な操作を加えずに自然に起こる流産を自然流産、人工妊娠中絶などによるものを人工流産といいます。
反復流産と習慣流産
自然流産を繰り返す場合には、その回数によって呼び方が異なります。自然流産を連続して2回繰り返した状態を反復流産、連続して3回以上繰り返した状態を習慣流産といいます。回数の違いを正確に区別して覚えることが重要です。
不育症
不育症とは、流産・死産・早期新生児死亡を繰り返して生児が得られない状態の総称で、反復流産や習慣流産も不育症に含まれます。生児を得られないことが共通の特徴であり、原因検索と治療が必要となります。
主な原因
不育症の原因として最も頻度が高いのは胎児(受精卵)の染色体異常です。母体側の要因としては、抗リン脂質抗体症候群(APS)、中隔子宮や双角子宮などの子宮形態異常、甲状腺疾患・糖尿病・高プロラクチン血症などの内分泌異常、プロテインS欠乏などの凝固異常、夫婦の染色体構造異常(均衡型転座など)が挙げられます。
検査と治療
検査では、抗リン脂質抗体検査、子宮卵管造影やMRIによる子宮形態の評価、内分泌検査、凝固系検査、夫婦の染色体検査などが行われます。治療は原因に応じて、低用量アスピリン療法やヘパリン療法、ホルモン補充、子宮形成術などが選択されます。
看護師としての支援
不育症の女性は、繰り返す流産による喪失体験から強い悲嘆や自責感を抱きやすく、心理的負担が非常に大きい状態にあります。身体的ケアだけでなく、思いを傾聴し受容的に関わるなど、精神的支援を行うことが大切です。
まとめ
自然流産を連続2回繰り返したものを反復流産、3回以上繰り返したものを習慣流産といい、いずれも不育症に含まれます。原因に応じた検査・治療と、心理面への配慮を含めた総合的な看護が求められます。
確認問題(穴埋め)
空欄をタップすると答えが表示されます。
- 1.
流産とは、妊娠週未満で妊娠が中絶することをいう。
- 2.
妊娠12週未満で起こる流産を、12週以降22週未満で起こる流産をという。
- 3.
人工的な操作なしに起こる流産をという。
- 4.
自然流産を連続して2回繰り返した状態をという。
- 5.
自然流産を連続して回以上繰り返した状態をという。
- 6.
流産・死産・早期新生児死亡を繰り返して生児が得られない状態の総称をといい、反復流産や習慣流産もこれに含まれる。
- 7.
不育症の原因として最も頻度が高いのは、胎児(受精卵)のである。
- 8.
不育症の母体側の原因のうち、自己抗体が関与するものを(APS)という。
- 9.
抗リン脂質抗体症候群に対する治療として、療法やヘパリン療法が行われる。
- 10.
不育症の女性は心理的負担が大きいため、身体的ケアに加えて(心理的支援)が重要である。
