小児白血病・終末期支援
小児看護学 / 小児血液・腫瘍・その他
解説
小児白血病とは、骨髄で白血球が腫瘍性に増殖する造血器悪性腫瘍であり、小児がんの中で最も頻度が高く全体の約3分の1を占める疾患です。今回は小児白血病の治療と、終末期を迎えた子どもや家族への支援について解説します。
小児白血病の概要と治療
小児白血病の大半は急性リンパ性白血病(ALL)であり、次いで急性骨髄性白血病(AML)が見られます。治療は化学療法が中心で、まず白血病細胞を減少させる寛解導入療法を行い、続いて残存細胞を排除する地固め療法、再発を防ぐ維持療法へと段階的に進めます。再発例や難治例では造血幹細胞移植が適応となり、同胞などをドナーとして骨髄移植・末梢血幹細胞移植・臍帯血移植が選択されます。
化学療法と移植の合併症
化学療法に伴う副作用としては、骨髄抑制による感染・出血・貧血、悪心嘔吐、脱毛、口内炎、長期的には成長障害があります。造血幹細胞移植後はドナーリンパ球が患児の組織を攻撃する移植片対宿主病(GVHD)、感染症、晩期合併症の管理が重要となります。
小児慢性特定疾病医療費助成制度
白血病をはじめとする長期療養を要する疾病については、児童福祉法に基づく小児慢性特定疾病医療費助成制度によって医療費が助成されます。対象は18歳未満(治療継続が必要な場合は20歳未満まで延長可)の子どもで、申請窓口は都道府県・指定都市・中核市です。対象疾病は悪性新生物、慢性腎疾患、慢性心疾患、内分泌疾患、糖尿病、先天性代謝異常など16疾患群、約800疾病に及びます。20歳以降は指定難病制度や高額療養費制度へとつなぐ移行期医療の支援も求められます。
小児緩和ケアと終末期の生活
WHOは小児緩和ケアを「子どもの身体・心・精神・社会に対する積極的で全体的なケア」と定義しています。終末期では治療よりもQOLの最大化が優先され、制限は最小限に抑えます。体調に合わせて幼稚園や学校に登園し、食事制限は不要で本人の好きな物を食べてよく、「その子らしく生きる」ことを支える視点が大切です。
在宅移行支援
在宅へ移行する際には、訪問診療・訪問看護との連携、オピオイドを含めた疼痛・症状マネジメント、家族やきょうだいへの支援、学校・幼稚園との調整、グリーフケアの準備を柱とします。レスパイトケアなど社会資源の活用も家族を支えます。
死の概念の発達ときょうだい支援
子どもは9〜10歳頃に死の不可逆性・普遍性・機能停止という三要素を理解するようになります。発達段階に応じた言葉で真実を伝えることが重要です。きょうだいは「忘れられた悲嘆者(forgotten mourner)」と呼ばれるほど支援が手薄になりがちで、特に造血幹細胞移植のドナーとなったきょうだいは「自分の骨髄が役に立たなかった」というサバイバーズ・ギルトを抱きやすいため、看護師が同席して気持ちを語れる場を設定します。
家族の意思決定支援とまとめ
両親に対しては延命の意思を尊重しつつ、後の後悔を防ぐために十分な情報提供と対話を重ねます。小児白血病の看護は、治療に伴う身体的苦痛の緩和だけでなく、制度を活用した経済的支援、家族・きょうだいを含めた心理社会的支援、そして子どもらしい生活の保障までを包括的に行うことが求められます。
確認問題(穴埋め)
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- 1.
小児がんの中で最も頻度が高いのはであり、小児がん全体の約3分の1を占める。
- 2.
小児白血病の大半を占める病型は急性白血病(ALL)である。
- 3.
小児白血病の化学療法は、寛解導入療法のあとに療法、維持療法へと進める。
- 4.
再発例などで行われる造血幹細胞移植後に、ドナーリンパ球が患児の組織を攻撃して起こる合併症を(移植片対宿主病)という。
- 5.
小児慢性特定疾病医療費助成制度はに基づき、原則18歳未満の子どもを対象としている。
- 6.
同制度の申請窓口は・指定都市・中核市である。
- 7.
小児終末期では制限を最小限にしてQOLを最大化し、食事制限はで本人の好きな物を食べてよい。
- 8.
子どもは一般的に歳頃に死の不可逆性・普遍性・機能停止を理解するとされる。
- 9.
支援が手薄になりやすい患児のきょうだいは「忘れられた(forgotten mourner)」と呼ばれる。
- 10.
ドナーとなったきょうだいが「自分の骨髄が役に立たなかった」と感じることをという。
