学童期の手洗い学習
健康支援と社会保障制度 / 感染症対策と予防
解説
学童期の手洗い学習とは、6〜12歳の小学生に対し、感染予防の基本となる衛生的手洗いの手技と意義を身につけさせる保健指導です。今回は、学童期の発達特性をふまえた手洗い学習について解説します。
学童期の認知発達と教育的特性
学童期はピアジェの認知発達理論における具体的操作期(7〜11歳頃)にあたります。この時期の子どもは抽象的な概念よりも、具体物や体験を通して論理的に考えることが得意です。そのため、講義のみで知識を伝えるより、実際に手を動かす体験学習が有効です。また同性同年代の仲間関係を重視する時期であり、グループでの協同学習も動機づけにつながります。
学習目標の3領域と手洗いの位置づけ
ブルームは教育目標を3領域に分類しました。知識・理解を扱う認知領域、態度や価値観を育てる情意領域、技能の習得を扱う精神運動領域です。手洗い手技の習得は精神運動領域に属し、実演・反復練習・フィードバックが不可欠となります。コルブの経験学習サイクル(経験→省察→概念化→実践)を回すことで、技能が定着します。
衛生的手洗いの手順
標準的な衛生的手洗いは、流水で手を濡らした後、石けんを十分に泡立て、手のひら・手の甲・指の間・爪・親指・手首を15〜30秒以上こすり洗いし、流水で十分にすすぎ、清潔なタオルやペーパータオルで完全に乾かす、という流れで行います。
洗い残しが多い部位と見える化
洗い残しが多いのは指先・爪、親指、手首、指の間です。学校現場では、蛍光剤入りローションを手に塗ってから手洗いを行い、ブラックライトで照らして洗い残しを可視化する方法が広く用いられます。視覚的に確認することで自己評価が促され、学習効果が高まります。
学童への保健指導の原則
学童期の保健指導では、体験学習を中心に、五感を使った学び、仲間との協同学習、達成感のフィードバックを重視します。
まとめ
学童期の手洗い学習は、具体的操作期の特性をふまえ、実演と体験を中心に進めることが重要です。蛍光剤とブラックライトによる見える化や仲間との協同学習を通じて、感染予防行動を生活習慣として定着させ、家庭への波及効果も期待されます。
確認問題(穴埋め)
空欄をタップすると答えが表示されます。
- 1.
学童期は6〜12歳にあたり、ピアジェの認知発達理論ではに該当する。
- 2.
ブルームの教育目標分類のうち、知識・理解を扱う領域をという。
- 3.
ブルームの教育目標分類のうち、態度や価値観を扱う領域をという。
- 4.
手洗い手技の習得は、ブルームの分類におけるに属する。
- 5.
経験→省察→概念化→実践のサイクルを示した学習理論を、の経験学習サイクルという。
- 6.
衛生的手洗いでは、手のひら・手の甲・指の間・爪・親指・手首を少なくとも秒以上こすり洗いする。
- 7.
手洗い後は、清潔なタオルやペーパータオルで完全にことが重要である。
- 8.
洗い残しを可視化する方法として、蛍光剤入りローションとを用いる手法が学校現場で広く活用されている。
- 9.
洗い残しが特に多い部位として、指先・爪・手首・などが挙げられる。
