在宅服薬管理支援
地域・在宅看護論 / 在宅生活支援・その他
解説
今回は在宅服薬管理支援について解説します。
高齢者の服薬管理の課題
在宅で生活する高齢者は、複数の診療科から処方を受けることにより多剤併用(ポリファーマシー)となりやすく、飲み忘れ・飲み間違い・自己判断による中断といった問題が生じやすくなります。背景には、認知機能の低下、視力低下、嚥下機能低下、巧緻動作の低下、服薬時間の認識ミスなどが複合的に関与します。一般的に5〜6剤以上で有害事象のリスクが上昇し、副作用、薬剤相互作用、転倒、せん妄、認知機能低下などのリスクが高まります。
アセスメントの第一歩
支援を始める前に、まず本人から「どの薬を何時に内服しているのか」を聴取し、現状を把握することが重要です。その上で、飲み忘れなのか、服薬時間の誤認なのか、自己判断による調整なのか、嚥下困難によるものなのかを判別します。把握→原因分析→本人と共に方略を検討→必要時に社会資源を導入という流れで進めます。
支援方法
一包化
複数科からの処方を1回分ごとに一包化することで、視覚的に1回分が確認しやすくなり、飲み忘れや飲み間違いを防止できます。セルフケアを維持しながら安全性を高められる方法です。
服薬補助具・環境調整
お薬カレンダーは曜日・時間ごとのポケットに薬を入れて管理します。配薬ボックスは1週間分を時間別に分けて配置し、服薬チェック表で飲んだら印をつけて確認します。スマートフォンや専用機器のアラーム活用、大きな文字での説明書や絵入りの指示書も有効です。
多職種連携
薬剤師は薬剤の一元管理と薬学的アセスメントを担い、医師は処方の見直しや減薬を行います。ケアマネジャー、訪問介護員、家族とも連携し、必要時には訪問薬剤管理指導を導入します。
在宅自立支援の原則と看護のポイント
要支援者ではまず自立支援を優先し、セルフケアを維持しつつ過不足なく支援し、本人の意向を尊重します。看護師は服薬状況の継続的確認や残薬チェック、副作用観察、相互作用の確認を行い、嚥下機能のアセスメントに基づき必要時にはOD錠、貼付剤、シロップなどの剤形変更を医師・薬剤師に提案します。認知機能低下時は家族や訪問介護員と協働し、本人の生活に合った服薬支援を継続することが大切です。
確認問題(穴埋め)
空欄をタップすると答えが表示されます。
- 1.
複数の診療科から処方を受け多剤併用となる状態をという。
- 2.
一般的に剤以上で有害事象のリスクが上昇するとされる。
- 3.
複数科からの処方を1回分ごとにまとめる方法をという。
- 4.
曜日・時間ごとのポケットに薬を入れて管理する用具をという。
- 5.
在宅服薬管理支援のアセスメントの第一歩は、本人からを聴取することである。
- 6.
薬剤の一元管理や薬学的アセスメントを担う職種はである。
- 7.
要支援者の在宅服薬管理では、まずを優先する。
- 8.
嚥下機能低下時には剤形変更としてや貼付剤、シロップへの変更を検討する。
- 9.
ポリファーマシーは副作用、相互作用、転倒、、認知機能低下などのリスクを高める。
- 10.
薬剤師が在宅で服薬管理を支援する制度をという。
