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SDGsとMDGs

看護の統合と実践 / 国際看護・多文化看護

解説

今回は国際保健の重要テーマであるSDGsとMDGsについて解説します。両者はいずれも国際連合(国連)が主導してきた地球規模の開発目標であり、看護師国家試験の国際保健領域では頻出のテーマです。それぞれの採択年・対象期間・対象国・目標数・基本理念を正確に区別できるようにしておきましょう。

MDGsとは

MDGsとは、Millennium Development Goalsの略称で、日本語ではミレニアム開発目標と訳されます。2000年9月にニューヨークの国連本部で開催された国連ミレニアム・サミットにおいて採択された「国連ミレニアム宣言」と、1990年代に開催された主要な国際会議で採択された国際開発目標を統合して策定されました。対象期間は2001年から2015年までの15年間で、主に開発途上国が抱える貧困・飢餓・教育・保健などの課題解決を目的とした目標群です。

MDGsの8つの目標

MDGsは以下の8つのゴールで構成されていました。すなわち、極度の貧困と飢餓の撲滅、初等教育の完全普及の達成、ジェンダー平等の推進と女性の地位向上、乳幼児死亡率の削減、妊産婦の健康の改善、HIV/エイズ・マラリア・その他の疾病の蔓延の防止、環境の持続可能性の確保、開発のためのグローバルなパートナーシップの推進の8項目です。このうち保健医療分野に直接かかわるのは、乳幼児死亡率の削減・妊産婦の健康改善・感染症対策の3つで、いずれも開発途上国の母子保健と感染症蔓延への対策が中心でした。

SDGsとは

SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略称で、日本語では持続可能な開発目標と訳されます。MDGsの後継として、2015年9月の国連サミットで全会一致により採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」に掲げられた国際目標です。対象期間は2016年から2030年までの15年間で、17のゴールと169のターゲットで構成されます。 SDGsの最大の特徴は、開発途上国だけでなく先進国を含むすべての国が取り組むべき普遍的(ユニバーサル)な目標である点です。基本理念として「誰一人取り残さない(Leave no one behind)」が掲げられ、貧困・教育・保健・ジェンダー平等・気候変動・平和など、経済・社会・環境の3側面を統合的に扱う包括的な枠組みになっています。

保健分野に関する目標

SDGsの17目標のうち、保健医療に直接関連するのは**目標3「すべての人に健康と福祉を」です。この目標には、妊産婦死亡率と新生児・5歳未満児死亡率の削減、エイズ・結核・マラリア等の感染症の根絶、非感染性疾患(NCD)による若年死亡の削減、たばこ規制の強化、医薬品・ワクチンへのアクセス改善、そしてすべての人が必要な保健医療サービスを経済的困難なく受けられるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)**の達成などが含まれます。看護職にも、地域や国を越えて健康を支える視点が求められます。

MDGsとSDGsの比較

両者を比較すると、採択年はMDGsが2000年、SDGsが2015年で、対象期間はMDGsが2001〜2015年、SDGsが2016〜2030年です。ゴール数はMDGsが8、SDGsが17と大幅に増加しました。最も重要な相違点は対象範囲で、MDGsが主に開発途上国を対象としていたのに対し、SDGsは先進国を含むすべての国が取り組む普遍的な目標である点です。国試では「2015年に採択され、すべての国に適用される目標は何か」「2016年から2030年までの開発目標は何か」といった形でSDGsが問われることが多く、採択年と対象期間をセットで覚えておく必要があります。

まとめ

MDGsは2000年に採択され2001〜2015年までを対象とした8つの目標で、主に開発途上国の貧困・教育・母子保健・感染症対策に焦点を当てた枠組みでした。後継のSDGsは2015年9月の国連サミットで採択され、2016〜2030年までの15年間で先進国を含むすべての国が取り組む17の目標と169のターゲットで構成されます。「誰一人取り残さない」を理念とし、保健分野は目標3に集約され、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成が中心課題となっています。採択年・対象期間・目標数・対象国・基本理念の違いを整理して覚えることが国試対策の要となります。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    2015年9月の国連サミットで採択され、2016年から2030年までを対象とする17の目標と169のターゲットからなる国際的な開発目標をという。

  2. 2.

    SDGsの前身として2000年に採択され、2001年から2015年までを対象とした主に開発途上国向けの8つの開発目標をという。

  3. 3.

    SDGsは開発途上国だけでなくを含むすべての国が取り組む普遍的な目標である点がMDGsとの大きな違いである。

  4. 4.

    SDGsの基本理念として掲げられているスローガンは「」(Leave no one behind)である。

  5. 5.

    SDGsの17の目標のうち、保健医療に直接関連するのは目標「すべての人に健康と福祉を」である。

  6. 6.

    SDGsの目標3に含まれる、すべての人が必要な保健医療サービスを経済的困難なく受けられる状態を目指す概念をという。

  7. 7.

    SDGsは全部でのゴールと169のターゲットで構成されている。

SDGsとMDGs」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。