気管支喘息発作の看護
看護の統合と実践 / 救命救急・急変・その他
解説
今回は気管支喘息発作の看護について解説します。
気管支喘息とは、気道の慢性炎症をベースとし、気道平滑筋の収縮、気道粘膜の浮腫、気道分泌の亢進によって可逆性の気道狭窄が生じる疾患です。発作時には気道が狭くなることで、特に呼気時に空気を吐き出しにくくなり、呼気の延長や喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼーという音)、呼吸困難が出現します。発作の誘因にはアレルゲン(ハウスダスト・花粉など)、上気道感染、運動、気候変動、薬物、たばこの煙、そして過労や精神的ストレスなどがあります。
喘息発作時の重症度判定と体位
発作の重症度は、会話の可否、歩行の可否、体位、チアノーゼの有無、SpO2などから総合的に判定します。会話が困難で歩行もできない状態は中等症から重症発作に該当します。発作時に最も呼吸が楽になる体位は起坐位で、オーバーテーブルなどに前傾して寄りかかる姿勢をとると、横隔膜が下がり補助呼吸筋を使いやすくなるため、換気量を確保しやすくなります。仰臥位は横隔膜の動きを妨げ呼吸困難を増悪させるため避けます。
発作時の呼吸法と禁忌薬
非薬物的な呼吸介助として有用なのが口すぼめ呼吸です。これは口をすぼめてゆっくり息を吐き、口腔内に陽圧をかけることで末梢気道の虚脱を防ぎ、肺胞内にたまった空気を効率よく吐き出させる呼吸法で、発作時の換気改善に役立ちます。
また、喘息発作時に投与してはならない薬剤として、呼吸抑制を引き起こす鎮静薬・モルヒネ、気管支を収縮させるβ遮断薬は禁忌です。治療は気管支拡張薬(短時間作用性β2刺激薬の吸入)、副腎皮質ステロイドの全身投与、酸素投与が基本となります。
非侵襲的陽圧換気(NPPV)
薬物治療や酸素投与でも改善しない場合、気管挿管を行わずマスクを介して気道に陽圧をかけて換気を補助する**非侵襲的陽圧換気(NPPV)**が用いられます。吸気時には高い陽圧(IPAP)、呼気時には低い陽圧(EPAP)が持続的にかかるため、患者は通常呼吸より息を吐きにくく感じやすく、装着前にこの感覚をあらかじめ説明し協力を得ることが治療成功の鍵となります。適応は意識清明で自発呼吸があり気道確保が可能な患者で、合併症として鼻根部の皮膚障害、結膜炎、腹部膨満などがあります。
退院指導と長期管理
喘息は慢性疾患であるため、退院後は発作の誘因を避ける生活指導が重要です。長期管理ではコントローラーとして吸入ステロイド薬を毎日継続使用し、発作時にはリリーバーとして短時間作用性β2刺激薬を用います。過労や精神的ストレスも発作の誘因となるため、ストレスをためない生活習慣の確立、十分な休息、ピークフロー値の自己モニタリングを指導します。
まとめとして、気管支喘息発作の看護では、起坐位と口すぼめ呼吸による呼吸介助、禁忌薬の理解、NPPV装着時の患者説明、そして退院後の誘因回避とストレス管理が重要なポイントとなります。
確認問題(穴埋め)
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- 1.
気管支喘息発作では、気道平滑筋の収縮や粘膜浮腫によりの気道狭窄が生じる。
- 2.
喘息発作時に呼吸が最も楽になる体位はである。
- 3.
発作時に末梢気道の虚脱を防ぎ呼気を促す呼吸法をという。
- 4.
喘息発作時に呼吸抑制を起こすため禁忌となる麻薬性鎮痛薬はである。
- 5.
喘息発作時には気管支を収縮させるための使用は禁忌である。
- 6.
気管挿管を行わずマスクを介して気道に陽圧をかける換気法をという。
- 7.
NPPVでは呼気時にも陽圧がかかるため、患者は感覚を生じやすい。
- 8.
喘息の長期管理におけるコントローラーの中心となる薬剤はである。
- 9.
喘息発作の誘因として、過労とともに精神的なの管理が退院指導で重要となる。
