高齢者の急性胆嚢炎入院看護
老年看護学 / 高齢者の疾患・身体ケア
解説
今回は高齢者の急性胆嚢炎入院看護について解説します。
急性胆嚢炎の病態と治療
急性胆嚢炎の多くは胆石が胆嚢管を閉塞することで発症します。主症状は右上腹部痛(Murphy徴候陽性)、発熱、嘔気・嘔吐、食欲不振、腹部不快感で、重症化すると黄疸を呈します。検査では白血球やCRPの上昇、腹部超音波で胆嚢腫大や壁肥厚を認めます。治療は絶飲食・輸液・抗菌薬投与による保存的治療と、根治治療である腹腔鏡下胆嚢摘出術があります。
病室環境の整備と転倒予防
高齢者では転倒予防が重要です。ベッドの高さは患者が端座位をとった時に膝関節が90度となる高さ(床面から座面まで35〜40cm)に調整し、足底が床にしっかり接地するようにします。これにより立ち上がりが安全になります。ベッド柵の設置、床の滑り防止、夜間照明の確保、ナースコールを手の届く位置に置くことも必須です。履物は踵付きで滑りにくいものを選びます。
転倒予防の3要素
転倒予防は環境(ベッド高さ・柵・照明)、身体(筋力低下・視力・バランス・服薬の影響)、行動(排泄時の見守り・履物選択)の3要素を総合的に評価して対策します。
せん妄の予防と対応
入院後24〜72時間以内に発症することが多いせん妄は、3因子で考えます。準備因子は高齢・認知症・脳血管障害、促進因子は環境変化・身体拘束・疼痛・不眠、直接因子は感染・脱水・電解質異常・薬剤・手術などです。症状は場所の見当識障害、注意障害、意識レベルの変動が特徴です。
対応は非薬物的介入が第一選択で、時計やカレンダーで見当識の手がかりを提供し、昼夜のリズム保持、家族面会、疼痛コントロール、脱水・電解質補正を行います。評価にはCAM(Confusion Assessment Method)を用います。
退院指導と再発予防
保存的治療で軽快した場合は胆石が残存している可能性が高く、再発リスクがあります。警告症状として右上腹部痛(特に食後)、右肩・右背部への放散痛、発熱、黄疸、嘔気・嘔吐を伝え、上腹部痛があれば受診するよう指導します。黄疸や重度の腹痛は総胆管結石・胆管炎・胆石性膵炎の可能性があり緊急受診が必要です。
食事指導では高脂肪食・揚げ物・動物性脂肪を避け、暴飲暴食を控え規則的な食事と適正体重維持、十分な水分摂取を促します。ADL自立・認知機能が正常な患者には過不足のない介入を心がけ、外来フォローへ確実につなぐことが大切です。
確認問題(穴埋め)
空欄をタップすると答えが表示されます。
- 1.
急性胆嚢炎の多くはが胆嚢管を閉塞することで発症する。
- 2.
急性胆嚢炎の右上腹部痛で陽性となる特徴的な徴候をという。
- 3.
高齢者のベッドの高さは端座位で膝関節が度になる高さに調整する。
- 4.
せん妄は入院後時間以内に発症することが多い。
- 5.
せん妄の3因子のうち、高齢や認知症は因子に該当する。
- 6.
せん妄の3因子のうち、感染・脱水・電解質異常は因子に該当する。
- 7.
せん妄への対応はまず的介入が第一選択である。
- 8.
せん妄の評価ツールとして(Confusion Assessment Method)が用いられる。
- 9.
急性胆嚢炎の根治治療はである。
- 10.
退院指導では高脂肪食や・動物性脂肪を避け、規則的な食事を勧める。
