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パーキンソン病の食事介助のコツ

看護師国家試験 第104回 午前 第70問 / 地域・在宅看護論 / 症状・疾患・治療に応じた看護

国試問題にチャレンジ

104回 午前 第70問

Aさん(59歳、男性)は、妻と2人で暮らしている。Parkinson〈パーキンソン〉病(Parkinson’s disease)で、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類ステージⅢであり、嚥下に困難がある。要介護2の認定を受けている。 食事の見守りを行う妻への訪問看護師による指導で適切なのはどれか。

  1. 1.「食事はきざみ食にしましょう」
  2. 2.「食事は決まった時間にしましょう」
  3. 3.「食事中はテレビをつけておきましょう」
  4. 4.「食べ物を飲み込んだことを確認しましょう」

対話形式の解説

博士 博士

Aさんは59歳でホーエン・ヤールⅢ、嚥下困難があるのう。

アユム アユム

姿勢反射障害は出るけれど、ADLはまだ自立段階ですね。

博士 博士

食事は妻が見守るとして、指導の中心は何かな。

アユム アユム

嚥下障害があるので誤嚥予防が最優先です。

博士 博士

きざみ食はどうじゃ。

アユム アユム

ばらけて誤嚥しやすいので不向きですね。とろみ付けやソフト食が適しています。

博士 博士

食事時間を一律に決めるのは。

アユム アユム

オン/オフ症状や生活リズムに合わせた柔軟さが必要です。

博士 博士

テレビをつけるのはどうじゃ。

アユム アユム

注意がそれてむせの原因になるので、静かな環境が安全ですね。

博士 博士

では一口ごとに飲み込みを確認する4が正解じゃな。

アユム アユム

姿勢も大事ですよね。

博士 博士

体幹直立で頸部をやや前屈するのが基本じゃ。

アユム アユム

薬の効き目に合わせて食事時間を調整するのも有効ですね。

博士 博士

食後の口腔ケアも忘れずに行うのじゃ。

アユム アユム

転倒予防も並行して指導することが必要ですね。

POINT

パーキンソン病の嚥下障害では、一口ごとの嚥下確認・とろみやソフト食などまとまる食形態・体幹直立と頸部前屈の姿勢・静かな食事環境・食後の口腔ケアが基本です。きざみ食はばらけて誤嚥しやすく、注意散漫な環境はむせの原因となります。オン/オフ症状を踏まえた柔軟な時間設定や薬剤管理を組み合わせ、家族と協働して安全な食事を支援しましょう。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:Aさん(59歳、男性)は、妻と2人で暮らしている。Parkinson〈パーキンソン〉病(Parkinson’s disease)で、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類ステージⅢであり、嚥下に困難がある。要介護2の認定を受けている。 食事の見守りを行う妻への訪問看護師による指導で適切なのはどれか。

解説:正解は4の「食べ物を飲み込んだことを確認しましょう」です。パーキンソン病では嚥下反射の遅延・口腔内残渣の増加・無意識嚥下の低下が起こり、誤嚥のリスクが高まります。一口ごとに嚥下を確認し、口腔内に残渣がないかを見届けてから次の一口を促すことが安全な摂食につながります。

選択肢考察

  1. × 1.  「食事はきざみ食にしましょう」

    きざみ食はまとまりに欠け、口腔内で散らばって誤嚥や残渣の原因になります。嚥下障害にはとろみ付けや軟菜食・ソフト食などまとまりやすい形態が適しています。

  2. × 2.  「食事は決まった時間にしましょう」

    規則的な生活は望ましいですが、本人の体調・オン/オフ症状・家族の生活リズムを考慮した柔軟な調整が必要です。一律に時間を決めることが優先される指導ではありません。

  3. × 3.  「食事中はテレビをつけておきましょう」

    嚥下障害がある場合、食事に集中できる静かな環境が安全のために必要です。テレビなどの注意散漫要因はむせや誤嚥のリスクを高めます。

  4. 4.  「食べ物を飲み込んだことを確認しましょう」

    嚥下を一口ごとに確認することは誤嚥予防の基本であり、本事例の指導として最も適切です。

パーキンソン病の食事援助では、姿勢(体幹直立・頸部前屈)、まとまりやすい食形態、食前のリラクゼーション、薬の効果(オン)時間に合わせた食事、食後の口腔ケアが重要です。Hoehn-YahrⅢは姿勢反射障害が出始めるが日常生活は可能な段階で、転倒予防も並行して指導します。

パーキンソン病の嚥下障害に対する家族指導として、誤嚥予防の基本的視点を選べるかを問う問題です。