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運動で身体はどう変わる?基礎代謝アップの仕組み

看護師国家試験 第105回 午前 第2問 / 必修問題 / 健康の定義と影響要因

国試問題にチャレンジ

105回 午前 第2問

運動習慣が身体機能に与える影響で正しいのはどれか。

  1. 1.筋肉量の減少
  2. 2.体脂肪率の増加
  3. 3.最大換気量の減少
  4. 4.基礎代謝量の増加

対話形式の解説

博士 博士

今日は運動習慣が身体に与える影響について学ぼう。健康教育の場面でも頻出のテーマじゃ。

アユム アユム

運動すると健康にいいのはわかるんですが、具体的に身体のどこが変わるんでしょう?

博士 博士

主な変化は4つじゃ。①筋肉量の増加、②体脂肪率の減少、③最大換気量の増加、④基礎代謝量の増加、じゃな。

アユム アユム

4つ全部が運動の良い効果ということですね。じゃあこの問題の選択肢はどれも正しく見えますが…

博士 博士

選択肢をよく読んでみるのじゃ。1は「減少」、2は「増加」、3は「減少」と、運動の効果と逆の変化を書いておる。正しいのは4の「基礎代謝量の増加」だけじゃ。

アユム アユム

あ、本当だ!ひっかけ問題ですね。基礎代謝って、そもそも何ですか?

博士 博士

基礎代謝量とは、生命を維持するために最低限必要なエネルギー量じゃ。心臓の拍動、呼吸、体温維持、脳活動などに使われる。1日の総消費エネルギーの60〜70%を占める大事な要素なんじゃ。

アユム アユム

安静にしていても消費されるエネルギーなんですね。筋肉量が増えるとなぜ基礎代謝量も上がるんですか?

博士 博士

筋肉は安静時でも多くのエネルギーを消費する組織じゃからのう。筋肉量が増えれば、それだけ消費するエネルギーも増える。つまり「太りにくい体」になるというわけじゃ。

アユム アユム

ダイエットに運動が効果的な理由がわかりました。成人の基礎代謝量ってどれくらいなんですか?

博士 博士

目安として成人男性で約1,500kcal、成人女性で約1,200kcal/日じゃな。加齢とともに低下するので、高齢期の運動はフレイル・サルコペニア予防に非常に重要じゃ。

アユム アユム

高齢者への指導でも運動習慣はポイントなんですね。

博士 博士

そのとおり。看護師として患者さんの運動指導をする場面は多い。有酸素運動(ウォーキング、水泳など)は心肺機能向上と脂肪燃焼に、レジスタンス運動(筋トレ)は筋力・筋量増加に効果的じゃから、両者を組み合わせることを勧めるとよい。

アユム アユム

運動の効果をしっかり説明できるようにします!

POINT

運動習慣は身体機能にさまざまなポジティブな影響を与えます。具体的には筋肉量の増加、体脂肪率の減少、最大換気量の増加、そして基礎代謝量の増加が挙げられます。基礎代謝量とは生命維持に必要な最低限のエネルギーで、筋肉量の増加により連動して上昇します。成人男性で約1,500kcal/日、女性で約1,200kcal/日が目安で、加齢で低下するため高齢者の運動習慣維持はフレイル・サルコペニア予防の観点からも重要です。看護師は有酸素運動とレジスタンス運動を組み合わせた指導ができるようにしましょう。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:運動習慣が身体機能に与える影響で正しいのはどれか。

解説:正解は 4 です。継続的な運動習慣は身体のさまざまな機能にポジティブな変化をもたらします。運動により筋肉量が増加し、筋細胞内のミトコンドリア数も増えるため、安静時に消費されるエネルギー量である「基礎代謝量」が増加します。基礎代謝量とは、生命維持に必要な最低限のエネルギー代謝量で、心臓の拍動、呼吸、体温維持、脳活動などに使われるエネルギーを指し、1日の総消費エネルギーの約60〜70%を占めます。筋肉は安静時でも多くのエネルギーを消費する組織であるため、筋肉量が増えると基礎代謝量も連動して上昇します。さらに運動習慣は心肺機能を強化し、最大換気量や最大酸素摂取量を増加させ、体脂肪の分解を促進して体脂肪率を減少させる効果もあります。したがって、正しい記述は選択肢4の「基礎代謝量の増加」となります。

選択肢考察

  1. × 1.  筋肉量の減少

    誤りです。運動習慣、特にレジスタンストレーニング(筋力トレーニング)は筋線維の肥大を促し、筋肉量を増加させます。筋肉量は加齢に伴うサルコペニア予防の観点からも重要です。

  2. × 2.  体脂肪率の増加

    誤りです。有酸素運動などの運動習慣はエネルギー消費量を増やし、中性脂肪の分解を促進するため、体脂肪率は減少します。加えて筋肉量の増加により相対的に体脂肪率はさらに低下します。

  3. × 3.  最大換気量の減少

    誤りです。運動習慣により呼吸筋が強化され、心肺機能が向上するため、最大換気量(1分間に肺から出入りできる最大の空気量)は増加します。

  4. 4.  基礎代謝量の増加

    正しい選択肢です。運動習慣により筋肉量が増加すると、安静時にも多くのエネルギーを消費するようになるため、基礎代謝量が増加します。これにより肥満予防やメタボリックシンドローム改善にもつながります。

基礎代謝量は年齢、性別、体格、筋肉量によって変化します。成人男性で約1,500kcal/日、成人女性で約1,200kcal/日が目安です。加齢に伴って低下するため、高齢期の運動習慣維持はフレイル・サルコペニア予防に極めて重要です。また運動の種類では、有酸素運動は心肺機能向上と脂肪燃焼に、レジスタンス運動は筋力・筋量増加に効果的で、両者を組み合わせることが推奨されています。

運動習慣は筋肉量増加・体脂肪減少・最大換気量増加・基礎代謝量増加をもたらす。