トータルペインの4側面とスピリチュアルペイン
看護師国家試験 第107回 午後 第6問 / 必修問題 / 健康の定義と影響要因
国試問題にチャレンジ
スピリチュアルな苦痛はどれか。
- 1.手術後の創部痛がある。
- 2.社会的役割を遂行できない。
- 3.治療の副作用に心配がある。
- 4.人生の価値を見失い苦悩する。
対話形式の解説
博士
今日は全人的苦痛、トータルペインについてじゃ。
アユム
身体の痛みだけでなく、心や社会面も含むのですよね。
博士
その通りじゃ。身体的・精神的・社会的・スピリチュアルの4つの側面があるぞ。
アユム
スピリチュアルというと宗教的な感じがします。
博士
宗教も含まれるが、より広く「生きる意味」「人生の価値」「死への恐怖」など存在に関わる苦悩を指すのじゃ。
アユム
終末期の患者さんに多いのですか?
博士
うむ。「なぜ私がこんな病気に」「生きている意味がわからない」といった訴えが典型例じゃ。
アユム
どう対応すればよいですか?
博士
傾聴と受容が基本じゃ。安易に答えを与えず、共にいることが大切じゃ。
アユム
身体的苦痛は痛みや倦怠感ですね。
博士
そうじゃ。精神的苦痛は不安や抑うつ、社会的苦痛は役割喪失や経済問題じゃ。
アユム
この4つは相互に影響し合うのでしょうか。
博士
その通り。身体の痛みが不安を増悪させ、不安がスピリチュアルな苦悩を深める、といった具合にじゃ。
アユム
だから包括的なアセスメントが必要なのですね。
博士
うむ。多職種チームで緩和ケアを進めるのじゃ。
アユム
この概念を提唱したのは?
博士
シシリー・ソンダース、近代ホスピスの母と呼ばれる方じゃぞ。
POINT
全人的苦痛(トータルペイン)は身体的・精神的・社会的・スピリチュアルの4側面からなり、シシリー・ソンダースが提唱しました。スピリチュアルペインは人生の意味や生きる価値への苦悩を指し、終末期ケアで重要な概念です。傾聴と受容を基本に、多職種チームで包括的に対応することが看護のポイントです。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:スピリチュアルな苦痛はどれか。
解説:正解は 4 です。スピリチュアルペインは「人生の意味の喪失」「生きる価値への疑問」「死への恐怖」「罪の意識」など、自己の存在や人生観に関わる苦悩を指します。終末期患者などで顕著にみられ、全人的苦痛(トータルペイン)の重要な一側面です。
選択肢考察
-
× 1. 手術後の創部痛がある。
身体的苦痛に該当します。痛み、倦怠感、呼吸困難などの身体症状が含まれます。
-
× 2. 社会的役割を遂行できない。
社会的苦痛に該当します。仕事や家庭での役割喪失、経済問題、人間関係の悩みなどが含まれます。
-
× 3. 治療の副作用に心配がある。
精神的苦痛に該当します。不安、抑うつ、怒り、孤独感などが含まれます。
-
○ 4. 人生の価値を見失い苦悩する。
スピリチュアルペインの典型例です。人生の意味や自己の存在価値への問いが該当します。
全人的苦痛(トータルペイン)はシシリー・ソンダースが提唱した概念で、身体的・精神的・社会的・スピリチュアルの4つの苦痛が相互に影響し合うとする考え方です。緩和ケアではこれらを包括的にアセスメントし、多職種チームで対応します。スピリチュアルケアには傾聴、受容、患者の価値観への寄り添いが基本となります。
トータルペインは身体・精神・社会・スピリチュアルの4側面。スピリチュアルは「生きる意味」への苦悩です。
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