冷罨法の目的を整理しよう
看護師国家試験 第105回 午前 第41問 / 基礎看護学 / 日常生活援助技術
国試問題にチャレンジ
冷罨法の目的はどれか。
- 1.腸蠕動の促進
- 2.筋緊張の除去
- 3.機能訓練の前処置
- 4.局所の炎症の抑制
対話形式の解説
博士
今日は基礎看護技術から、冷罨法の目的について確認するぞい。罨法には温めるものと冷やすものがあって、それぞれ目的が正反対なんじゃ。
サクラ
はい、氷枕を頭に当てたりするイメージはあるんですが、正確な適応を整理できていなくて…
博士
冷罨法の最大の作用は、皮膚血管を収縮させて局所の血流と代謝を下げることじゃ。これによってどんな効果が得られると思う?
サクラ
血流が減ると…炎症が広がりにくくなる気がします。
博士
その通り。毛細血管透過性が下がり、ヒスタミンやプロスタグランジンといった炎症性メディエーターの活性も抑えられる。さらに神経伝導も鈍るから鎮痛効果も得られるんじゃ。
サクラ
なるほど。では問題の選択肢を見ると、4番の「局所の炎症の抑制」が冷罨法の目的ですね。
博士
正解じゃ。1番の腸蠕動促進、2番の筋緊張除去、3番の機能訓練の前処置はいずれも温罨法の効果で、温熱が副交感神経を刺激したり筋血流を高めたりして得られる作用じゃな。
サクラ
温罨法と冷罨法で、効果が見事に逆なんですね。
博士
そうじゃ。急性炎症・発熱・出血には冷、慢性炎症・筋緊張・便秘には温、と対比で覚えると忘れにくいぞ。
サクラ
実施するときの注意点はありますか?
博士
直接皮膚に当てず必ずタオルで包むこと、循環障害や知覚低下のある部位は禁忌、そして20〜30分ごとに皮膚色や疼痛を観察して凍傷を防ぐことが基本じゃ。冷えすぎると反射的な血管拡張が起こることもあるから注意じゃな。
サクラ
冷罨法も奥が深いですね。生理作用から考えれば選択肢を迷わず選べそうです。
POINT
冷罨法は血管収縮と代謝抑制により炎症性メディエーターの活性を抑え、局所の炎症症状と疼痛を軽減する看護技術です。腸蠕動促進・筋緊張除去・機能訓練前処置はいずれも温罨法の適応で、温冷の作用は対比で覚えると整理しやすくなります。実施時は循環障害部位や知覚低下部位を避け、皮膚観察を怠らないことが重要です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:冷罨法の目的はどれか。
解説:正解は 4 です。冷罨法は氷枕や氷嚢、冷湿布などを用いて体の一部を冷却する看護技術で、皮膚血管を収縮させて局所の血流と代謝を低下させる作用があります。これにより組織の酸素需要や炎症性メディエーター(ヒスタミン、プロスタグランジンなど)の活性が抑えられ、発赤・腫脹・熱感・疼痛といった炎症の4徴候を軽減できます。さらに神経伝導を鈍らせることで鎮痛作用も得られるため、急性期の打撲・捻挫・術後疼痛などに適応されます。
選択肢考察
-
× 1. 腸蠕動の促進
腸蠕動の促進は腹部の温罨法で得られる効果です。温熱刺激は副交感神経を優位にし消化管平滑筋の動きを高めるため、便秘や術後腸管麻痺の緩和に用いられます。
-
× 2. 筋緊張の除去
筋緊張の緩和は温罨法の作用です。温熱により筋や筋膜の血流が増加して代謝産物が洗い流され、筋紡錘の興奮が抑えられて凝りや拘縮が和らぎます。
-
× 3. 機能訓練の前処置
リハビリテーション前に関節可動域や筋の伸張性を高める目的で行うのは温罨法です。冷却では筋・関節がかえって硬くなり、訓練効果は得にくくなります。
-
○ 4. 局所の炎症の抑制
冷罨法は血管収縮による毛細血管透過性の低下、炎症性サイトカインの活性抑制、神経伝導抑制により炎症症状と疼痛を軽減します。急性炎症や外傷直後のRICE処置でも中心的役割を担います。
冷罨法の禁忌は循環障害(閉塞性動脈硬化症、レイノー病)、知覚低下部位、寒冷蕁麻疹の既往などです。直接皮膚に当てずタオルで包み、20〜30分を目安に観察しながら実施し、凍傷や過度の血管収縮による組織障害を避けます。温罨法は慢性炎症・筋緊張・便秘に、冷罨法は急性炎症・発熱・止血に、と対比で覚えると整理しやすいです。
冷罨法と温罨法の生理作用の違いを理解し、炎症抑制は冷罨法が適応となることを問う問題です。
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