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改訂水飲みテストのポイントを押さえよう

看護師国家試験 第108回 午後 第35問 / 基礎看護学 / 日常生活援助技術

国試問題にチャレンジ

108回 午後 第35問

嚥下障害を評価する改訂水飲みテストで正しいのはどれか。

  1. 1.嚥下後10秒間で評価する。
  2. 2.嚥下動作の準備期を評価する。
  3. 3.嚥下後の呼吸状態を評価する。
  4. 4.80mLの水の嚥下状況を評価する。

対話形式の解説

博士 博士

今日は嚥下障害のスクリーニングで使う改訂水飲みテスト、MWSTについて学ぶぞ。

サクラ サクラ

博士、普通の水飲みテストと何が違うんですか。

博士 博士

従来の水飲みテスト、いわゆる窪田法は30mLを一気に飲むもので誤嚥リスクが高い。改訂版はたった3mLの冷水を口腔底に注ぐから、重度の嚥下障害患者でも比較的安全に行えるのじゃ。

サクラ サクラ

選択肢3の『嚥下後の呼吸状態を評価する』が正解なのはなぜですか。

博士 博士

嚥下後に呼吸切迫が起こるのは不顕性誤嚥のサインじゃ。むせないまま気道に入っておる可能性があるから、呼吸状態の観察が極めて重要になる。

サクラ サクラ

評価は5段階とのことでしたね。

博士 博士

そうじゃ。1点は嚥下なし・むせand呼吸切迫、2点は嚥下あり・呼吸切迫で不顕性誤嚥疑い、3点は嚥下あり・呼吸良好だがむせor湿性嗄声、4点は嚥下あり・呼吸良好・むせなし、5点は4点に加え30秒以内に反復嚥下が2回できる、という具合じゃ。

サクラ サクラ

1の『嚥下後10秒間で評価する』はどうして誤りでしょう。

博士 博士

反復嚥下は30秒以内に2回可能かをみる。10秒ではない点に注意じゃ。

サクラ サクラ

2の『準備期を評価する』も違うのですね。

博士 博士

準備期は咀嚼して食塊を形成する段階じゃ。改訂水飲みテストは咽頭期の機能をみるもの。嚥下反射・喉頭挙上・気道閉鎖などが正常かを評価するのじゃ。

サクラ サクラ

嚥下の5期をおさらいすると、先行期・準備期・口腔期・咽頭期・食道期ですね。

博士 博士

そのとおり。先行期は食べ物の認知、準備期は咀嚼、口腔期は舌で咽頭へ送る、咽頭期は嚥下反射で食道へ、食道期は蠕動で胃へ送る、という流れじゃ。

サクラ サクラ

4の『80mLの水』も明らかに誤りですね。

博士 博士

改訂版は3mL、窪田法は30mL、80mLという水量は存在しない。数値の罠じゃ。

サクラ サクラ

他のスクリーニング法も覚えておくべきでしょうか。

博士 博士

反復唾液嚥下テスト(RSST)は30秒間に何回空嚥下できるかをみる。3回未満で嚥下障害疑いとなる。フードテストはゼリーなどを用いる方法じゃ。

サクラ サクラ

実施時の体位で気をつけることはありますか。

博士 博士

座位またはファウラー位で頸部を前屈させるのが基本じゃ。これで気道と食道の位置関係が安全側に働く。

サクラ サクラ

数値と評価内容をセットで覚えます。

POINT

改訂水飲みテスト(MWST)は3mLの冷水で咽頭期の嚥下機能をスクリーニングし、嚥下の有無・呼吸状態・むせ・湿性嗄声を5段階で評価します。嚥下後の呼吸切迫は不顕性誤嚥の重要なサインです。30mLの窪田法や30秒のRSSTと混同しないよう、水量と評価項目の数値を正確に区別して覚えることが大切です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:嚥下障害を評価する改訂水飲みテストで正しいのはどれか。

解説:正解は 3 です。改訂水飲みテスト(MWST: Modified Water Swallowing Test)は、3mLの冷水を口腔底(舌下)に注いで嚥下させ、嚥下の有無・呼吸状態・むせ・湿性嗄声を観察して咽頭期の嚥下障害をスクリーニングする検査です。5段階で評価し、最低点を採用します。誤嚥リスクが高い患者にも比較的安全に実施できる利点があります。

選択肢考察

  1. × 1.  嚥下後10秒間で評価する。

    評価では嚥下後30秒以内に反復嚥下が2回可能かを確認します。10秒ではなく30秒が基準です。

  2. × 2.  嚥下動作の準備期を評価する。

    改訂水飲みテストで評価するのは咽頭期の嚥下機能です。準備期は咀嚼と食塊形成の段階で本検査の対象ではありません。

  3. 3.  嚥下後の呼吸状態を評価する。

    嚥下後の呼吸切迫の有無は不顕性誤嚥の重要な指標であり、本検査の評価項目の一つです。

  4. × 4.  80mLの水の嚥下状況を評価する。

    改訂水飲みテストで用いる水量は3mLです。従来の水飲みテスト(窪田の方法)で30mL、80mLではありません。

改訂水飲みテストの5段階評価は、1:嚥下なし・むせと呼吸切迫、2:嚥下あり・呼吸切迫(不顕性誤嚥疑い)、3:嚥下あり・呼吸良好・むせor湿性嗄声、4:嚥下あり・呼吸良好・むせなし、5:4に加え30秒以内に反復嚥下2回可能。嚥下の5期(先行期・準備期・口腔期・咽頭期・食道期)のうち咽頭期を評価します。関連するスクリーニングとして反復唾液嚥下テスト(RSST、30秒で3回未満は異常)、フードテスト、窪田の水飲みテスト(30mL)があります。

改訂水飲みテストの水量・評価項目・対象とする嚥下期を正しく理解しているかを問う問題です。