エイジズムを理解しよう
看護師国家試験 第103回 午前 第55問 / 老年看護学 / 高齢者の理解と生活
国試問題にチャレンジ
高齢者のエイジズムについて正しいのはどれか。
- 1.高齢者の価値を認めるものである。
- 2.高齢者の権利を擁護するものである。
- 3.高齢者を生活環境の違いで区別するものである。
- 4.高齢者という理由で不当な扱いをするものである。
対話形式の解説
博士
今日は高齢者のエイジズムについて学ぶぞ。
サクラ
エイジズムとは何ですか?
博士
1969年にロバート・バトラーが提唱した概念で、年齢を理由にした偏見や差別のことじゃ。
サクラ
ということは正解は4ですね。
博士
そうじゃ。年齢だけを理由に高齢者を能力が低いとみなし不当に扱うのがエイジズムじゃ。
サクラ
1の価値を認めるは違いますね。
博士
エイジズムはネガティブな差別概念で、価値を認めることとは逆じゃ。
サクラ
2の権利擁護はどうですか?
博士
権利擁護はアドボカシーや成年後見制度の領域で、差別を意味するエイジズムとは別物じゃ。
サクラ
3の生活環境の違いで区別は?
博士
年齢が判断基準であって生活環境ではないから誤りじゃ。
サクラ
医療現場での具体例はありますか?
博士
高齢者に幼児言葉やタメ口、過剰な世話、検査や手術を年齢のみで控えるなどがあるのう。
サクラ
差別の用語は他にもありますか?
博士
性差別のセクシズム、人種差別のレイシズムなどと同列の社会差別じゃ。
サクラ
看護師として注意すべきことは?
博士
年齢で判断せず個別性を重んじ、自己決定権を尊重するのが基本じゃ。
サクラ
偏見をなくし対等に関わる姿勢が大切ですね。
博士
その通りじゃ、まずは自分の中の固定観念に気づくことから始めるのじゃ。
POINT
エイジズムは年齢を理由とした偏見と差別を意味し、高齢者を不当に扱うことを指します。1969年にバトラーが提唱した概念で、医療現場では幼児言葉や過保護、年齢のみの治療制限などが該当します。看護では年齢で判断せず個別性と自己決定権を尊重する姿勢が求められます。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:高齢者のエイジズムについて正しいのはどれか。
解説:正解は4です。エイジズムは1969年にアメリカの老年医学者ロバート・バトラーが提唱した概念で、年齢を理由とした偏見、ステレオタイプ、差別を指します。特に高齢者を「役に立たない」「能力が劣る」と否定的にとらえて不当な扱いをすることがエイジズムの代表例です。
選択肢考察
-
× 1. 高齢者の価値を認めるものである。
エイジズムは肯定的な評価ではなく、年齢を理由とした偏見・差別というネガティブな概念です。価値を認めるという記述は逆の意味になります。
-
× 2. 高齢者の権利を擁護するものである。
権利擁護はアドボカシーや成年後見制度などが該当する概念で、差別を意味するエイジズムとは反対の方向性を持ちます。
-
× 3. 高齢者を生活環境の違いで区別するものである。
エイジズムは生活環境ではなく年齢そのものを基準にした偏見・差別を指すため、生活環境による区別という説明は適切ではありません。
-
○ 4. 高齢者という理由で不当な扱いをするものである。
年齢のみを理由に高齢者を能力が劣るとみなし不当に扱うことがエイジズムの定義そのものであり、医療現場での過保護やタメ口、雇用差別なども含まれます。
エイジズムはセクシズム(性差別)、レイシズム(人種差別)と並ぶ社会的差別概念です。高齢者に対しては「物覚えが悪い」「機械が使えない」などの固定観念に基づく偏見、医療現場での治療制限、雇用や住居の制限などが具体例です。看護では一人ひとりの個別性を重視し、年齢で判断せず、自己決定権を尊重する姿勢が求められます。
エイジズムの概念定義を正しく理解しているかを問う問題です。
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