最期を迎えたい場所の希望
看護師国家試験 第105回 午後 第60問 / 老年看護学 / 高齢者の理解と生活
国試問題にチャレンジ
日本の平成24年(2012年)の高齢者の健康に関する意識調査において最期を迎える場に関する希望で最も多いのはどれか。
- 1.自宅
- 2.医療施設
- 3.福祉施設
- 4.高齢者向けのケア付き住宅
対話形式の解説
博士
この統計問題は『希望』と『現実』の違いを知っているかがポイントじゃ。
アユム
平成24年の調査結果はどうなっていたのですか。
博士
内閣府の高齢者の健康に関する意識調査では、自宅54.6%、医療施設27.7%、福祉施設4.5%、高齢者向けケア付き住宅4.1%の順じゃ。
アユム
正解は1番の自宅ですね。
博士
その通り。過半数が自宅を希望しておる。住み慣れた環境で家族と過ごしたいという思いが反映されておるんじゃ。
アユム
実際の死亡場所はどうなのですか。
博士
人口動態統計では病院死亡が依然7割前後、自宅死亡は15%前後じゃ。希望と実態に大きな乖離があるんじゃよ。
アユム
どうしてこんなギャップが。
博士
家族の介護負担、急変時の不安、独居高齢者の増加、在宅医療資源の偏在などが理由じゃ。
アユム
政策的な対応は。
博士
地域包括ケアシステムが柱じゃ。医療・介護・予防・生活支援・住まいを包括的に提供し、可能な限り住み慣れた地域で最期まで暮らせる体制を目指しておる。
アユム
訪問看護の役割は。
博士
24時間対応の訪問看護ステーション、在宅療養支援診療所、訪問薬剤管理指導などが連携し、自宅看取りを支えておるぞ。
アユム
ACPとはなんですか。
博士
アドバンス・ケア・プランニング、日本語で『人生会議』じゃ。本人・家族・医療者が将来の医療・ケアについて繰り返し話し合うプロセスで、希望を具体化する土台になるんじゃ。
アユム
看護師にできることは。
博士
本人の価値観を聴き取り、家族の葛藤を調整し、多職種連携をつなぐこと。そして急変時の対応方針を平時から話し合うことじゃ。
アユム
数字を覚えるコツは。
博士
『自宅5割超、医療施設3割弱、福祉系は各4%』と大枠で記憶すれば国試には十分じゃ。
アユム
調査年にも注意ですね。
博士
統計問題は出題年と調査年を必ず確認するんじゃぞ。
POINT
平成24年の高齢者の健康に関する意識調査では、最期を迎える場として自宅が54.6%で最多、医療施設27.7%、福祉施設・ケア付き住宅はそれぞれ4%台でした。一方で実際の死亡場所は病院が7割超と希望と乖離しており、地域包括ケアシステムやACPによる看取り体制整備が重要課題となっています。正解は1番の自宅です。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:日本の平成24年(2012年)の高齢者の健康に関する意識調査において最期を迎える場に関する希望で最も多いのはどれか。
解説:正解は 1 です。内閣府『平成24年 高齢者の健康に関する意識調査』では、最期を迎える場として『自宅』が54.6%と最多で、続いて『医療施設』27.7%、『特別養護老人ホームなどの福祉施設』4.5%、『高齢者向けのケア付き住宅』4.1%の順でした。希望と現実(実際の死亡場所は病院が7割超)の乖離を踏まえ、在宅看取り体制の整備が政策課題となっています。
選択肢考察
-
○ 1. 自宅
最も多く54.6%が自宅での最期を希望しました。住み慣れた環境で家族と過ごしたい思いが背景にあります。
-
× 2. 医療施設
27.7%で2位です。医療が受けられる安心感を重視する層も相当数いますが、自宅希望には及びません。
-
× 3. 福祉施設
4.5%にとどまります。特養などでの最期を希望する人は限定的です。
-
× 4. 高齢者向けのケア付き住宅
4.1%と最少水準で、サ高住などでの最期を望む人はごくわずかです。
実際の死亡場所(人口動態統計)は病院が依然7割前後ですが、在宅が近年徐々に増加し、老人ホームでの死亡も増えつつあります。地域包括ケアシステム・在宅医療推進・訪問看護ステーション拡充・看取り加算の整備により、『希望する場所で最期を迎える』選択肢を広げる取り組みが進んでいます。アドバンス・ケア・プランニング(ACP/人生会議)も重要です。
高齢者が希望する最期の場所の第1位が『自宅』であること、希望と実態の乖離を理解しているかを問う問題です。
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