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ハヴィガーストの老年期発達課題

看護師国家試験 第105回 午前 第48問 / 老年看護学 / 高齢者の理解と生活

国試問題にチャレンジ

105回 午前 第48問

ハヴィガースト,R.J.(Havighurst,R.J.)による発達課題のうち、老年期の発達課題はどれか。

  1. 1.健康の衰退に適応する。
  2. 2.大人の余暇活動を充実する。
  3. 3.個人としての自立を達成する。
  4. 4.大人の社会的な責任を果たす。

対話形式の解説

博士 博士

今日は発達心理学、ハヴィガーストの発達課題の問題じゃ。彼は人の一生を6段階に分け、各段階で達成すべき課題を示した。

アユム アユム

6段階というのは具体的にどう分けられているんですか?

博士 博士

乳幼児期、児童期、青年期、壮年期(成年初期)、中年期、老年期じゃ。それぞれに身体的成熟、社会的役割、個人的価値観に関わる課題が設定されておる。

アユム アユム

では老年期の課題はどういったものですか?

博士 博士

主に6つあり、①肉体的な力・健康の衰退への適応②引退と収入の減少への適応③配偶者の死への適応④同年代との親密な関係の維持⑤社会的・市民的義務の引き受け⑥身体的に満足な生活環境の確立じゃ。

アユム アユム

ということは選択肢1番「健康の衰退に適応する」が老年期の課題ですね。

博士 博士

その通り、正解は1番じゃ。加齢で筋力・視力・聴力・認知機能が低下し、慢性疾患も増える。これを受容し生活を調整する力が求められる。

アユム アユム

他の選択肢はどの段階に該当するんでしょう?

博士 博士

2番「大人の余暇活動の充実」は中年期じゃ。仕事や育児が一段落し、自己実現に向き合う時期じゃな。

アユム アユム

3番「個人としての自立を達成する」は?

博士 博士

これは青年期の課題じゃ。両親からの情緒的・経済的独立を果たし、アイデンティティを確立する時期じゃよ。

アユム アユム

4番「大人の社会的責任を果たす」は?

博士 博士

これも中年期の課題じゃ。職場や地域でリーダー役を担い、次世代の育成に関わる時期じゃな。

アユム アユム

エリクソンの発達課題とはどう違うんですか?

博士 博士

よい質問じゃ。エリクソンは心理社会的側面に注目し、老年期を「統合vs絶望」の時期としておる。人生を振り返り意味を見出す「統合」の達成が課題じゃ。ハヴィガーストはより具体的な社会的・身体的役割に焦点を当てているのが特徴じゃ。

アユム アユム

看護師として老年期の患者さんに関わる時のヒントになりますね。

博士 博士

その通り。健康の衰退への適応を支援するには、できなくなったことを嘆くより残存機能を活かす視点が大切じゃ。これはICFの考え方にも通じるぞ。

アユム アユム

発達課題を知ることで患者さんの心理社会的背景が理解しやすくなりますね。

POINT

ハヴィガーストは人生を6段階に分け、老年期の発達課題として健康の衰退への適応、引退と収入減への適応、配偶者の死への適応などを示しました。大人の余暇活動充実や社会的責任は中年期、個人としての自立達成は青年期の課題です。エリクソンの「統合vs絶望」と比較しながら整理することで、高齢患者の心理社会的支援に活用できます。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:ハヴィガースト,R.J.(Havighurst,R.J.)による発達課題のうち、老年期の発達課題はどれか。

解説:正解は 1 です。ハヴィガーストは人生を6つの発達段階(乳幼児期・児童期・青年期・壮年期・中年期・老年期)に分け、各段階で達成すべき発達課題を提唱しました。老年期の課題は①肉体的な力・健康の衰退への適応②引退と収入の減少への適応③配偶者の死への適応④同年代の人と明るく親密な関係を結ぶ⑤社会的・市民的義務の引き受け⑥身体的に満足な生活環境を確立する、の6つです。「健康の衰退に適応する」は①に該当します。

選択肢考察

  1. 1.  健康の衰退に適応する。

    老年期には身体機能・感覚機能の低下、慢性疾患の増加が避けられません。これを受容し生活様式を調整していくことが老年期の中心的発達課題の一つです。

  2. × 2.  大人の余暇活動を充実する。

    余暇活動の充実は中年期の発達課題です。仕事や育児の最盛期を過ぎて自己実現や趣味に時間を使い、人生後半の豊かさを育む時期とされます。

  3. × 3.  個人としての自立を達成する。

    個人としての自立達成は青年期の発達課題で、両親や他の大人から情緒的・経済的に独立し、自己のアイデンティティを確立する段階を指します。

  4. × 4.  大人の社会的な責任を果たす。

    市民的・社会的責任を果たすのは中年期の発達課題です。職場や地域でリーダーシップを発揮し、次世代を育成する役割が期待される時期です。

発達理論にはエリクソンの心理社会的発達理論(老年期の課題は統合vs絶望)、レビンソンの成人発達論、ピアジェの認知発達論などもあります。エリクソンでは老年期に人生を振り返り意味を見出す「統合」の達成が課題となり、失敗すると「絶望」に陥ると考えられます。両理論の違いを押さえておくと類似問題に対応しやすくなります。

ハヴィガーストの発達課題を段階別に整理し、老年期に該当するものを識別できるかを問う問題です。