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医療介護総合確保推進法の二本柱『地域包括ケア』と『地域医療構想』

看護師国家試験 第109回 午前 第86問 / 健康支援と社会保障制度 / 保健活動の基盤と制度

国試問題にチャレンジ

109回 午前 第86問

地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律〈医療介護総合確保推進法〉で推進するのはどれか。2 つ選べ。

  1. 1.子育て世代包括支援センター
  2. 2.地域包括ケアシステム
  3. 3.子どもの医療費の助成
  4. 4.地域生活支援事業
  5. 5.地域医療構想

対話形式の解説

博士 博士

今日は2014年成立の医療介護総合確保推進法を整理するぞ。

アユム アユム

長い名前ですね。何のために作られた法律ですか?

博士 博士

2025年には団塊の世代が全員75歳以上になる『2025年問題』に向け、医療と介護を一体的に整備する必要性から作られたんじゃ。医療法・介護保険法など19法律を一括改正した包括的な法律じゃぞ。

アユム アユム

推進する柱は何ですか?

博士 博士

二本柱は『地域包括ケアシステムの構築』と『地域医療構想の策定』。この問題の正解はまさにその2つじゃ。

アユム アユム

地域包括ケアシステムって、よく耳にします。具体的には?

博士 博士

おおむね30分以内、つまり中学校区程度の日常生活圏域を単位に、医療・介護・予防・住まい・生活支援の5つを一体的に提供する仕組みじゃ。住み慣れた場所で最期まで、がキーワードじゃな。

アユム アユム

地域医療構想は?

博士 博士

都道府県が2025年の医療需要を推計し、高度急性期・急性期・回復期・慢性期の4機能ごとの必要病床数を構想区域ごとに示すもの。病院機能の役割分担と連携を進めるんじゃ。

アユム アユム

病床機能報告制度も関係しますか?

博士 博士

そう。各病棟が自院の主な機能を自ら都道府県に報告する仕組みで、地域医療構想策定の基礎データになる。

アユム アユム

選択肢1の『子育て世代包括支援センター』は?

博士 博士

それは母子保健法で規定される、別の法律じゃ。妊娠期から子育て期までを切れ目なく支援する機関で、2017年から市町村の努力義務に。

アユム アユム

選択肢3の『子どもの医療費助成』は?

博士 博士

自治体独自の条例に基づく制度で、国の統一法制度ではない。本法の対象外じゃ。

アユム アユム

選択肢4の『地域生活支援事業』は障害者関連ですよね?

博士 博士

その通り。障害者総合支援法に基づく事業で、医療介護総合確保推進法とは別じゃな。

アユム アユム

この法律で他に重要な改正は?

博士 博士

医療事故調査制度の創設、地域医療介護総合確保基金の新設、要支援者の訪問介護・通所介護を地域支援事業へ移行、特養入所を原則要介護3以上に限定、一定以上所得者の自己負担2割化、など多岐にわたるぞ。

アユム アユム

看護師に関係する部分は?

博士 博士

地域包括ケアシステムの担い手として訪問看護・退院支援・多職種連携が一段と重要になる。また『特定行為に係る看護師の研修制度』もこの時期に関連して制度化された。

アユム アユム

2025年に向けた看護の役割、しっかり押さえます。

POINT

医療介護総合確保推進法は、2014年に医療法・介護保険法など19法律を一括改正した包括的立法で、二本柱として『地域包括ケアシステムの構築』(介護保険法関係)と『地域医療構想の策定』(医療法関係)を掲げています。2025年問題を見据え、病床機能報告制度、医療事故調査制度、地域医療介護総合確保基金の創設、特養入所要件の厳格化、要支援者サービスの地域支援事業への移行など、医療・介護の構造改革を網羅的に規定しました。看護師は地域包括ケアの担い手として、退院支援・在宅移行・多職種連携の観点からこの法の概要を理解することが重要です。他の選択肢はそれぞれ母子保健法、自治体条例、障害者総合支援法に基づく別制度であり、各制度の根拠法をセットで覚えると整理しやすくなります。

解答・解説

正解は 2 5 です

問題文:地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律〈医療介護総合確保推進法〉で推進するのはどれか。2 つ選べ。

解説:正解は 2 と 5 です。医療介護総合確保推進法(2014年成立)は、持続可能な社会保障制度の確立に向け、医療法・介護保険法など19法律を一括改正した包括的立法で、柱は『地域包括ケアシステムの構築』と『地域医療構想の策定』である。地域医療構想は2025年の医療需要を想定し、都道府県が高度急性期・急性期・回復期・慢性期の4機能ごとの必要病床数を示す計画、地域包括ケアシステムは住み慣れた地域で医療・介護・予防・住まい・生活支援を一体的に提供する仕組みを指す。

選択肢考察

  1. × 1.  子育て世代包括支援センター

    母子保健法で規定され、2017年から市町村の努力義務として設置が進められている(法律上の名称は母子健康包括支援センター)。妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援が目的で、医療介護総合確保推進法の直接の対象ではない。

  2. 2.  地域包括ケアシステム

    介護保険法に基づき同法で推進される中核概念。おおむね30分以内に必要サービスが届く日常生活圏域(中学校区程度)を単位に、医療・介護・予防・住まい・生活支援を包括的に提供する。

  3. × 3.  子どもの医療費の助成

    自治体独自の条例に基づく助成制度で、国の統一法制度ではない。本法の対象外。

  4. × 4.  地域生活支援事業

    障害者総合支援法に基づく事業で、市町村が地域の特性に応じて障害者の日常生活・社会生活を支援する。本法とは別制度。

  5. 5.  地域医療構想

    本法による医療法改正で導入された制度。都道府県が2025年の医療需要と必要病床数を4機能(高度急性期・急性期・回復期・慢性期)ごとに推計し、構想区域単位で医療提供体制の再編を進める。

医療介護総合確保推進法の主要ポイントは、(1)新たな財政支援制度(地域医療介護総合確保基金)の創設、(2)地域医療構想の策定と病床機能報告制度、(3)地域包括ケアシステムの構築、(4)医療事故調査制度の創設、(5)予防給付の一部(訪問介護・通所介護)を地域支援事業へ移行、(6)特養入所を原則要介護3以上に、(7)一定以上所得者の介護保険自己負担2割化、など多岐にわたる。2025年問題(団塊世代が全員75歳以上になる)を見据えた構造改革の中核法令で、看護師は地域包括ケアの担い手として退院支援・在宅移行支援の理解が必須。

医療介護総合確保推進法が掲げる二本柱『地域包括ケアシステム』と『地域医療構想』を選ぶ問題。他の選択肢がどの法律に基づくかを識別できれば正答できる。