B細胞から形質細胞へ
看護師国家試験 第111回 午前 第28問 / 人体の構造・機能 / 生体の防御機構
国試問題にチャレンジ
B細胞が抗原認識によって分化した抗体産生細胞はどれか。
- 1.マクロファージ
- 2.形質細胞
- 3.肥満細胞
- 4.T細胞
対話形式の解説
博士
今日はB細胞の分化についてじゃ。B細胞が抗原を認識して抗体を作る細胞に分化するが、その細胞の名前は何じゃろう?
アユム
形質細胞ですよね!B細胞が活性化して抗体を大量に作るようになる細胞です。
博士
そのとおり、正解は2の形質細胞じゃ。B細胞はBリンパ球とも呼ばれ、骨髄で産生・成熟する。抗原に出会うとTfh細胞(濾胞ヘルパーT細胞)の補助を受けて活性化・増殖し、形質細胞へ分化するのじゃ。
アユム
形質細胞はどんな特徴がありますか?
博士
抗体を産生・分泌することに特化しておる。細胞質に粗面小胞体が発達しておって、大量の免疫グロブリン(抗体)を合成・分泌できる構造じゃ。
アユム
形質細胞の寿命は?
博士
多くは数日から数週間じゃが、一部は骨髄に移行して長期生存し、血中抗体レベルを維持する。これにより長期間の液性免疫が保たれるのじゃ。
アユム
選択肢1のマクロファージとの違いは?
博士
マクロファージは単球由来の自然免疫細胞で、貪食と抗原提示を行う。B細胞とは別系統で、抗体も作らん。
アユム
選択肢3の肥満細胞は?
博士
肥満細胞はマスト細胞とも呼ばれ、組織に常在する顆粒細胞じゃ。IgEを介したI型アレルギー反応でヒスタミンやロイコトリエンを放出し、気管支喘息やアナフィラキシーに関与する。B細胞の分化産物ではない。
アユム
選択肢4のT細胞は?
博士
T細胞はB細胞と並ぶリンパ球じゃが、骨髄で産まれて胸腺(Thymus)で成熟する。細胞性免疫を担い、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、制御性T細胞などに分かれる。B細胞とは別系統なのじゃ。
アユム
B細胞から分化するのは形質細胞だけですか?
博士
もう1つあるぞい。記憶B細胞(メモリーB細胞)じゃ。これは次回同じ抗原に出会った時に迅速に活性化し、二次応答の主役となる。
アユム
T細胞との協調が重要なんですね。
博士
そうじゃ。ヘルパーT細胞は抗原提示を受けてサイトカインを分泌し、B細胞の活性化・分化・クラススイッチを促すのじゃ。
アユム
クラススイッチとは?
博士
当初B細胞はIgMを作るが、T細胞の補助を受けてIgG、IgA、IgEなど他のクラスの抗体を作れるようになる。これをクラススイッチというのじゃ。
アユム
免疫系は細胞同士のチームワークなんですね。
博士
そのとおり。自然免疫と獲得免疫、細胞性と液性の免疫が連携して感染を防ぐのじゃ。
アユム
形質細胞=抗体産生細胞、としっかり覚えます!
博士
その調子じゃ。体液性免疫の最終エフェクターが形質細胞じゃから、ワクチンや自己免疫の理解にも直結するのじゃよ。
POINT
B細胞は抗原認識とヘルパーT細胞の補助により活性化・増殖して形質細胞(プラズマ細胞)へ分化します。形質細胞は粗面小胞体が発達し、大量の免疫グロブリンを産生・分泌する体液性免疫の最終エフェクターです。マクロファージは貪食と抗原提示、肥満細胞はI型アレルギー関与、T細胞は細胞性免疫を担う別系統の細胞です。B細胞からは形質細胞とメモリーB細胞の2系統が分化し、クラススイッチによりIgM以外の抗体も産生可能になります。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:B細胞が抗原認識によって分化した抗体産生細胞はどれか。
解説:正解は 2 です。B細胞(Bリンパ球)は骨髄で産生・成熟し、抗原と出会うとヘルパーT細胞(特にTfh細胞)の補助を受けて活性化・増殖し、形質細胞(プラズマ細胞)へと分化します。形質細胞は大量の抗体(免疫グロブリン)を産生・分泌する役割に特化した細胞で、体液性免疫の最終エフェクターです。
選択肢考察
-
× 1. マクロファージ
マクロファージは単球由来で、貪食と抗原提示を担う自然免疫の細胞です。B細胞からは分化せず、抗体も産生しません。
-
○ 2. 形質細胞
形質細胞はB細胞が抗原刺激とT細胞の補助を受けて分化した抗体産生細胞で、体液性免疫の主役です。
-
× 3. 肥満細胞
肥満細胞(マスト細胞)は組織常在の細胞で、IgEを介したI型アレルギー反応でヒスタミンを放出します。B細胞の分化産物ではありません。
-
× 4. T細胞
T細胞(Tリンパ球)は骨髄由来で胸腺(Thymus)で成熟する別系統のリンパ球で、細胞性免疫を担います。B細胞から分化するものではありません。
B細胞から分化するのは形質細胞(抗体産生)と記憶B細胞(メモリーB細胞、再刺激時に迅速応答)の2系統です。形質細胞は一般に寿命が短いですが、骨髄に移行し長期生存して血中抗体レベルを維持するものもあります。体液性免疫の理解はワクチンや自己免疫疾患の病態理解の基礎となります。
B細胞から抗体産生細胞(形質細胞)への分化過程と、他の免疫担当細胞との区別を問う問題です。
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