膠質浸透圧を生み出すもの
看護師国家試験 第107回 午後 第70問 / 人体の構造・機能 / 血液と体液
国試問題にチャレンジ
血液中の濃度の変化が膠質浸透圧に影響を与えるのはどれか。
- 1.血小板
- 2.赤血球
- 3.アルブミン
- 4.グルコース
- 5.ナトリウムイオン
対話形式の解説
博士
浸透圧には2種類あるのを知っておるかの?
アユム
結晶浸透圧と膠質浸透圧ですね。
博士
うむ。Naやブドウ糖が担うのが結晶浸透圧、血漿タンパクが担うのが膠質浸透圧じゃ。
アユム
膠質浸透圧の主役はアルブミンですね。
博士
正解じゃ。血漿タンパクの約60%を占め、膠質浸透圧の約80%を担うのじゃ。
アユム
アルブミンが大きな分子だから血管壁を通れないのですね。
博士
その通り。血管内に水分を引き留める力となるのじゃ。
アユム
血小板や赤血球はどうでしょう。
博士
止血や酸素運搬が主役で、浸透圧にはほぼ寄与せん。
アユム
グルコースとNaは?
博士
両者とも小分子で血管壁を通るから、結晶浸透圧側じゃ。
アユム
低アルブミン血症ではどんな症状が出ますか。
博士
膠質浸透圧が下がって浮腫や腹水が生じるのじゃ。ネフローゼ、肝硬変、低栄養が代表例じゃ。
アユム
アルブミン値はどのくらいが正常ですか。
博士
基準値はおよそ4.0〜5.0g/dLじゃ。3.0g/dL未満だと浮腫のリスクが上がる。
アユム
スターリングの法則との関係も気になります。
博士
毛細血管内圧と膠質浸透圧のバランスで水分移動が決まる、という仕組みじゃ。
POINT
膠質浸透圧の主役はアルブミンで、血管内に水分を保持する力を生み出します。ネフローゼ症候群や肝硬変、低栄養では血中アルブミン濃度低下により膠質浸透圧が下がり、浮腫や腹水が生じます。結晶浸透圧との区別と、スターリングの法則による水分移動の理解が臨床判断に直結します。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:血液中の濃度の変化が膠質浸透圧に影響を与えるのはどれか。
解説:正解は3です。膠質浸透圧は主に血漿タンパク質、中でもアルブミンによって生み出される浸透圧です。アルブミンは分子量が大きく血管壁を通過できないため、血管内に水分を保持する役割を果たします。低アルブミン血症では膠質浸透圧が低下し、浮腫や腹水が生じます。
選択肢考察
-
× 1. 血小板
血小板は止血機構を担う細胞成分で、浸透圧への寄与はほぼありません。
-
× 2. 赤血球
赤血球は酸素運搬を担います。ヘマトクリット値は循環動態に影響しますが、膠質浸透圧の主たる規定因子ではありません。
-
○ 3. アルブミン
アルブミンは血漿タンパクの約60%を占め、膠質浸透圧の約80%を担います。血中濃度の変動が膠質浸透圧に直接影響します。
-
× 4. グルコース
グルコースは分子量が小さく血管壁を自由に通過するため、膠質浸透圧ではなく結晶浸透圧に寄与します。
-
× 5. ナトリウムイオン
Naイオンも結晶浸透圧の主要因子で、細胞内外の水分バランスを規定しますが膠質浸透圧ではありません。
浸透圧は結晶浸透圧(Na、Cl、ブドウ糖など小分子由来、約280〜290mOsm/L)と膠質浸透圧(血漿タンパク由来、約25mmHg)に分けられます。膠質浸透圧は毛細血管レベルで水分を血管内に保持する力であり、スターリングの法則により毛細血管内圧とバランスを取っています。低アルブミン血症(ネフローゼ症候群、肝硬変、低栄養)では浮腫・腹水が出現します。
膠質浸透圧=アルブミン。血管内に水分を引き留める力で、低下すると浮腫が起こります。
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