線溶系のキープレーヤー
看護師国家試験 第113回 午後 第74問 / 人体の構造・機能 / 血液と体液
国試問題にチャレンジ
止血後の線維素溶解(線溶)に関係するのはどれか。
- 1.カルシウムイオン
- 2.フィブリノゲン
- 3.プラスミノゲン
- 4.プロトロンビン
- 5.セロトニン
対話形式の解説
博士
博士じゃ。止血のあと血栓はどうなる?
アユム
血管壁が修復されると、役目を終えた血栓が溶かされます。これが線溶ですね。
博士
その通りじゃ。線溶の主役は誰じゃ?
アユム
プラスミンです。プラスミノゲンから変換されます。
博士
ようできた。何が活性化するのじゃ?
アユム
組織プラスミノゲン活性化因子、t-PAやウロキナーゼです。
博士
そうじゃ。プラスミンがフィブリンを分解して血栓を溶かすのじゃ。
アユム
選択肢1のカルシウムイオンは凝固第IV因子ですね。
博士
うむ、凝固側であって線溶側ではないぞ。
アユム
選択肢2のフィブリノゲンは凝固第I因子で、トロンビンでフィブリンになる側です。
博士
そう、線溶で溶かされる対象じゃ。
アユム
選択肢4のプロトロンビンも凝固第II因子で、トロンビンの前駆体ですね。
博士
その通り。選択肢5のセロトニンは?
アユム
血小板から放出されて血管収縮や凝集促進、つまり一次止血に関わります。
博士
ようわかっておる。線溶とは無縁じゃ。
アユム
脳梗塞の治療でt-PAを投与するのも線溶の応用ですね。
博士
その通り。トラネキサム酸は逆に線溶を抑えて止血に使うのじゃ。
POINT
本問は血液凝固・線溶系の基本知識を問う問題です。線溶はプラスミノゲンがt-PAなどで活性化されてプラスミンとなり、フィブリン血栓を溶解する過程です。他の選択肢は凝固系(Ca2+、フィブリノゲン、プロトロンビン)や一次止血(セロトニン)に関わる物質で、線溶には直接関与しません。臨床ではt-PAが脳梗塞・心筋梗塞の血栓溶解療法に応用され、D-ダイマーは線溶亢進のマーカーとして活用されるなど、理解は臨床に直結します。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:止血後の線維素溶解(線溶)に関係するのはどれか。
解説:正解は3「プラスミノゲン」です。線溶は血栓を溶解する生体反応で、プラスミノゲンが組織プラスミノゲン活性化因子(t-PA)などにより活性化されプラスミンとなり、フィブリンを分解することで行われます。
選択肢考察
-
× 1. カルシウムイオン
Ca2+は血液凝固第IV因子として凝固カスケードに必須ですが、線溶には直接関与しません。
-
× 2. フィブリノゲン
凝固第I因子で、トロンビンによりフィブリンに変換されて血栓を形成する側の物質です。線溶で溶解される対象ではあっても線溶を行う物質ではありません。
-
○ 3. プラスミノゲン
肝臓で合成される線溶系の前駆体タンパクで、t-PAやウロキナーゼにより活性化されプラスミンとなり、フィブリン血栓を分解して再開通をもたらします。
-
× 4. プロトロンビン
凝固第II因子でトロンビンの前駆体です。凝固カスケードの中心的物質ですが、線溶には関与しません。
-
× 5. セロトニン
血小板顆粒内に含まれ血管収縮・血小板凝集促進に関与する一次止血因子で、線溶とは無関係です。
線溶亢進状態(DIC後期、血栓溶解療法など)ではFDP・D-ダイマーが上昇します。治療薬として組換えt-PA(アルテプラーゼ)は脳梗塞超急性期や急性心筋梗塞の血栓溶解療法に使用され、トラネキサム酸は線溶抑制薬として止血に用いられます。
止血・凝固・線溶の3段階を区別し、線溶系の中心物質を識別できるかを問う基礎問題です。
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