ビリルビンの由来と代謝経路を押さえよう
看護師国家試験 第110回 午前 第74問 / 人体の構造・機能 / 血液と体液
国試問題にチャレンジ
血液中のビリルビンの由来はどれか。
- 1.核酸
- 2.メラニン
- 3.アルブミン
- 4.グリコゲン
- 5.ヘモグロビン
対話形式の解説
博士
今日はビリルビンがどこから来るかという基礎生化学の問題じゃ
アユム
ビリルビンは黄疸のときに上がる値ですよね
博士
その通り。結論から言うと、ビリルビンは赤血球に含まれるヘモグロビン由来じゃ
アユム
寿命を迎えた赤血球が壊されて出てくるのですね
博士
うむ。赤血球の寿命は約120日で、脾臓などのマクロファージに貪食される
アユム
そのときヘモグロビンはどう分解されるのですか
博士
ヘモグロビンはヘムとグロビンに分かれ、ヘムがビリベルジンを経て間接ビリルビンになる
アユム
間接ビリルビンはどう運ばれるのですか
博士
水に溶けにくいのでアルブミンと結合して肝臓へ運ばれる
アユム
肝臓では何が起きるのでしょう
博士
肝細胞でグルクロン酸抱合を受けて直接ビリルビンになり、胆汁中に排泄される
アユム
その胆汁が腸に流れて、便の色のもとになるのですね
博士
その通り。腸内細菌でウロビリノーゲンに還元され、一部は尿中へ、一部は便中に出る
アユム
選択肢の核酸、メラニン、アルブミン、グリコゲンはどれもビリルビンの由来ではないですね
博士
そうじゃ。アルブミンは運搬役、核酸の代謝産物は尿酸、メラニンは色素細胞で作られる別物じゃ
アユム
ヘモグロビン由来と押さえれば溶血性黄疸や新生児黄疸も理解しやすくなりそうです
POINT
ビリルビンは赤血球内のヘモグロビンのヘム部分が代謝されて生じる胆汁色素です。老化赤血球は脾臓のマクロファージで破壊され、ヘムはビリベルジンを経て間接ビリルビンとなり、アルブミンと結合して肝臓へ運ばれた後、グルクロン酸抱合を受け直接ビリルビンとして胆汁中へ排泄されます。溶血性・肝細胞性・閉塞性の各黄疸の病態を理解する基礎になる知識なので、代謝の流れを図で押さえておきましょう。
解答・解説
正解は 5 です
問題文:血液中のビリルビンの由来はどれか。
解説:正解は5です。ビリルビンは寿命を迎えた赤血球が脾臓などで破壊される過程で、赤血球内のヘモグロビンのヘム部分が代謝されて生じる黄色の胆汁色素です。
選択肢考察
-
× 1. 核酸
核酸はDNAとRNAの総称で、遺伝情報の保存やタンパク質合成に関わる物質です。代謝の最終産物は尿酸であり、ビリルビンの由来ではありません。
-
× 2. メラニン
メラニンはチロシンから合成される黒色色素で、皮膚・毛髪・眼の色を決め紫外線から細胞を守ります。ビリルビン生成とは代謝経路が異なります。
-
× 3. アルブミン
アルブミンは肝臓で合成される血漿タンパク質で、膠質浸透圧の維持や間接ビリルビンの運搬を担います。運搬役ではありますが、ビリルビンそのものの由来物質ではありません。
-
× 4. グリコゲン
グリコゲンはグルコースが多数結合した多糖で、肝臓や骨格筋に貯蔵されエネルギー源として利用されます。ビリルビンとは代謝経路が異なります。
-
○ 5. ヘモグロビン
老化した赤血球が脾臓のマクロファージに貪食されると、ヘモグロビンがヘムとグロビンに分解され、ヘムがビリベルジンを経て間接ビリルビンとなります。これがアルブミンと結合して肝臓へ運ばれ、グルクロン酸抱合を受けて直接ビリルビンに変わり胆汁中へ排泄されます。
ビリルビン代謝は国試頻出です。脾臓→間接ビリルビン→肝臓でグルクロン酸抱合→直接ビリルビン→胆汁→腸管でウロビリノーゲンに還元→糞便中のステルコビリンや尿中ウロビリンとして排泄、という流れを押さえましょう。溶血性黄疸は間接ビリルビン優位、閉塞性黄疸は直接ビリルビン優位になります。
胆汁色素であるビリルビンが何に由来する代謝産物かを問う、基礎的な生化学の設問です。
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