StudyNurse

医療的ケア児の在宅支援を整理しよう

看護師国家試験 第115午後42

国試問題にチャレンジ

115午後42

在宅療養における医療的ケア児の支援について正しいのはどれか。

  1. 1.対象となる医療機器が決められている。
  2. 2.地域包括支援センターが相談対応する。
  3. 3.介護支援専門員がサービス利用計画を立てる。
  4. 4.胃瘻からの経管栄養を行っている児童は支援の対象である。

対話形式の解説

博士博士
今日は115回午後42問、在宅療養における医療的ケア児支援についてだ。まず「医療的ケア児」って言葉、聞いたことあるかな?
サクラサクラ
はい、人工呼吸器とか胃瘻とかが必要な子どもたちですよね?
博士博士
その通り。正確には、日常生活や社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを必要とする18歳未満の児童を指すんだ。2021年9月に施行された医療的ケア児支援法で初めて法的に位置づけられたんだよ。
サクラサクラ
選択肢1の「対象となる医療機器が決められている」は違いますよね?
博士博士
いい指摘だ。法律は機器を限定していない。人工呼吸器、気管カニューレ、胃瘻、在宅酸素、吸引器、注入ポンプなど多様で、機能的に「継続的な医療的ケアが必要かどうか」で判断するんだ。
サクラサクラ
選択肢2の地域包括支援センターはどうですか?
博士博士
地域包括支援センターは介護保険法に基づく機関で、主に高齢者の総合相談を担う場所だね。医療的ケア児の相談は、都道府県等に置かれる「医療的ケア児支援センター」や市町村の障害児相談支援事業所が中心になる。
サクラサクラ
じゃあ選択肢3の介護支援専門員も対象が違うんですね。
博士博士
そう、ケアマネジャーは要介護認定を受けた高齢者などのケアプランを作る職種だ。障害児のサービス等利用計画は、児童福祉法に基づく「障害児相談支援専門員」が作成するんだよ。
サクラサクラ
残りの選択肢4「胃瘻からの経管栄養を行っている児童は支援の対象である」が正解ですね。
博士博士
その通り。胃瘻からの経管栄養は代表的な医療的ケアの一つだから、当然支援対象になる。喀痰吸引や気管切開部の管理なども同じだね。
サクラサクラ
家族への支援についても何かポイントはありますか?
博士博士
いい質問だ。同法は家族の離職防止を明確に掲げていて、レスパイト入院や訪問看護、学校・保育所での受け入れ体制整備などを総合的に進めることを求めているんだ。
サクラサクラ
覚え方として「対象は機器ではなくケアの内容で決まる」「相談先は高齢者向け機関ではない」と押さえればいいですね。
博士博士
完璧だ。国家試験ではこの法律の名称、対象、責務主体、相談機関の名前がよく狙われるから整理しておこう。

POINT

医療的ケア児の定義(特定機器に限定されず、経管栄養や喀痰吸引などを含む)と、相談・支援を担う機関(地域包括支援センターやケアマネジャーではない)を区別して理解できているかが問われています。

解答・解説

正解は4です

問題文:在宅療養における医療的ケア児の支援について正しいのはどれか。

解説:正解は 4 です。医療的ケア児とは、人工呼吸器の装着、気管切開、喀痰吸引、経管栄養(胃瘻・腸瘻・経鼻)、在宅酸素療法、導尿、中心静脈栄養などの日常的な医療的ケアを必要としながら在宅で生活している子どもを指します。2021年9月に施行された「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法)」では、国・地方公共団体・保育所・学校等に支援の責務を明記し、家族の離職防止や安心して子育てができる社会の実現を目的としています。胃瘻からの経管栄養は代表的な医療的ケアの一つであり、当然支援の対象に含まれます。同法では支援対象を特定の医療機器に限定せず、日常生活および社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを要する18歳未満の児童(および高校生等)を広く対象としている点が重要です。

選択肢考察

  1. ×1.  対象となる医療機器が決められている。

    医療的ケア児支援法では、支援対象を特定の医療機器に限定していません。人工呼吸器、気管カニューレ、胃瘻チューブ、在宅酸素装置、吸引器、注入ポンプなど多様な機器・ケアが想定されており、「日常生活を営むために恒常的に医療的ケアを必要とする児童」という機能的な定義で対象を捉えています。

  2. ×2.  地域包括支援センターが相談対応する。

    地域包括支援センターは介護保険法に基づき設置され、主として高齢者の総合相談・権利擁護・介護予防ケアマネジメントなどを担う機関です。医療的ケア児の相談支援は、各都道府県等に配置される「医療的ケア児支援センター」や、市町村の障害児相談支援事業所、保健センターなどが中心に対応します。

  3. ×3.  介護支援専門員がサービス利用計画を立てる。

    介護支援専門員(ケアマネジャー)は介護保険サービス利用者のケアプランを作成する職種であり、対象は原則として要介護・要支援認定を受けた高齢者等です。障害児を対象とするサービス等利用計画は、児童福祉法に基づく「障害児相談支援専門員」が作成します。

  4. 4.  胃瘻からの経管栄養を行っている児童は支援の対象である。

    胃瘻からの経管栄養は、医療的ケア児支援法および厚生労働省の定義における代表的な「医療的ケア」の一つです。経口摂取が困難な児童が在宅で生活を継続するために必須のケアであり、当然支援の対象となります。

医療的ケアには、喀痰吸引、経管栄養(経鼻・胃瘻・腸瘻)、気管切開部の管理、人工呼吸器の管理、在宅酸素療法、導尿、中心静脈栄養などがあります。2016年の児童福祉法改正で地方公共団体に医療的ケア児支援の努力義務が明文化され、2021年の医療的ケア児支援法でこれが「責務」へと格上げされました。学校や保育所での受け入れ体制整備、医療的ケア児支援センターの設置、レスパイト入院や訪問看護の活用など、家族の負担軽減を含めた包括的支援が進められています。

医療的ケア児の定義(特定機器に限定されず、経管栄養や喀痰吸引などを含む)と、相談・支援を担う機関(地域包括支援センターやケアマネジャーではない)を区別して理解できているかが問われています。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。