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睡眠障害(ナルコレプシー)

精神看護学 / 発達・知的障害・その他

解説

今回はナルコレプシーについて解説します。

ナルコレプシーとは

ナルコレプシーとは、日中に耐えがたい眠気が繰り返し出現し、本人の意思に反して眠り込んでしまう中枢性過眠症の代表的疾患です。好発年齢は10代後半から若年成人期で、思春期前後に発症することが多く、慢性の経過をたどります。授業中・会話中・食事中など、通常では眠らない場面でも突然眠り込むため、学業や就労、運転業務に大きな支障をきたします。

病態

ナルコレプシーは、視床下部外側野に存在する**オレキシン(ヒポクレチン)**産生神経の変性・脱落により、覚醒維持機構が障害されて生じます。オレキシンは覚醒とレム睡眠の制御に関わる神経ペプチドで、その欠乏によって覚醒と睡眠の境界が不安定となり、レム睡眠が日中に侵入する現象が起こります。発症には自己免疫機序の関与が想定されており、HLA-DQB1*06:02との強い関連が知られています。

四主徴

ナルコレプシーの四主徴は、日中の耐えがたい睡眠発作、笑い・驚き・怒りなど強い情動を契機に全身または一部の筋緊張が突然失われる情動脱力発作(カタプレキシー)、入眠時に鮮明な幻視・幻聴を体験する入眠時幻覚、入眠時や覚醒時に体を動かせなくなる**睡眠麻痺(金縛り)**です。なかでもカタプレキシーはナルコレプシーに特徴的で、診断的価値が高い症状です。

診断

診断には**反復睡眠潜時検査(MSLT)**が用いられ、平均入眠潜時が8分以下であり、かつ入眠時レム睡眠期(SOREMP)が2回以上認められることが基準となります。前夜の終夜睡眠ポリグラフ検査で十分な睡眠時間を確保したうえで実施します。

治療と看護

薬物療法では、日中の眠気に対してモダフィニルメチルフェニデートなどの精神刺激薬を用います。情動脱力発作には三環系抗うつ薬やSNRIが有効です。非薬物療法として、昼休みなどに15〜20分程度の短時間計画仮眠(パワーナップ)をとることで眠気が軽減されます。看護では、規則正しい睡眠習慣の指導、居眠り運転防止など安全面への配慮、運転業務や高所作業の制限、疾患への理解を得るための家族・学校・職場への教育的支援が重要です。

まとめ

ナルコレプシーは思春期に好発し、オレキシン神経の脱落を背景に睡眠発作・カタプレキシー・入眠時幻覚・睡眠麻痺の四主徴を呈する過眠症です。MSLTで診断し、精神刺激薬と抗うつ薬による薬物療法に計画仮眠と安全管理を組み合わせて生活支援を行うことが看護のポイントとなります。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    ナルコレプシーは視床下部の【 】神経の変性・脱落によって生じる中枢性過眠症である。

  2. 2.

    ナルコレプシーの四主徴は、睡眠発作、【 】、入眠時幻覚、睡眠麻痺である。

  3. 3.

    情動脱力発作は、笑いや怒りなどの強い【 】を契機に、突然筋緊張が失われる発作である。

  4. 4.

    ナルコレプシーの好発年齢は【 】である。

  5. 5.

    ナルコレプシーは【 】*06:02と強い関連が知られている。

  6. 6.

    ナルコレプシーの確定診断には【 】が用いられ、平均入眠潜時8分以下かつ入眠時レム睡眠が2回以上で陽性となる。

  7. 7.

    日中の眠気に対する第一選択薬は【 】やメチルフェニデートなどの精神刺激薬である。

  8. 8.

    情動脱力発作の治療には【 】抗うつ薬やSNRIが用いられる。

  9. 9.

    非薬物療法として、昼間に15〜20分程度の短時間計画仮眠(【 】)が有効である。

  10. 10.

    ナルコレプシー患者では、居眠り運転防止のため【 】業務への配慮が必要である。

睡眠障害(ナルコレプシー)」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。