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精神科セルフケアと看護

精神看護学 / 精神看護総論・その他

解説

今回は精神科におけるセルフケアと看護について解説します。

セルフケアという考え方

セルフケアとは、人が生命・健康・安寧を維持するために自ら行う活動のことをいいます。精神疾患をもつ患者は、症状の影響で日常生活行動(食事・排泄・清潔・休息など)が十分に行えなくなることが多く、看護師は不足している部分を補い、再びその人らしく生活できるよう援助します。 精神科看護では、この視点を体系化したオレム=アンダーウッドのセルフケア理論が広く用いられます。オレムのセルフケア理論を精神科看護に応用したもので、患者の生活行動を6領域に分けてアセスメントし、不足部分を補う看護を計画する枠組みです。

セルフケアの6領域

オレム=アンダーウッド理論では、セルフケアを次の6領域で捉えます。第一に空気・水・食物の摂取、第二に排泄、第三に個人衛生(清潔・身だしなみ)、第四に活動と休息のバランス、第五に孤独と付き合い(人とのかかわり)、そして第六に安全を保つ能力です。 アセスメントの優先順位は、生命維持に直結する領域から考えることが原則です。呼吸・水分・栄養が脅かされていれば最優先となり、次いで排泄・清潔などが続きます。

安全を保つ能力が基盤となる理由

6領域のうち「安全を保つ能力」は、他の領域に優先する基盤として位置づけられます。これは、自傷他害のリスクがある場合、まず生命の安全を確保しなければほかの援助が成り立たないためです。精神症状によって自分や他人を傷つける危険があるときは、安全確保が最優先の看護となります。

統合失調症における安全確保

統合失調症の急性期には、幻聴や幻覚に支配されて壁に頭をぶつける、突然走り出すなどの自傷他害行動が出現することがあります。このような場合、看護師はまず安全な環境を整えることを最優先します。 具体的には、見守りの強化、角のない家具や衝突を和らげる環境への調整、頓服(PRN)の抗精神病薬の準備、必要に応じて隔離身体拘束といった行動制限の検討を行います。行動制限は患者の人権に関わるため、医師の指示のもと最小限・最短期間で実施します。

抗精神病薬の代表例

幻聴・幻覚のコントロールには抗精神病薬が用いられます。代表的なものにリスペリドンオランザピンアリピプラゾールなどの非定型抗精神病薬があります。これらは陽性症状の改善に有効で、急性期の興奮や自傷他害リスクの軽減にも用いられます。

まとめ

精神科看護ではオレム=アンダーウッドのセルフケア理論に基づき、空気・水・食物、排泄、個人衛生、活動と休息、孤独と付き合い、安全を保つ能力の6領域で患者を捉えます。アセスメントは生命維持に直結する領域を優先し、なかでも「安全を保つ能力」は他の領域の基盤として最優先されます。統合失調症の急性期に幻覚に伴う自傷他害行動がみられるときは、見守り・環境整備・PRN抗精神病薬・行動制限の検討によって安全を確保することが看護の要点となります。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    精神科看護で広く用いられ、患者の生活行動を6領域に分けてアセスメントするセルフケア理論をという。

  2. 2.

    オレム=アンダーウッド理論におけるセルフケアの6領域とは、空気・水・食物、排泄、個人衛生、活動と休息、孤独と付き合い、である。

  3. 3.

    オレム=アンダーウッド理論のセルフケア領域のうち、自傷他害リスクがある場合に他の領域に優先する基盤として位置づけられるのはである。

  4. 4.

    精神科のアセスメントでは、原則としてに直結する領域から優先して評価する。

  5. 5.

    統合失調症患者が幻聴に支配されて壁に頭をぶつけるなどの行動を示す場合、看護として最優先されるのはである。

  6. 6.

    興奮や自傷他害リスクが高まったときに頓用で投与される薬剤は抗精神病薬と呼ばれる。

  7. 7.

    統合失調症の急性期で安全確保が困難な場合に、医師の指示のもと最小限で検討される行動制限には隔離とがある。

  8. 8.

    幻聴・幻覚のコントロールに用いられる非定型抗精神病薬の代表例として、リスペリドン、オランザピン、などがある。

精神科セルフケアと看護」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。