セルフヘルプグループ
精神看護学 / 精神看護総論・その他
解説
今回はセルフヘルプグループについて解説します。
セルフヘルプグループとは
セルフヘルプグループとは、同じ病気・障害・依存症・喪失体験などの問題や悩みを抱える当事者やその家族が、自発的に集まって体験を分かち合い、相互に支え合うことで回復や問題解決を目指す集団のことです。日本語では自助グループと訳されます。専門家が治療として提供するグループ療法とは異なり、当事者自身が運営の主体となり、メンバーどうしは上下関係のない対等な関係に立つ点が大きな特徴です。
目的と心理的機能
セルフヘルプグループの目的は、同じ問題を持つ仲間との関わりを通じて、孤立感の軽減、自己肯定感の回復、生活上の知恵や対処方法の獲得、そして社会的な役割の再構築を進めることにあります。
ヘルパーセラピー原則
リースマンが提唱したヘルパーセラピー原則とは、人を援助する側にまわった当事者自身もまた治療的な効果を得るという考え方です。受け手としてだけでなく与え手として体験を語ることで、自尊感情が高まり回復が促進されます。
ピアサポート
同じ立場や経験を持つ者どうしが支え合う活動をピアサポートと呼びます。専門職による援助と異なり、共感と体験の共有を基盤とする点が特徴で、セルフヘルプグループの中心的な機能の一つです。「自分だけではない」という気づき(普遍性)や、回復した先輩メンバーをモデルとした希望の獲得も重要な治療的因子とされます。
代表的な例
代表例として、アルコール依存症の当事者が匿名で参加するAA(アルコホリクス・アノニマス)や日本独自の断酒会、薬物依存のNA、ギャンブル依存のGAなどがあります。さらに、がんや難病の患者会、精神障害者の当事者会、認知症の人と家族の会といった家族会もセルフヘルプグループに含まれます。家族もまた当事者として支援の対象となる点が重要です。
看護師の関わり方
看護師はセルフヘルプグループに対して、運営や進行に介入せずグループの自律性を尊重するのが原則です。具体的な関わりとしては、患者や家族に対する情報提供、活動場所の確保、地域の会への紹介といった間接的支援を行います。看護師が司会者や指導者になってしまうと、当事者主体という根本原則が損なわれるため避ける必要があります。
まとめ
セルフヘルプグループは、同じ問題を抱える当事者・家族が自発的に集まり、対等な関係のもとで体験を共有し相互に支え合う集団です。リースマンのヘルパーセラピー原則やピアサポートを心理的基盤とし、AA・断酒会・患者会・家族会などが代表例です。看護師は運営に介入せず、情報提供や紹介を通じて間接的に支援することが求められます。
確認問題(穴埋め)
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- 1.
同じ病気や障害、依存症などの問題を抱える当事者や家族が自発的に集まり、体験を共有して相互に支え合う集団をという。
- 2.
セルフヘルプグループの運営主体は専門家ではなく自身であり、メンバーは対等な関係に立つ。
- 3.
リースマンが提唱した、人を援助する側にまわった当事者自身も治療的効果を得るという原則をという。
- 4.
同じ立場や経験を持つ者どうしが支え合う活動をという。
- 5.
アルコール依存症の当事者が匿名で参加する代表的なセルフヘルプグループをという。
- 6.
日本独自のアルコール依存症の自助グループとしてがある。
- 7.
患者本人だけでなく、その家族も当事者として参加するセルフヘルプグループをという。
- 8.
看護師はセルフヘルプグループに対し、運営に介入せずグループのを尊重し、情報提供や紹介などの間接的支援を行う。
