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肝炎ウイルスの核酸分類

人体の構造・機能 / 消化器・代謝・内分泌

解説

今回は肝炎ウイルスの核酸分類について解説します。肝炎ウイルスとは、肝細胞に感染して肝臓に炎症を起こすウイルスの総称で、A型・B型・C型・D型・E型の5種類が代表的です。看護師国試では、それぞれのウイルスが持つ遺伝情報(核酸)の種類や感染経路、ワクチンの有無を区別できることが頻出のテーマとなります。

核酸の種類と肝炎ウイルスの分類

すべてのウイルスは、自らの遺伝情報をDNAまたはRNAのいずれか一方で持っています。DNAとRNAは生物の遺伝情報を担う核酸であり、DNAウイルスはDNAを、RNAウイルスはRNAを遺伝子として持つウイルスを指します。

肝炎ウイルスのうち、DNAウイルスはB型肝炎ウイルス(HBV)のみで、A型・C型・D型・E型はすべてRNAウイルスです。「DNAはBだけ、あとはみんなRNA」と覚えるのが定番です。B型肝炎ウイルスはヘパドナウイルス科に属し、肝細胞核内で複製されるため慢性化しやすい性質を持ちます。

各肝炎ウイルスの特徴

A型肝炎ウイルス(HAV)

A型肝炎ウイルスはRNAウイルスで、主に経口感染します。汚染された水や食品、特に生牡蠣などを介して伝播し、衛生環境の悪い地域での流行が知られています。急性肝炎を起こしますが慢性化はせず、ワクチンによる予防が可能です。

B型肝炎ウイルス(HBV)

B型肝炎ウイルスは唯一のDNAウイルスで、血液・体液感染および母子感染(垂直感染)が主経路です。針刺し事故、性的接触、輸血、出産時の産道感染などで伝播します。慢性化すると肝硬変や肝細胞癌に進展しうるため、医療従事者はB型肝炎ワクチンの接種と針刺し事故対策が必須です。

C型肝炎ウイルス(HCV)

C型肝炎ウイルスはRNAウイルスで、主に血液感染により伝播します。慢性化率が高く、肝硬変・肝細胞癌の原因として臨床上極めて重要です。現在はワクチンが存在しませんが、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)により高い治癒率が得られるようになっています。

D型肝炎ウイルス(HDV)

D型肝炎ウイルス(デルタ)はRNAウイルスで、B型肝炎ウイルスの外被(HBs抗原)を借りて初めて感染が成立する特殊なウイルスです。そのためB型との重複感染でしか発症せず、単独では感染できません。

E型肝炎ウイルス(HEV)

E型肝炎ウイルスはRNAウイルスで、A型と同様に経口感染します。加熱不十分な豚肉・鹿肉・猪肉などを介して伝播することが知られています。

まとめ

肝炎ウイルスはA型・B型・C型・D型・E型の5種類があり、核酸の種類で分類するとB型のみがDNAウイルスで、残りはすべてRNAウイルスです。感染経路はA型・E型が経口感染、B型・C型・D型が血液・体液感染で、D型はB型との重複感染でしか起こりません。B型はDNAウイルスでありワクチンによる予防が可能、医療従事者の必須対策である点も国試で繰り返し問われるポイントとなります。

確認問題(穴埋め)

空欄をタップすると答えが表示されます。

  1. 1.

    ウイルス性肝炎の起炎ウイルスのうち、唯一DNAウイルスに分類されるのはである。

  2. 2.

    A型・C型・D型・E型の肝炎ウイルスはすべてウイルスに分類される。

  3. 3.

    A型肝炎ウイルスとE型肝炎ウイルスの主な感染経路は感染である。

  4. 4.

    B型・C型・D型肝炎ウイルスの主な感染経路は感染である。

  5. 5.

    B型肝炎ウイルスの外被を利用して感染するため、B型との重複感染でしか発症しない肝炎ウイルスはである。

  6. 6.

    医療従事者の針刺し事故対策として接種が必須とされる肝炎ウイルスワクチンはワクチンである。

肝炎ウイルスの核酸分類」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。