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加齢に伴う造血機能変化

老年看護学 / 加齢に伴う生理機能変化

解説

高齢者の血液は、若年者と比べてさまざまな変化を示します。加齢に伴って骨髄の造血能が低下し、貧血傾向や血液検査値の変化が現れやすくなるため、看護師国家試験では「老化に伴う血液・造血器系の変化」として頻出のテーマです。ここでは、造血の基本から加齢による変化、関連する検査値の傾向までを整理して学びましょう。

骨髄と造血の基本

造血とは、赤血球・白血球・血小板といった血球を産生する働きのことで、成人では主に骨髄で行われています。骨髄には、活発に造血を行う赤色の 赤色骨髄 と、脂肪に置き換わり造血を行わない 黄色骨髄 があります。小児期は全身の骨髄が赤色骨髄ですが、成長とともに四肢の長管骨などから順に黄色骨髄へと置換されていきます。

赤血球の産生には、腎臓で作られるホルモンである エリスロポエチン が不可欠です。エリスロポエチンは骨髄の赤芽球系細胞を刺激し、赤血球への分化・成熟を促します。腎機能が低下するとこのホルモンの産生が減り、赤血球産生も低下します。

加齢に伴う造血機能の変化

加齢が進むと、赤色骨髄はさらに減少して黄色骨髄に置き換わり、骨髄全体としての造血能は低下します。加えて、加齢による腎機能低下に伴ってエリスロポエチンの産生も減少するため、赤血球数やヘモグロビン値が下がり、高齢者では軽度の 貧血 傾向がみられやすくなります。

ただし、高齢者の貧血は加齢のみで説明できないことも多く、消化管出血や吸収低下による鉄欠乏、ビタミンB12や葉酸の欠乏、慢性炎症性疾患、腎性貧血、骨髄異形成症候群などを鑑別する必要があります。WHOの貧血基準はヘモグロビンが男性で13g/dL未満、女性で12g/dL未満です。

加齢で変化する血液検査値

加齢に伴い糸球体濾過量(GFR)が低下するため、老廃物である 尿素窒素(BUN)クレアチニン は上昇しやすくなります。また、膵β細胞からのインスリン分泌反応の低下と、筋肉量減少・内臓脂肪増加による末梢のインスリン抵抗性の増大により、食後血糖値も上昇傾向となります。一方で、総蛋白・アルブミン、赤血球数、クレアチニン・クリアランス、動脈血酸素分圧(PaO2)は低下傾向を示します。血小板数や白血球数、ASTなどは加齢で大きく変動しません。

まとめ

加齢に伴って赤色骨髄が黄色骨髄に置換され、エリスロポエチン産生も低下することから、高齢者は軽度の貧血傾向を示しやすくなります。BUNやクレアチニン、食後血糖は上昇しやすく、総蛋白やアルブミン、赤血球数は低下しやすいという血液検査値の特徴を押さえておくと、国試問題にも臨床にも応用できます。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    加齢に伴い、骨髄では造血を行うが減少し、脂肪組織に置き換わったが増加する。

  2. 2.

    赤血球の産生を刺激するホルモンであるは、腎臓で産生される。

  3. 3.

    加齢に伴う腎機能低下によりエリスロポエチンの産生が減少するため、高齢者では軽度の傾向がみられやすい。

  4. 4.

    WHOの貧血基準では、ヘモグロビンが男性でg/dL未満、女性でg/dL未満とされている。

  5. 5.

    加齢に伴い糸球体濾過量が低下するため、老廃物である尿素窒素(BUN)やは上昇しやすい。

  6. 6.

    加齢ではインスリン分泌反応の低下と末梢のの増大により、食後血糖値は上昇しやすくなる。

  7. 7.

    加齢で低下傾向を示す血液検査値には、総蛋白・、赤血球数、動脈血酸素分圧などがある。

加齢に伴う造血機能変化」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。