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AEDの使用手順

成人看護学 / 循環器系

解説

今回はAEDの使用手順について解説します。

心停止と致死性不整脈

心停止とは、心臓が有効なポンプ機能を失い、全身に血液を送り出せなくなった状態をいいます。心停止時の心電図波形は大きく4つに分類されますが、AED(自動体外式除細動器)による電気ショックの適応となるのは**心室細動(VF)無脈性心室頻拍(pulseless VT)の2つだけです。 VFは心室の心筋が無秩序に電気的に興奮し、けいれんのように細かく震えている状態で、ポンプ活動が全く成立していません。pulseless VTは心室由来の頻拍が起こっているものの脈が触れない状態で、いずれも放置すれば数分で死に至ります。一方、心電図が平坦になる心静止(asystole)と、電気活動はあるが脈が触れない無脈性電気活動(PEA)**は除細動の適応外であり、質の高い胸骨圧迫と気道確保、アドレナリン投与など薬物を含む二次救命処置が必要となります。

一次救命処置(BLS)の流れ

倒れている人を発見したら、まず周囲の安全を確認し、肩を叩いて反応の有無を確かめます。反応がなく、呼吸が正常でなければ、ためらわず大声で応援を呼び、119番通報とAEDの手配を依頼します。続いてただちに胸骨圧迫を開始します。「反応なし・正常な呼吸なし」と判断した時点でCPRとAED使用を開始することがJRC蘇生ガイドラインの原則です。

質の高い胸骨圧迫

胸骨圧迫は救命の中心です。圧迫部位は胸骨の下半分、テンポは1分間に100〜120回、深さは成人で約5〜6cmを目安とします。一回ごとに胸が完全に元の高さまで戻るように圧解除を行い、心臓への静脈還流を確保します。中断は最小限にとどめ、絶え間ない圧迫を継続することが救命率を左右します。

AEDの使用手順

AEDは心電図を自動で解析し、ショックが必要な波形のときだけ通電を指示する機器であり、医療従事者以外でも使用できます。空港・駅・学校・公共施設などに広く配置されています。 手順としては、まず電源を入れ、音声ガイダンスに従って操作します。次に傷病者の胸部の汗や水分を拭き取り、右前胸部と左側胸部にパッドを貼付します。装着が完了すると自動で心電図解析が始まり、ショック適応のリズムであれば「ショックが必要です」と指示が流れます。周囲の安全を確認したうえで通電ボタンを押し、終了後はただちに胸骨圧迫を再開します。

胸骨圧迫を中断する2つのタイミング

AED使用中であっても、胸骨圧迫は可能な限り中断しません。中断してよいのは心電図の解析中と通電(ショック)を行う瞬間の2つのタイミングのみです。解析中に圧迫を続けると振動で心電図波形が乱れ、ショックの要否判定が不正確になります。通電時は感電防止のため傷病者から離れます。これら以外は、パッド装着中も含めて圧迫を継続することが原則です。

早期除細動の意義

VFやpulseless VTでは、除細動までの時間が救命率を決定づけます。心停止発生から1分経過するごとに救命率は約7〜10%低下するといわれており、現場での迅速なAED使用が予後を大きく左右します。だからこそ、駆けつけた人がためらわずに電源を入れ、ガイダンスに従うことが重要です。

まとめ

AEDの適応はVFとpulseless VTの2つであり、心静止とPEAは適応外で質の高いCPRが必要です。反応がなく正常な呼吸がない成人にはただちに胸骨圧迫とAED使用を開始し、圧迫は100〜120回/分・深さ5〜6cmで絶え間なく行います。AED使用中に圧迫を中断してよいのは解析中と通電時のみであり、それ以外は継続するのが原則です。除細動までの時間が救命率を決めることを意識し、迷わず行動することが国試でも臨床でも問われる要点です。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    AEDによる電気ショックの適応となる致死性不整脈は、心室細動との2つである。

  2. 2.

    心電図が平坦化し、電気的活動が消失した状態をといい、AEDの適応外である。

  3. 3.

    心電図上は何らかの電気活動を示すが脈が触れない状態をといい、これもAEDの適応外で質の高いCPRが必要である。

  4. 4.

    成人の胸骨圧迫は1分間に回のテンポで行う。

  5. 5.

    成人の胸骨圧迫の深さは約を目安とする。

  6. 6.

    反応がなく正常な呼吸がない傷病者には、ただちに胸骨圧迫との使用を開始する。

  7. 7.

    AED使用中に胸骨圧迫を中断してよいのは、心電図の中と通電(ショック)時の2つのタイミングのみである。

  8. 8.

    心停止発生から除細動までの時間が1分経過するごとに、救命率は約%低下するとされている。

AEDの使用手順」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。