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看護師特定行為制度

健康支援と社会保障制度 / 看護師関連法規

解説

今回は看護師特定行為制度について解説します。特定行為制度は、2015年(平成27年)に**保健師助産師看護師法(保助看法)**の改正によって創設された、看護師がより高度な医療行為を担えるようにするための仕組みです。少子高齢化が進み、在宅医療や慢性期医療の需要が増えるなかで、医師の判断を待たずに時機を逃さず医療を提供できる人材を養成することを目的としています。国試では制度の根拠法、特定行為の法的位置づけ、手順書の作成者、研修制度の枠組みが繰り返し問われます。

特定行為とは

特定行為とは、診療の補助のうち、実践的な理解力・思考力・判断力と、高度かつ専門的な知識・技能を特に必要とする行為として、厚生労働省令で定められたものをいいます。重要な点は、特定行為があくまでも診療の補助の範囲内にあり、医師にのみ許される医行為そのものではないということです。看護師が独立して医療判断を下すための制度ではなく、医師の指示のもとに行う診療の補助を、より柔軟かつ専門的に実施できるようにした制度と理解するのが正しい捉え方です。

特定行為は現在、21区分・38行為に整理されています。代表例としては、気管カニューレの交換、人工呼吸器からの離脱に向けた設定変更、人工呼吸管理下の鎮静薬投与量の調整、中心静脈カテーテルの抜去、末梢留置型中心静脈注射用カテーテル(PICC)の挿入、胃瘻カテーテルや膀胱瘻カテーテルの交換、橈骨動脈ラインからの採血、創傷処置、脱水症状に対する輸液による補正、感染徴候のある患者への薬剤投与関連などが挙げられます。

手順書による実施

特定行為制度の最大の特徴は、手順書を用いた実施という点にあります。手順書とは、医師または歯科医師があらかじめ作成し、看護師に交付する文書で、患者の病状の範囲、診療の補助の内容、特定行為を実施した後の医師への報告方法などが定められています。看護師は手順書に記載された病状の範囲内であることを確認したうえで、自らの判断で特定行為を実施します。

つまり、手順書はあくまで医師または歯科医師が作成するものであり、看護師や事業者が独自に作成する文書ではありません。また、手順書の指示者となれるのも医師または歯科医師に限られます。これにより、看護師は患者の状態に応じてその場で迅速に対応できる一方、医療行為の責任体制は医師の包括的指示のもとで保たれる仕組みとなっています。

特定行為研修

特定行為を実施するためには、所定の特定行為研修を修了する必要があります。研修は厚生労働大臣が指定した研修機関で行われ、すべての受講者が学ぶ共通科目と、自身が実施する区分ごとの区分別科目から構成されます。共通科目では臨床推論、フィジカルアセスメント、臨床薬理学、医療安全学、特定行為実践などを学び、区分別科目では各特定行為の知識と技術を深めます。修了者には特定行為研修修了証が交付されます。

特定行為研修修了者は、訪問看護や在宅医療、救急・集中治療、周術期管理、慢性期管理など、医師がすぐそばにいない場面や時機を逃せない場面で力を発揮します。タスクシフト・タスクシェアによる医師の働き方改革と、地域医療提供体制の確保という両面の意義をもつ点が重要です。

まとめ

看護師特定行為制度は、2015年の保助看法改正により創設された制度で、診療の補助のうち特に高度な知識・技能を要する21区分38行為を、特定行為研修を修了した看護師が医師または歯科医師の作成した手順書に基づき実施するものです。特定行為は医行為そのものではなく診療の補助の範囲に含まれ、研修機関は厚生労働大臣が指定します。「保助看法・厚労大臣指定・医師作成の手順書・診療の補助」の4本柱を押さえることが、国試対策の最重要ポイントとなります。

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  1. 1.

    看護師の特定行為制度は2015年のの改正により創設された。

  2. 2.

    特定行為は、医行為そのものではなくのうち、高度かつ専門的な知識・技能を特に必要とする行為と位置づけられている。

  3. 3.

    特定行為は現在区分38行為に整理されている。

  4. 4.

    看護師が特定行為を実施するときに用いる、医師または歯科医師があらかじめ作成した文書をという。

  5. 5.

    特定行為における手順書を作成できるのはに限られる。

  6. 6.

    特定行為研修を行う機関を指定するのはである。

  7. 7.

    特定行為研修は、すべての受講者が学ぶ共通科目と、行為ごとに学ぶ科目から構成される。

看護師特定行為制度」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。