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社会保険制度の体系と公費医療

健康支援と社会保障制度 / 医療保険・社会保障制度

解説

今回は社会保険制度の体系と公費医療について解説します。日本の医療や生活を支える仕組みは大きく二本立てで、加入者が保険料を出し合って互いを支える社会保険と、税金を財源として特定の人々を支援する公費医療から成り立っています。看護師国家試験では、社会保険の5つの柱と各制度の根拠法、そして主要な公費医療制度がどの法律に基づくかが頻出です。制度ごとに名称と法令を結びつけて整理していきましょう。

社会保障制度の全体像

日本の社会保障は、社会保険・公的扶助・社会福祉・公衆衛生の四本柱から構成されています。社会保険は強制加入を原則とし、加入者があらかじめ保険料を支払い、病気・けが・老齢・失業など特定の事由が生じたときに給付を受ける仕組みです。公的扶助は生活保護に代表される税財源の最低生活保障、社会福祉は児童・高齢者・障害者などへの援護、公衆衛生は感染症対策や母子保健などの予防・健康増進活動を指します。

社会保険の5つの柱

社会保険は医療保険・年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険の5制度で構成されています。このうち雇用保険と労災保険を合わせて労働保険と呼びます。それぞれの制度には固有の根拠法令が定められており、対応関係を覚えることが国試対策の基本です。

医療保険

医療保険は加入者の属性により複数に分かれます。会社員などの被用者を対象とするのが健康保険法に基づく健康保険、自営業者や無職者などの地域住民を対象とするのが国民健康保険法に基づく国民健康保険です。75歳以上の高齢者は高齢者の医療の確保に関する法律に基づく後期高齢者医療制度に加入します。さらに船員には船員保険法、公務員や教職員には各種共済組合法があり、これらをまとめて医療保険制度と呼びます。

年金・介護・労働保険

年金保険は全国民共通の基礎年金を定める国民年金法と、被用者を対象とする厚生年金保険法が根拠法です。介護保険は介護保険法に基づき、原則として40歳以上が被保険者となります。労働者災害補償保険(労災保険)は労働者災害補償保険法、雇用保険は雇用保険法が根拠となります。労災保険は業務上の事由や通勤による負傷・疾病を、雇用保険は失業時の給付などを担っています。

公費医療制度の意義

公費医療とは、特定の疾病や社会的な事情をもつ人々の医療費を税金を財源として国や地方公共団体が負担する仕組みです。社会保険による給付では十分にカバーできない領域を補い、医療を必要とするすべての人が経済的理由で受診できなくならないようにする役割を担います。それぞれの制度には根拠となる法律があり、対象者・給付内容・費用負担の方法が異なります。

児童福祉法に基づく公費医療

児童福祉法は、結核にかかった児童に対する療養給付を規定しています。長期にわたる療養が必要な結核児童に対して、医療と学習を一体的に提供する制度です。また、身体に障害のある児童に対する育成医療も児童福祉法に基づくもので、現在は障害者総合支援法の自立支援医療制度の一部として運用されています。

母子保健法・感染症法・精神保健福祉法

母子保健法は、妊産婦健康診査や未熟児養育医療の根拠法です。未熟児養育医療は出生時体重が2,000g以下などの未熟児に対して入院医療費を公費負担する制度です。結核患者の適正な医療を保障する制度は感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)に基づきます。精神保健福祉法(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)は、自傷他害のおそれがある精神障害者を都道府県知事の権限で入院させる措置入院の根拠法です。

その他の主要な公費医療

麻薬中毒者の措置入院は麻薬及び向精神薬取締法、定期予防接種による健康被害の救済は予防接種法、生活保護受給者への医療費給付である医療扶助生活保護法に基づきます。原爆被爆者の医療は原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律、戦傷病者への医療給付は戦傷病者特別援護法、難病患者への医療費助成は難病法(難病の患者に対する医療等に関する法律)が根拠です。これらは制度名と根拠法の組み合わせとして国試で繰り返し問われます。

まとめ

日本の社会保障は社会保険・公的扶助・社会福祉・公衆衛生の四本柱から成り、社会保険は医療・年金・介護・雇用・労災の5制度で構成されます。医療保険は被用者向けの健康保険法、地域住民向けの国民健康保険法、75歳以上を対象とする高齢者の医療の確保に関する法律など複数の法律にまたがる点が特徴です。公費医療では、結核児童の療養給付は児童福祉法、未熟児養育医療は母子保健法、結核患者の適正医療は感染症法、措置入院は精神保健福祉法と、それぞれ根拠法が異なります。制度名と根拠法の対応関係を確実に結びつけて記憶しておくことが、社会保障分野の国試対策の要です。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    社会保険は医療・年金・介護・雇用・の5制度で構成され、このうち雇用保険と労災保険をあわせてと呼ぶ。

  2. 2.

    会社員などの被用者を対象とする医療保険の根拠法はであり、自営業者など地域住民を対象とする医療保険の根拠法はである。

  3. 3.

    75歳以上の高齢者を対象とする後期高齢者医療制度の根拠法はである。

  4. 4.

    介護保険制度の根拠法はであり、原則として歳以上が被保険者となる。

  5. 5.

    結核にかかった児童に対する療養給付はに基づく公費医療として実施される。

  6. 6.

    未熟児養育医療や妊産婦健康診査の根拠法はであり、結核患者の適正医療はに基づく公費医療である。

  7. 7.

    自傷他害のおそれがある精神障害者を都道府県知事の権限で入院させる措置入院の根拠法は(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)である。

  8. 8.

    生活保護受給者に対する医療費の給付であるは生活保護法に基づき、定期予防接種による健康被害の救済はに基づく。

社会保険制度の体系と公費医療」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。