毒薬・薬事関連法
基礎看護学 / 看護倫理・看護師法規
解説
毒薬・薬事関連法とは、医薬品の品質・有効性・安全性を確保し、毒性の強い薬剤を適切に取り扱うために定められた法律の総称です。看護師は薬剤の保管・管理・投与に直接かかわる立場として、関連法規を正しく理解しておく必要があります。
医薬品医療機器等法の概要
医薬品医療機器等法は、正式名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といい、旧薬事法を改正したものです。医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品を対象として、製造・販売・取り扱いに関する基準を規定しています。本法第48条において、毒薬および劇薬の取り扱いと保管方法が定められています。
毒薬と劇薬の指定と表示
毒薬は、毒性が極めて強く少量で人体に重篤な影響を及ぼす医薬品であり、厚生労働大臣が指定します。容器・被包には、黒地に白枠白字で「毒」の文字と品名を記載しなければなりません。保管は他の薬剤と明確に区別したうえで、施錠できる場所に貯蔵・陳列することが義務づけられています。
劇薬は毒薬に次いで作用が強い医薬品で、容器・被包には白地に赤枠赤字で「劇」の文字と品名を表示します。保管は他の薬剤と区別する必要はありますが、施錠は義務づけられていません。
麻薬・覚醒剤・向精神薬の根拠法と保管
麻薬は麻薬及び向精神薬取締法に基づき管理されます。保管は重量金庫など鍵のかかる堅固な設備内で行い、覚醒剤を除く麻薬以外の医薬品と区別して貯蔵します。施用や廃棄には麻薬施用者・管理者の関与と記録が必要です。
向精神薬も同法で規制され、原則として施錠可能な場所に保管します。覚醒剤は覚醒剤取締法で規制され、医療機関では覚醒剤施用機関の指定を受けた施設において、鍵のかかる場所で保管します。覚醒剤原料も同法の管理対象です。
看護師の役割
看護師は、薬剤の受領から払い出し、施用、残薬・空アンプルの処理に至るまで一連の管理に責任を負います。施錠管理の確認、定期的な数量点検、施用記録の正確な記載、誤投与の防止は重要な業務です。表示色や保管区分を正しく理解し、患者の安全を守ることが求められます。
まとめ
毒薬・劇薬は医薬品医療機器等法、麻薬・向精神薬は麻薬及び向精神薬取締法、覚醒剤は覚醒剤取締法に基づいて規制されます。表示色と施錠の有無、区別保管の原則を確実に押さえ、関連法規にのっとった適切な薬剤管理を行うことが看護師の責務です。
確認問題(穴埋め)
空欄をタップすると答えが表示されます。
- 1.
毒薬および劇薬の表示・保管について規定している法律は、(旧薬事法)である。
- 2.
毒薬の容器・被包には、地に枠字で「毒」の文字と品名を記載する。
- 3.
劇薬の容器・被包には、地に枠字で「劇」の文字と品名を記載する。
- 4.
毒薬は他の薬剤と区別し、できる場所に保管しなければならない。
- 5.
劇薬は他の薬剤と区別して保管するが、の義務はない。
- 6.
麻薬の取り扱いはによって規定されている。
- 7.
麻薬は鍵のかかる堅固な設備内に、以外の医薬品と区別して保管する。
- 8.
覚醒剤の取り扱いはによって規定されている。
- 9.
向精神薬は原則として可能な場所に保管する。
