在宅カテーテル管理
地域・在宅看護論 / 在宅医療機器管理
解説
膀胱留置カテーテルとは、尿道から膀胱内へ管を挿入し、持続的に尿を体外へ排出するための医療器具のことです。今回は在宅における膀胱留置カテーテル管理について解説します。
膀胱留置カテーテルの適応
膀胱留置カテーテルは、自力で排尿できない、あるいは排尿させてはならない状態のときに用いられます。代表的な適応は、脊髄損傷や糖尿病性神経障害などによる神経因性膀胱、前立腺肥大や腫瘍による尿閉、重症患者の正確な尿量モニタリング、仙骨部の褥瘡を尿汚染から保護する目的などです。手術後の一時的な留置から、在宅での長期的な留置まで幅広く行われます。
カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)
膀胱留置カテーテルの最大の合併症は、**カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)**です。通常は外尿道口で防がれている細菌侵入経路が、カテーテル留置によって膀胱内と体外が一本の管でつながった状態となるため、菌が膀胱内へ侵入しやすくなります。長期留置例では細菌尿はほぼ必発であり、発熱や血尿、混濁尿などの症状出現時には医療機関への報告が必要です。
在宅自己管理の三本柱
在宅でカテーテル管理を行う際は、感染予防のための三つの原則を守ることが重要です。
第一に、外出前には蓄尿バッグ内の尿をあらかじめ廃棄します。尿が溜まったままだと逆流の危険や歩行時の負担となり、衛生面でも問題が生じるためです。
第二に、閉鎖式回路を維持します。回路を不用意に外すと、外気中の細菌が侵入し感染リスクが高まるため、接続部はむやみに切り離さないように指導します。
第三に、蓄尿バッグは必ず膀胱より低い位置に保ちます。バッグが膀胱より高くなると尿が逆流し逆行性感染を引き起こすためです。また回路をループ状にたるませると尿の停滞や閉塞の原因となるため、自然に下垂させます。
その他の日常管理と固定方法
尿の停滞を防ぐため、1日1500mL以上の水分摂取を促します。外陰部はカテーテル周囲を中心に陰部洗浄を行い清潔を保ちます。固定方法は性差により異なり、男性は陰茎を頭側に向けて下腹部に固定し尿道陰嚢角への圧迫を避けます。女性は大腿内側に固定します。挿入長の目安は男性で約18〜20cm、女性で約5〜6cmです。蓄尿バッグは容量の1/2〜2/3が溜まった時点で定期的に廃棄します。
観察ポイントと合併症
家族介護者にも観察方法を指導することが在宅管理では不可欠です。観察項目は、尿の色調・混濁・浮遊物・血尿・悪臭の有無、発熱、チューブの屈曲や圧迫、カテーテル固定位置のずれなどです。主な合併症には尿路感染症、カテーテル閉塞、尿道損傷、膀胱結石、長期留置による膀胱萎縮があります。
看護小規模多機能型居宅介護
医療的ケアと生活支援を一体的に受けられるサービスとして、看護小規模多機能型居宅介護があります。訪問・通い・泊まりを柔軟に組み合わせて提供されるため、カテーテル管理を含めた在宅療養者と家族の負担軽減に有効です。
まとめ
在宅における膀胱留置カテーテル管理では、閉鎖式回路の維持、バッグを膀胱より低位に保つこと、外出前の尿廃棄という三本柱を中心に、感染予防を徹底することが基本となります。十分な水分摂取と陰部の清潔保持、適切な固定方法を組み合わせ、家族にも観察ポイントを指導することで、合併症の早期発見と療養生活の質の維持につなげていきます。
確認問題(穴埋め)
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- 1.
膀胱留置カテーテルの最大の合併症はカテーテル関連(CAUTI)である。
- 2.
蓄尿バッグは膀胱より位置に保ち、逆行性感染を予防する。
- 3.
在宅管理では回路を維持し、不用意に回路を外さないよう指導する。
- 4.
尿路感染予防のため、1日mL以上の水分摂取を促す。
- 5.
男性のカテーテル固定は陰茎を頭側に向けてに固定し、尿道陰嚢角への圧迫を避ける。
- 6.
膀胱留置カテーテルの挿入長は、男性で約cm、女性で約5〜6cmである。
- 7.
蓄尿バッグ内の尿は容量の1/2〜が溜まった時点で定期的に廃棄する。
- 8.
訪問・通い・泊まりを組み合わせて医療的ケアと生活支援を一体的に提供するサービスをという。
