ADL評価と自助具
成人看護学 / 成人看護総論・その他
解説
今回は日常生活動作(ADL)の評価と、ADLを支援する自助具について解説します。
日常生活動作(ADL)とは
日常生活動作(ADL:Activities of Daily Living)は、食事・排泄・入浴・更衣・移動など、人が自立して生活するために必要な基本動作を指します。ADLが低下するとリハビリテーションや介護の必要性が高まるため、客観的に評価する尺度が用いられます。代表的なものにBarthelインデックスとFIMがあります。
Barthelインデックス
Barthelインデックス(バーセル指数)は1965年にMahoneyとBarthelが開発したADL評価尺度で、食事・移乗・整容・トイレ動作・入浴・歩行(移動)・階段昇降・更衣・排便コントロール・排尿コントロールの10項目で構成されます。各項目を0〜15点で配点し、合計100点満点で評価します。点数が高いほど自立度が高いことを示し、脳卒中リハビリテーションをはじめ広く用いられています。簡便で短時間に評価できることが利点で、「できる」最大能力を評価する尺度です。
FIM(機能的自立度評価法)
FIM(Functional Independence Measure)は、運動13項目+認知5項目の計18項目を1〜7点で評価する尺度です。Barthelより詳細に評価でき、実際に「している」ADLを把握できる点が特徴で、リハビリテーションの効果判定に用いられます。
IADLの評価
買い物・調理・金銭管理・電話・外出など、より高次の生活動作を**IADL(手段的ADL)**といい、老研式活動能力指標やLawton尺度で評価します。
自助具と関節リウマチへの適用
自助具は、障害や疾患で困難になった動作を補助するための道具で、患者の残存機能を活かして自立を支援します。関節リウマチでは朝のこわばりや多関節痛により日常生活動作が制限されるため、痛みのある関節に負担をかけないよう自助具を選択することが重要です。
ADL訓練・自助具選定を担う専門職
ADL(特に食事・更衣・整容など上肢機能や手指の細かな動作)の評価・訓練、および自助具の選定・適合・使用訓練を担う専門職は**作業療法士(OT:Occupational Therapist)**です。作業療法士は患者の残存機能や生活環境を総合的に評価し、個々の患者に適した自助具を選定・調整して使用訓練を行います。一方、**理学療法士(PT:Physical Therapist)**は主に基本動作(起き上がり・立ち上がり・歩行など)や下肢機能、運動療法を担当します。両者は役割を分担しながら連携してリハビリテーションを進めます。
部位別の代表的な自助具
肩関節に痛みがある場合は、肩を大きく挙上せずに頭や背中に届く柄の長いブラシ・長柄櫛・長柄スポンジが用いられます。手指に痛みや握力低下がある場合は、太柄のスプーン・フォーク、ボタンエイド、万能カフが有効です。下肢・股関節に痛みがある場合は前屈姿勢を避けるためにソックスエイドや長柄シューホーンを利用します。
関節保護の原則
関節リウマチの患者指導では、痛みのある関節を増悪させない動作の工夫が大切です。基本となるのは、できるだけ大きな関節を使い小さな関節への負担を避けること、複数の関節で負担を分散すること、力を入れすぎず無理な動作を避けることの3点です。
まとめ
ADL評価ではBarthelインデックス(10項目・100点満点)とFIM(18項目・1〜7点)が代表的で、用途や目的に応じて使い分けます。関節リウマチでは痛みのある関節を保護するため、肩関節には長柄ブラシ、手指には太柄スプーン、下肢にはソックスエイドなど、部位に応じた自助具を選択し、残存機能を活かした自立支援を行います。自助具の選定・適合や食事を含めたADL訓練は作業療法士(OT)が中心となって担当します。
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- 1.
食事・移乗・整容・トイレ動作・入浴・歩行・階段昇降・更衣・排便・排尿の10項目を100点満点で評価する代表的なADL評価尺度をという。
- 2.
運動13項目・認知5項目の計18項目を1〜7点で評価し、実際に「している」ADLを評価する尺度をという。
- 3.
買い物・調理・金銭管理など、より高次の生活動作をといい、老研式活動能力指標などで評価する。
- 4.
関節リウマチで肩関節に痛みがある患者が頭や背中を洗う際に、肩の挙上による負担を軽減する自助具はである。
- 5.
関節リウマチによる手指の関節痛で握力が低下した患者の食事動作を支援する自助具としてがある。
- 6.
関節リウマチの関節保護の原則は、できるだけを使って小さな関節への負担を避けることである。
- 7.
食事動作などのADL訓練や自助具の選定・適合・使用訓練を専門に担当するリハビリテーション職種はである。
