遺伝子・DNA複製と細胞周期
人体の構造・機能 / 形態・発生・その他
解説
今回は遺伝子・DNA複製と細胞周期について解説します。
遺伝子とDNAの基本
遺伝子とは、親から子へ受け継がれる形質を決める情報の単位であり、その実体はDNA(デオキシリボ核酸)という物質です。DNAはデオキシリボース(糖)、リン酸、塩基(アデニン・チミン・グアニン・シトシン)からなるヌクレオチドが多数連なったポリヌクレオチド鎖で、これが2本向かい合い、塩基どうしが水素結合(A−T、G−C)で結合した二重らせん構造をとっています。DNAは細胞の核内で染色体を構成し、遺伝情報を保管しています。
細胞周期とDNA複製
体細胞が分裂して増殖する一連の流れを細胞周期といい、分裂期(M期)と間期に分けられます。間期はさらにG1期(DNA合成準備期)、S期(DNA合成期)、G2期(分裂準備期)の3段階に分かれます。DNAの複製はこのうちS期で行われ、もとの二重らせんがほどけ、それぞれの鎖を鋳型として新しい鎖が合成されます。これによりS期の終わりにはDNA量が2倍となり、続くM期で2つの娘細胞へ均等に分配されます。この仕組みにより、遺伝情報が正確に次世代の細胞へ受け継がれます。
転写と翻訳(セントラルドグマ)
遺伝情報がはたらきをもつタンパク質になるまでの流れは「DNA→mRNA→タンパク質」と表され、これをセントラルドグマと呼びます。DNAの塩基配列を写し取ってmRNA(メッセンジャーRNA)をつくる過程を転写、mRNAの塩基配列を読み取り、対応するアミノ酸をつないでタンパク質を合成する過程を翻訳といいます。転写は核内、翻訳は細胞質のリボソームで行われます。
まとめ
遺伝情報の本体はDNAであり、二重らせん構造をもちます。細胞周期の間期のうちS期でDNAが複製されてDNA量が2倍となり、M期で娘細胞へ等分されます。遺伝情報はDNAからmRNAに転写され、mRNAをもとにタンパク質へ翻訳されるというセントラルドグマの流れで発現します。S期=DNA複製、転写=DNA→mRNA、翻訳=mRNA→タンパク質という対応を確実に押さえておきましょう。
確認問題(穴埋め)
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- 1.
DNAは2本のポリヌクレオチド鎖が塩基対をなして向かい合った構造をとっている。
- 2.
細胞周期は分裂期(M期)と間期からなり、間期はG1期・S期・に分けられる。
- 3.
細胞周期のうちDNAの複製が行われるのはであり、この時点でDNA量は2倍となる。
- 4.
DNAの塩基配列を写し取ってmRNAを合成する過程をという。
- 5.
mRNAの塩基配列に基づきアミノ酸を連結してタンパク質を合成する過程をという。
- 6.
「DNA→mRNA→タンパク質」という遺伝情報の流れをと呼ぶ。
