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アレルギー性鼻炎と減感作療法

成人看護学 / 血液・免疫・膠原病

解説

今回はアレルギー性鼻炎と減感作療法について解説します。

アレルギー性鼻炎とは

アレルギー性鼻炎とは、特定のアレルゲン(抗原)が鼻粘膜に侵入することで生じる、Ⅰ型(即時型)アレルギー反応による鼻の炎症疾患です。Ⅰ型アレルギーとは、IgE抗体が関与する反応で、アレルゲンに曝露されてから数分以内に症状が現れる即時型反応をいいます。同じⅠ型アレルギーに分類される代表疾患には、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、アナフィラキシーショックなどがあります。

発症のしくみと三大症状

アレルギー性鼻炎の発症には、鼻粘膜にある肥満細胞(マスト細胞)が中心的な役割を果たします。あらかじめ感作(かんさ)された患者では、肥満細胞の表面にIgE抗体が結合しています。そこへ再びアレルゲンが侵入してIgEと結合すると、肥満細胞が脱顆粒を起こし、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されます。これにより、くしゃみ、水様性鼻汁、鼻閉という三大症状が引き起こされます。

主なアレルゲンは、通年性ではハウスダストやダニ、季節性ではスギ・ヒノキなどの花粉です。原因アレルゲンの特定には、皮膚反応検査や血清特異的IgE抗体測定が用いられます。

治療の基本

治療の第一は、原因となるアレルゲンの除去・回避です。掃除によるダニ・ハウスダスト対策、花粉飛散期のマスク着用、空気清浄機の使用などが該当し、副作用がなく最も効果的な対策となります。薬物療法としては、ヒスタミンの作用を抑える抗ヒスタミン薬、鼻粘膜の炎症を抑える点鼻ステロイド薬、気道収縮や鼻閉に関与するロイコトリエンを抑えるロイコトリエン受容体拮抗薬などが用いられます。

減感作療法(アレルゲン免疫療法)

減感作療法とは、原因アレルゲンを少量から徐々に体内に投与することで、アレルギー反応を起こしにくい体質へ導き、根本的な改善を目指す治療法です。アレルゲン免疫療法とも呼ばれます。皮下注射で行う**皮下免疫療法(SCIT)と、舌の下に投与する舌下免疫療法(SLIT)**があり、日本ではスギ花粉、ダニ、ハチ毒に保険適用があります。効果発現までに時間を要するため、数年単位での継続が必要です。

看護のポイント

減感作療法では、アレルゲンを体内に取り込むため、投与後にアナフィラキシーを起こす危険があります。そのため、投与後は少なくとも30分間は医療機関内で経過観察を行い、急変に備える必要があります。舌下法でも初回は院内で実施します。また、投与後2時間程度は、血流が増加してアレルギー反応が誘発されやすくなるため、激しい運動・入浴・飲酒は避けるよう指導します。

まとめ

アレルギー性鼻炎はIgEを介するⅠ型アレルギー反応で、肥満細胞からのヒスタミン放出によりくしゃみ・水様性鼻汁・鼻閉を起こします。治療の基本はアレルゲンの除去・回避で、根治を目指す方法として減感作療法があります。投与後30分の院内観察と、運動・入浴・飲酒の制限が看護の重要ポイントとなります。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    アレルギー性鼻炎は、抗体を介するⅠ型(即時型)アレルギー反応である。

  2. 2.

    アレルギー性鼻炎では、鼻粘膜の(マスト細胞)が脱顆粒し、ヒスタミンなどが放出される。

  3. 3.

    アレルギー反応に関与し、くしゃみや水様性鼻汁を引き起こす主な化学伝達物質はである。

  4. 4.

    アレルギー性鼻炎の三大症状は、くしゃみ・・鼻閉である。

  5. 5.

    アレルギー性鼻炎の治療で、第一かつ最も効果的な対策は原因の除去・回避である。

  6. 6.

    原因アレルゲンを少量から徐々に体内へ投与し、アレルギー反応を起こしにくい体質に導く治療を(アレルゲン免疫療法)という。

  7. 7.

    減感作療法のうち、舌の下に投与する方法を(SLIT)という。

  8. 8.

    減感作療法の投与後は、の発現に備え、少なくとも30分間は医療機関内で経過観察を行う。

  9. 9.

    減感作療法の投与後約2時間は、激しい運動・入浴・を避けるよう指導する。

アレルギー性鼻炎と減感作療法」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。