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足浴は眠りの味方!副交感神経を味方につけるメカニズム

看護師国家試験 第106回 午前 第19問 / 必修問題 / 日常生活援助技術

国試問題にチャレンジ

106回 午前 第19問

足浴の効果で最も期待されるのはどれか。

  1. 1.食欲増進
  2. 2.睡眠の促進
  3. 3.筋緊張の亢進
  4. 4.皮膚温の低下

対話形式の解説

博士 博士

今日は足浴について学ぼう。看護技術として地味じゃが奥深いぞ。

サクラ サクラ

足浴って、足を温めてリラックスするイメージですが、具体的にどんな効果があるんですか?

博士 博士

大きく分けて3つじゃ。1つ目は血液循環の促進、2つ目は自律神経への作用(副交感神経優位)、3つ目は清潔保持じゃ。

サクラ サクラ

副交感神経が優位になると、どうなるんですか?

博士 博士

心拍がゆっくりになり、血圧が下がり、筋肉が弛緩し、消化管の働きが活発になる。つまり『休息モード』じゃ。この状態が睡眠を促す。

サクラ サクラ

なるほど、だから正解は『睡眠の促進』なんですね。

博士 博士

そう。さらに温熱により末梢血管が拡張して放熱が増え、一時的に上がった深部体温がその後低下することで入眠が促進される。入浴と同じメカニズムじゃ。

サクラ サクラ

『深部体温が下がると眠くなる』んですね。

博士 博士

そうじゃ。赤ちゃんが眠い時に手足が温かくなるのも同じ原理。体が放熱して深部体温を下げておるのじゃ。

サクラ サクラ

選択肢3の『筋緊張の亢進』はなぜダメなんですか?

博士 博士

これは真逆じゃ。足浴では筋緊張は『緩和』される。こむら返りや疲労感の軽減にも有効じゃ。

サクラ サクラ

選択肢4の『皮膚温の低下』も逆ですね。

博士 博士

その通り。温湯に浸すのだから皮膚温は上がる。末梢循環改善で冷感や浮腫の軽減にもなる。

サクラ サクラ

実施する時の注意点は?

博士 博士

湯温は38〜40℃、時間は10〜15分、くるぶしの少し上まで浸す。熱すぎると交感神経が刺激されてリラックスにつながらないし、心疾患患者には負担じゃ。

サクラ サクラ

糖尿病患者では気をつけることありますか?

博士 博士

大ありじゃ。糖尿病性末梢神経障害で感覚が鈍くなっとると、熱い湯でも気づかず熱傷を起こす。必ず介助者が温度計で確認するのじゃ。

サクラ サクラ

足浴はベッド上でもできるんですか?

博士 博士

できるぞ。バケツや専用の足浴器、ビニール袋でも可能じゃ。終末期や重症患者でも比較的実施しやすい清潔・リラクゼーションケアじゃ。

サクラ サクラ

認知症の人にも効果があると聞いたことがあります。

博士 博士

うむ。BPSD(認知症の行動・心理症状)の軽減や不穏の鎮静に足浴が有効との報告もある。皮膚接触や温かさは安心感を生むのじゃ。

サクラ サクラ

全身浴と比べると負担はどうですか?

博士 博士

足浴は循環動態への影響が少なく、全身浴が難しい患者でも安全に行える。ただし心不全や重症患者では湯温・時間に配慮が必要じゃ。

サクラ サクラ

食欲増進効果はあるんですか?

博士 博士

副交感神経優位で消化液分泌は増えうるが、足浴の主要な目的ではない。食事前のリラックスとして補助的に使える程度じゃ。

POINT

足浴の最大の効果は、温熱刺激による末梢血管拡張と副交感神経の優位化を介した睡眠促進・リラックス効果です。深部体温が一度上昇したあとに低下する過程で入眠が促されるメカニズムは、就寝前の入浴と同じ原理に基づきます。筋緊張の緩和、末梢冷感・浮腫の軽減、清潔保持といった副次効果も期待でき、湯温38〜40℃・10〜15分が基本です。糖尿病患者では熱傷、心疾患患者では循環負荷に注意が必要で、臥床患者や終末期患者にも実施しやすい重要な看護技術として位置づけられます。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:足浴の効果で最も期待されるのはどれか。

解説:正解は 2 です。足浴は足部を温湯に浸す部分浴で、末梢血管の拡張により全身の血液循環が促進され、温熱刺激が副交感神経を優位にする。結果として筋緊張がほぐれ、心身がリラックスし、入眠を促進する。寝る1〜2時間前に行うと深部体温の変動(一度上昇した後の低下)を利用して入眠がさらに促進されることが知られている。

選択肢考察

  1. × 1.  食欲増進

    足浴で副交感神経が優位になれば消化液分泌は増えうるが、直接的・主要な効果としては確立されていない。食欲増進を目的に行う処置ではない。

  2. 2.  睡眠の促進

    温熱刺激で副交感神経が優位になりリラックス状態に導かれる。また末梢血管拡張で放熱が進み、深部体温の低下とともに入眠が促進される(睡眠前の入浴と同じ機序)。

  3. × 3.  筋緊張の亢進

    副交感神経優位となるため筋緊張はむしろ『緩和』される。温熱刺激は筋弛緩を促し、こむら返りや疲労感の軽減にも有用。

  4. × 4.  皮膚温の低下

    温湯に浸すため皮膚温は『上昇』する。末梢循環が改善し、冷感や浮腫の軽減にも役立つ。

足浴の実施ポイント: 湯温は38〜40℃、10〜15分程度、くるぶしの少し上まで浸す。心疾患・循環器疾患では40℃以上は負担が大きいので避ける。糖尿病患者は知覚低下があるため必ず湯温を自分でなく介助者が確認、熱傷に注意。副次効果として不眠改善、疼痛緩和、末梢冷感軽減、浮腫軽減、リラックス効果、不穏や認知症高齢者のBPSD改善などが報告されている。全身浴が難しい臥床患者や終末期患者でも実施可能な清潔・リラクゼーションケアとして重要。

足浴による自律神経への作用(副交感神経優位)と、それがもたらす睡眠促進・リラックス効果を理解しているかを問う問題。