グリセリン浣腸の挿入長は5〜6cm
看護師国家試験 第108回 午後 第18問 / 必修問題 / 日常生活援助技術
国試問題にチャレンジ
成人のグリセリン浣腸で肛門に挿入するチューブの深さはどれか。
- 1.2cm
- 2.5cm
- 3.12cm
- 4.15cm
対話形式の解説
博士
今日はグリセリン浣腸の基本手技について勉強するぞ。まず挿入する深さは何cmかな?
アユム
成人では5〜6cmと習いました。選択肢だと2の5cmが正解ですね。
博士
正解じゃ。なぜその長さなのか、解剖から説明できるかな。
アユム
肛門管が約4cmで、そこから少し先の直腸に届く位置だからでしょうか。
博士
その通り。肛門縁から4cmが肛門管、その先が直腸じゃ。5〜6cmなら直腸下部まで安全に届く。
アユム
もっと深く入れてはいけないのですか?
博士
絶対ダメじゃ。直腸は15〜20cmあるが、約12cm付近でS状結腸に移行する部位が前方に強く屈曲する。そこにチューブが当たると直腸前壁を穿孔するリスクが高い。
アユム
選択肢4の15cmなんて、ほぼ確実に危険ですね。
博士
実際に医療事故として何例も報告されておる。直腸穿孔すれば緊急手術、死亡例もある。
アユム
1の2cmはどうですか?
博士
浅すぎて肛門管内にとどまり、薬液が漏れ出てしまう。効果も得られん。
アユム
実施時の体位はどうすればいいですか?
博士
左側臥位が基本じゃ。下行結腸からS状結腸、直腸へと続く解剖学的走行に沿うため薬液が奥に流れやすく、体位も安定する。
アユム
立位はダメですよね。
博士
禁忌じゃ。立位だと直腸前壁に垂直に挿入してしまい穿孔リスクが跳ね上がる。
アユム
グリセリン液自体の扱いも教えてください。
博士
50%グリセリンが標準、体温程度の40℃前後に温めて使う。冷たいと腸管が収縮して不快感や迷走神経反射を起こすことがある。
アユム
注入後はすぐ出してもらうのでしょうか?
博士
いや、3〜5分は我慢してもらうと効果が高まる。腹圧をかけずゆっくり注入するのがコツじゃ。
アユム
小児や乳児ではどうですか?
博士
小児は3〜6cm、乳児は3〜4cmと短めじゃ。体格に応じて調整するぞ。
POINT
成人のグリセリン浣腸ではカテーテルを5〜6cm挿入するのが標準で、直腸穿孔を避けるための安全な深さです。体位は左側臥位、薬液は50%グリセリンを40℃前後に温めて使用します。立位浣腸や深すぎる挿入は直腸穿孔の重大事故につながるため禁忌です。小児3〜6cm、乳児3〜4cmも併せて覚えておきましょう。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:成人のグリセリン浣腸で肛門に挿入するチューブの深さはどれか。
解説:正解は 2 です。成人のグリセリン浣腸ではカテーテル(チューブ)を肛門から5〜6cm挿入するのが標準です。肛門管の長さ約4cm、そこから直腸下部に2cmほど入る位置に当たり、直腸粘膜を傷つけずに薬液を直腸腔に届けられる安全な深さです。これ以上深く挿入すると直腸前壁への穿孔や粘膜損傷のリスクが高まります。
選択肢考察
-
× 1. 2cm
2cmでは肛門管内にとどまり、チューブが抜けやすく薬液が漏れて効果が得られません。浅すぎます。
-
○ 2. 5cm
成人の標準的な挿入長で、直腸下部まで安全に薬液を注入できます。一般にストッパーもこの位置に設定されています。
-
× 3. 12cm
直腸の長さは約15〜20cmで、直腸と S 状結腸の移行部で前方に強く屈曲するため、12cm挿入は穿孔のリスクが高く不適切です。
-
× 4. 15cm
直腸壁を突き破る恐れがきわめて高く、実際に直腸穿孔・腹膜炎の重大事故が報告されています。絶対に行いません。
浣腸実施時は左側臥位が基本です。これは下行結腸からS状結腸・直腸への解剖学的走行に沿い、薬液が奥へ流れやすく体位が安定するためです。立位での実施は直腸前壁への垂直挿入となり穿孔リスクが高まるため禁忌とされています。グリセリン濃度は50%が標準で、体温程度(40℃前後)に温めて投与します。挿入は腹圧をかけずにゆっくり行い、注入後は3〜5分我慢してもらうことで効果が高まります。小児は3〜6cm、乳児は3〜4cmと覚えます。
グリセリン浣腸の安全な挿入長と直腸解剖の理解を問う必修問題です。
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