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赤ちゃんの肺はいつ完成する?在胎34週の意味を知ろう

看護師国家試験 第106回 午後 第6問 / 必修問題 / 人間の特性とライフサイクル

国試問題にチャレンジ

106回 午後 第6問

肺サーファクタントの分泌によって胎児の肺機能が成熟する時期はどれか。

  1. 1.在胎10週ころ
  2. 2.在胎18週ころ
  3. 3.在胎26週ころ
  4. 4.在胎34週ころ

対話形式の解説

博士 博士

今日は胎児の肺の発達と、肺サーファクタントの話じゃ。サーファクタントって聞いたことはあるかのう?

アユム アユム

名前は聞きますけど…確か肺胞を膨らませるのを助ける物質でしたっけ?

博士 博士

ほぼ正解じゃ。より正確には、肺胞の表面張力を下げて、肺胞がつぶれないようにする物質じゃよ。Ⅱ型肺胞上皮細胞というところから分泌される、リン脂質とタンパク質の混合物じゃ。

アユム アユム

表面張力?水を薄く張ると膜ができるみたいなアレですか?

博士 博士

そうじゃ。肺胞の内面には液体の膜があり、そのままだと表面張力で肺胞が潰れてしまう。サーファクタントがその張力を下げることで、呼気時も肺胞がきれいに保たれるのじゃ。

アユム アユム

なるほど!それで問題の答えは、いつ機能が成熟するか…34週ころですね。

博士 博士

正解!サーファクタント自体は在胎20週頃から作られ始めるが、肺胞を十分に安定させる量が分泌されるのは在胎34週頃なのじゃ。

アユム アユム

だからNICUの赤ちゃんって、34週より早く生まれると呼吸が大変なんですね。

博士 博士

その通り。34週未満の早産児は新生児呼吸窮迫症候群(RDS)を発症しやすい。肺胞が虚脱して、呼吸のたびに非常にエネルギーを使うことになるのじゃ。

アユム アユム

治療法はあるんですか?

博士 博士

ある。出生後は人工サーファクタント(サーファクテン)を気管内に投与する。国内で開発された薬じゃぞ。加えて、予防として切迫早産が予測される妊婦に副腎皮質ステロイド(ベタメタゾンなど)を投与し、胎児の肺成熟を促進する治療もある。これを「肺成熟療法」というのじゃ。

アユム アユム

お母さんに薬を投与するとお腹の赤ちゃんの肺が成熟するんですか?

博士 博士

そう。ステロイドは胎盤を通過してⅡ型肺胞上皮細胞を刺激し、サーファクタント産生を促進する。在胎24〜34週頃の切迫早産で標準的に行われておる。

アユム アユム

すごい仕組みですね。検査で胎児の肺の成熟度は分かるんですか?

博士 博士

羊水検査でL/S比(レシチン/スフィンゴミエリン比)を測る方法があり、2.0以上で肺成熟と判定される。また、サーファクタント構成成分のホスファチジルグリセロールが出現していれば成熟の目安じゃ。

アユム アユム

肺胞の発達は他にも段階があるんですか?

博士 博士

肺の発生は5段階じゃ。①胚期(〜5週)、②偽腺様期(5〜16週)、③小管期(16〜26週)、④嚢胞期(26〜36週)、⑤肺胞期(36週〜出生後8年)と進む。肺胞自体の完成は出生後もずっと続くのじゃよ。

アユム アユム

生まれた後も肺は成長し続けているんですね!

博士 博士

そうじゃ。早産児のケアは生涯にわたる成長発達の視点が必要じゃ。呼吸器だけでなく、神経発達や成長、感染予防も含めた包括的支援が重要じゃな。

アユム アユム

在胎週数と肺成熟の関係、しっかり理解できました!

POINT

肺サーファクタントはⅡ型肺胞上皮細胞から分泌される表面活性物質で、肺胞の表面張力を下げて肺胞虚脱を防ぎます。胎児では在胎20週頃から産生が始まり、十分な量が分泌され肺機能として成熟するのは在胎34週頃です。34週未満の早産では新生児呼吸窮迫症候群(RDS)のリスクが高まるため、切迫早産時には母体へのステロイド投与による肺成熟療法が、出生後は人工サーファクタントの気管内投与が標準治療となります。周産期看護では、在胎週数に応じた肺成熟リスクを理解し、呼吸管理と家族支援を同時に行う視点が求められます。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:肺サーファクタントの分泌によって胎児の肺機能が成熟する時期はどれか。

解説:正解は 4 です。肺サーファクタントはⅡ型肺胞上皮細胞から分泌されるリン脂質とタンパク質からなる表面活性物質で、肺胞の表面張力を低下させて肺胞虚脱を防ぎます。胎児では在胎20週頃から産生が始まりますが、十分な量が分泌されて肺機能として成熟するのは在胎34週頃です。このため34週以前の早産児では新生児呼吸窮迫症候群(RDS)を発症しやすく、周産期医療では肺成熟促進が重要テーマとなります。

選択肢考察

  1. × 1.  在胎10週ころ

    胎芽期〜胎児期初期で、肺は気管・気管支の分岐が形成されつつある段階。サーファクタント分泌も肺胞形成もまだ始まっていない。

  2. × 2.  在胎18週ころ

    肺の小管期〜嚢胞期にあたる。Ⅱ型肺胞上皮細胞が分化し始めるが、サーファクタント産生は本格化しておらず機能的成熟には程遠い。

  3. × 3.  在胎26週ころ

    肺胞の原型となる構造がほぼ整い、サーファクタント産生も徐々に増える時期だが、量は不十分で自力呼吸には足りない。この時期の早産児は呼吸窮迫症候群を高率に発症。

  4. 4.  在胎34週ころ

    サーファクタントが十分量分泌され、肺が機能的に成熟する時期。この時期を境に呼吸窮迫症候群のリスクが大きく下がる。

肺サーファクタントの主成分はジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)などのリン脂質と、SP-A/B/C/Dなどのサーファクタントタンパク質。切迫早産が予測される妊婦には、在胎24〜34週頃に母体へ副腎皮質ステロイド(ベタメタゾンなど)を投与することで胎児の肺成熟を促進する「肺成熟療法」が行われる。出生後の新生児呼吸窮迫症候群には人工サーファクタント(サーファクテン)を気管内投与する治療が標準的。関連して、羊水中のL/S比(レシチン/スフィンゴミエリン比)≧2で肺成熟と判断する検査法もある。

胎児の肺機能成熟のタイミングと周産期管理の基礎を問う必修問題。「34週で肺成熟、それ以前はRDSリスク」と覚える。