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平均寿命・平均余命・健康寿命を一気に整理する

看護師国家試験 第114回 午前 第2問 / 必修問題 / 人間の特性とライフサイクル

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第2問

平均寿命で正しいのはどれか。

  1. 1.0歳の平均余命である。
  2. 2.50歳の平均余命である。
  3. 3.死亡者の平均年齢である。
  4. 4.健康な60歳の健康寿命と同じである。

対話形式の解説

博士 博士

今回のテーマは『平均寿命』じゃ。言葉は聞き慣れておるが、正確な定義となると怪しい人も多いのではないか?

アユム アユム

うーん、亡くなった人の年齢の平均値…ですか?

博士 博士

おっと、それはよくある誤解じゃ。平均寿命は『0歳児の平均余命』と定義される。つまり、その年に生まれた赤ちゃんが、将来の死亡率が変わらないと仮定したときに、あと何年生きられるかという期待値なのじゃ。

アユム アユム

じゃあ実際の死亡者の平均年齢とは違うんですね。

博士 博士

そう。実際の死亡時平均年齢は、年齢別人口構成の影響を受けるから別の値になる。生命表という統計モデルから計算される理論的な期待値が平均寿命じゃ。

アユム アユム

平均余命という言葉も出てきましたが、これはどう違うんですか?

博士 博士

平均余命は『ある年齢の人が、あと平均何年生きられるか』という期待値。0歳児の平均余命が平均寿命、50歳児の平均余命、80歳児の平均余命…とそれぞれ別に計算できる。

アユム アユム

なるほど。60歳の平均余命とかもあるんですね。

博士 博士

令和5年の簡易生命表では、男性の平均寿命(0歳の平均余命)は 81.09年、女性は 87.14年 じゃ。一方で60歳男性の平均余命は約23年、つまり60歳男性は平均してあと約23年、83歳くらいまで生きる計算になる。

アユム アユム

面白いですね。長く生きた分だけ、残りの期待値も少し延びるんですね。

博士 博士

その通り。さらに覚えておきたいのが『健康寿命』。これはWHOが2000年に提唱した概念で、健康上の問題で日常生活が制限されずに過ごせる期間を指す。

アユム アユム

平均寿命と健康寿命って、どのくらい差があるんですか?

博士 博士

令和4年時点で日本の健康寿命は男性72.57歳、女性75.45歳。平均寿命との差は男性で約8.5年、女性で約11.7年もある。この期間は何らかのケアや支援が必要な時期とされるのじゃ。

アユム アユム

だから『健康日本21』では、この差を縮めることが重点目標なんですね。

博士 博士

そうじゃ。単に長生きするだけでなく、『健康で自立して生きられる期間』を伸ばすことが、超高齢社会の鍵となる。看護師はその要を担う職種じゃ。

アユム アユム

3つの言葉の違いがようやく腑に落ちました。

POINT

平均寿命とは『0歳児の平均余命』、すなわちその年に生まれた赤ちゃんが平均してあと何年生きられるかという期待値で、生命表から算出される統計指標です。実際に亡くなった人の年齢の平均とは異なり、将来の死亡率が一定という仮定のもとでの理論値である点が重要です。関連概念として、任意の年齢からの残存期待年数を示す『平均余命』、WHOが2000年に提唱した『健康上の問題で日常生活が制限されずに過ごせる期間』を示す健康寿命があります。日本の平均寿命と健康寿命の差は男女とも8〜12年程度あり、この差の短縮が『健康日本21』の重点目標となっています。看護師はフレイル予防や生活習慣病対策などを通じて、対象者が健康寿命を全うできるよう支援する役割を担います。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:平均寿命で正しいのはどれか。

解説:正解は 1 の「0歳の平均余命である。」です。平均寿命とは、ある年に生まれた0歳児が、その年の年齢階級別死亡率が将来も変わらないと仮定した場合に、平均してあと何年生きられるかという期待値を示す指標で、要するに「0歳児の平均余命」と定義されます。生命表から計算される値で、国や時代を比較する際の代表的な健康指標です。令和5年簡易生命表では男性81.09年、女性87.14年で、日本は世界でもトップクラスの長寿国となっています。

選択肢考察

  1. 1.  0歳の平均余命である。

    平均寿命の定義そのもの。生命表上、0歳児の平均余命 e₀ を平均寿命と呼ぶ。

  2. × 2.  50歳の平均余命である。

    50歳の平均余命は「50歳の人があと何年生きられるか」の期待値で、平均寿命とは区別される別の指標である。

  3. × 3.  死亡者の平均年齢である。

    その年に実際に亡くなった人の年齢の単純平均は「死亡時平均年齢」であり、平均寿命とは異なる。平均寿命は生命表に基づく期待値で、実際の死亡年齢平均より低くなる傾向がある。

  4. × 4.  健康な60歳の健康寿命と同じである。

    健康寿命は「健康上の問題で日常生活が制限されずに生活できる期間」を指す指標で、平均寿命とは別概念。令和4年の日本の健康寿命は男性72.57歳、女性75.45歳であり、平均寿命より約9〜12年短い。

平均寿命と平均余命の関係は国試頻出。生命表は「ある年の年齢別死亡率が今後も変わらないと仮定した場合の生存確率」を示す統計で、0歳児の平均余命 e₀ が平均寿命、x歳の平均余命は ex と表記される。関連して、健康寿命(WHOが2000年に提唱、健康上の問題で日常生活が制限されずに過ごせる期間)との差を縮めることは「健康日本21(第三次)」の重点目標である。日本の平均寿命と健康寿命の差は男性で約8.5年、女性で約11.7年あり、この期間が実質的にケアや支援が必要な期間となる。

平均寿命の正確な定義を問う必修問題。「平均寿命 = 0歳児の平均余命」という関係を押さえる。