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思春期のサイン『精通』と『初経』─第二次性徴の正体

看護師国家試験 第106回 午前 第7問 / 必修問題 / 人間の特性とライフサイクル

国試問題にチャレンジ

106回 午前 第7問

第二次性徴による身体の変化で正しいのはどれか。

  1. 1.精通
  2. 2.体重減少
  3. 3.内臓脂肪の増加
  4. 4.第1大臼歯の萌出

対話形式の解説

博士 博士

第二次性徴の問題じゃ。ライフサイクル論の必修ポイントじゃぞ。

サクラ サクラ

第二次性徴って、性器以外の身体変化のことですよね?

博士 博士

正確じゃ。出生時に決まる性器の違いが第一次性徴、思春期に現れる性差が第二次性徴じゃな。

サクラ サクラ

始まるきっかけは何ですか?

博士 博士

視床下部からGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)が拍動性に分泌され始め、下垂体からLHとFSHが出て性腺を刺激する。

サクラ サクラ

男性と女性で、具体的には何が起こるんですか?

博士 博士

男性では精巣が大きくなり、テストステロンが分泌される。結果として陰茎発育、陰毛、ひげ、声変わり、精通が起こる。女性では卵巣からエストロゲンが分泌され、乳房発育、陰毛、初経、皮下脂肪蓄積が起こる。

サクラ サクラ

選択肢の『精通』とはどういう意味ですか?

博士 博士

初めての射精のことじゃ。男性の第二次性徴の象徴で、平均13歳前後。女性の初経(平均12歳前後)に対応する。

サクラ サクラ

体重減少が選択肢にありましたが、成長期は体重が増えるはずですよね?

博士 博士

そう、思春期は成長スパート(急激な身長・体重増加期)じゃ。体重減少は摂食障害などを疑う所見で、第二次性徴とは逆じゃな。

サクラ サクラ

内臓脂肪の増加は違うんですか?

博士 博士

内臓脂肪の増加は加齢やメタボリック症候群に関連する。思春期女性は皮下脂肪が増加して女性らしい体型になるが、それは『皮下脂肪』であって『内臓脂肪』ではないのじゃ。

サクラ サクラ

第1大臼歯はいつ生えますか?

博士 博士

6〜7歳頃。学童期の現象で『6歳臼歯』とも呼ばれる。第二次性徴とは時期が違うのじゃ。

サクラ サクラ

第二次性徴の出現順序は決まっているんですか?

博士 博士

目安として、女性は乳房発育→陰毛→初経→腋毛の順、男性は精巣腫大→陰毛→陰茎発育→精通→声変わりの順。タナー段階Ⅰ〜Ⅴで評価する。

サクラ サクラ

早すぎる場合や遅い場合は問題ですか?

博士 博士

うむ。女子7歳6か月未満、男子9歳未満で出現するのを『思春期早発症』、女子13歳・男子14歳で発現がないものを『思春期遅発症』と呼ぶ。原因精査が必要じゃ。

サクラ サクラ

思春期のメンタルケアも大事ですよね。

博士 博士

そうじゃ。心身の急速な変化に伴い不安やイライラが生じやすい。第二次性徴を肯定的に受け入れられるよう、性教育やプライバシーへの配慮が看護ポイントじゃ。

サクラ サクラ

看護師として気をつけることはありますか?

博士 博士

診察時の羞恥心への配慮、同性スタッフの対応、月経随伴症状の相談体制など。学校保健とも連携するぞ。

サクラ サクラ

ひっかけ選択肢の意図がよくわかりました。

POINT

第二次性徴は思春期における性器以外の身体的特徴の変化で、男性の精通・声変わり、女性の初経・乳房発育・皮下脂肪蓄積が代表例です。視床下部-下垂体-性腺系の活性化によりホルモン分泌が急増することで生じ、成長スパートを伴うため体重は減少ではなく増加します。第1大臼歯萌出は6〜7歳の学童期、内臓脂肪増加は加齢現象で、ライフステージの区別が重要です。看護師は心身の急激な変化に戸惑う思春期の子どもに配慮した対応と、適切な性教育・保健指導を行う役割を担います。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:第二次性徴による身体の変化で正しいのはどれか。

解説:正解は 1 です。第二次性徴とは、思春期に出現する性器以外の身体的特徴を指す。視床下部-下垂体-性腺系の活性化により、下垂体からゴナドトロピン(LH・FSH)が分泌され、男性は精巣からテストステロン、女性は卵巣からエストロゲン・プロゲステロンが分泌されることで生じる。男性では精通(初めての射精)、声変わり、陰毛・ひげの発生、女性では初経、乳房発育、皮下脂肪の蓄積、骨盤の発育などが特徴である。

選択肢考察

  1. 1.  精通

    男性の第二次性徴の代表的現象。平均年齢は13歳前後で、精巣・前立腺・精嚢の成熟を反映する。女性の『初経』に相当する。

  2. × 2.  体重減少

    思春期は成長スパート(growth spurt)の時期で、身長・体重とも急増する。体重減少はむしろ摂食障害など異常を疑う所見。

  3. × 3.  内臓脂肪の増加

    内臓脂肪の増加は成人以降、特にメタボリックシンドロームと関連する加齢現象。思春期女性では皮下脂肪の増加がみられる。

  4. × 4.  第1大臼歯の萌出

    第1大臼歯(6歳臼歯)の萌出は6〜7歳頃で、学童期の現象。思春期の出来事ではない。

思春期の発達順序は、女性ではおおむね『乳房発育(9〜11歳)→陰毛発生→初経(平均12歳前後)→腋毛』、男性では『精巣腫大(10〜11歳)→陰毛発生→陰茎発育→精通(13歳前後)→声変わり』。タナー段階(Tanner分類)で評価し、Ⅰ〜Ⅴ期に分類する。思春期早発症(女子7歳6か月未満、男子9歳未満での発現)や遅発症もあり看護で把握しておきたい。

思春期における第二次性徴の現象(精通・初経・乳房発育・声変わり等)と、他のライフステージの現象(第1大臼歯萌出=学童期など)を区別できるかが鍵。