緑内障で禁忌となる薬を理解しよう
看護師国家試験 第113回 午後 第25問 / 必修問題 / 薬物の作用と管理
国試問題にチャレンジ
緑内障患者への投与が禁忌なのはどれか。
- 1.コデイン
- 2.アスピリン
- 3.アトロピン
- 4.ジゴキシン
- 5.フェニトイン
対話形式の解説
博士
緑内障の患者さんに使ってはいけない薬の代表はどれかの?
サクラ
アトロピンです。抗コリン薬ですよね。
博士
その通り。なぜ禁忌になるかわかるかの?
サクラ
副交感神経を遮断して瞳孔を広げるため、房水の流れが悪くなります。
博士
房水が流れなくなるとどうなる?
サクラ
眼圧が上がって、閉塞隅角緑内障では急性発作を起こします。
博士
放置するとどうなるのじゃ?
サクラ
視神経がダメージを受けて、失明のリスクがあります。
博士
他に抗コリン作用を持つ薬は何があるかの?
サクラ
スコポラミンや三環系抗うつ薬、第一世代の抗ヒスタミン薬などです。
博士
そうじゃ。コデインやアスピリンはどうかの?
サクラ
眼圧には影響しないので、緑内障の禁忌ではありません。
博士
ジゴキシンやフェニトインも同じじゃな。
サクラ
抗コリン薬は前立腺肥大症でも禁忌ですよね。
博士
よく覚えておる。排尿障害が悪化するためじゃ。
サクラ
薬を出すときは眼科医と連携が大事ですね。
博士
薬理作用から禁忌を導けると応用が効くぞ。
POINT
アトロピンは抗コリン作用で散瞳と毛様体筋弛緩を引き起こし、隅角を狭めて眼圧を上昇させます。特に閉塞隅角緑内障では急性発作を誘発し失明リスクがあるため禁忌です。コデイン、アスピリン、ジゴキシン、フェニトインは眼圧への影響がなく禁忌ではありません。抗コリン作用を持つ薬剤群と、緑内障・前立腺肥大症での禁忌関係を整理しておきましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:緑内障患者への投与が禁忌なのはどれか。
解説:正解は 3 のアトロピンです。アトロピンは抗コリン薬で瞳孔散大と毛様体筋弛緩を起こし、房水の流出路(隅角)を狭めて眼圧を急上昇させる恐れがあります。特に閉塞隅角緑内障では発作を誘発するため禁忌です。
選択肢考察
-
× 1. コデイン
コデインはオピオイド系の鎮咳・鎮痛薬で、眼圧への直接的影響は小さく緑内障の禁忌ではありません。ただし呼吸抑制や便秘に注意します。
-
× 2. アスピリン
アスピリンは解熱鎮痛・抗血小板作用を持ちますが、眼圧には影響しません。緑内障の禁忌には当たらず、消化管出血や喘息発作に注意が必要な薬剤です。
-
○ 3. アトロピン
アトロピンは副交感神経遮断作用(抗コリン作用)により散瞳と毛様体筋弛緩を引き起こします。これが隅角を狭め房水流出を阻害し、閉塞隅角緑内障では急性発作・失明リスクにつながるため禁忌です。
-
× 4. ジゴキシン
ジゴキシンは強心配糖体で心不全や頻脈性不整脈に用いられます。眼圧への影響はなく、緑内障の禁忌薬ではありません。血中濃度管理と中毒症状の観察が重要です。
-
× 5. フェニトイン
フェニトインは抗てんかん薬で、緑内障患者への投与が禁忌とはされていません。歯肉増殖や多毛などの副作用に留意します。
抗コリン作用を持つ薬剤(アトロピン、スコポラミン、三環系抗うつ薬、第一世代抗ヒスタミン薬、一部の気管支拡張薬など)は、閉塞隅角緑内障や前立腺肥大症の患者で禁忌または慎重投与となります。開放隅角緑内障では制限が緩いこともありますが、処方の際には眼科医との連携が基本です。
緑内障患者への禁忌薬を、薬理作用(抗コリン作用と眼圧上昇)から理解できるかを問う問題です。
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