StudyNurse

エンゼルケアの基本を押さえよう

看護師国家試験 第104回 午後 第43問 / 基礎看護学 / 日常生活援助技術

国試問題にチャレンジ

104回 午後 第43問

死後の処置について最も適切なのはどれか。

  1. 1.体内に挿入したチューブ類の除去は家族同席で行う。
  2. 2.枕の高さを低くし開口を防ぐ。
  3. 3.死亡後2時間以内に行う。
  4. 4.口腔内は吸引しない。

対話形式の解説

博士 博士

死後の処置についての問題じゃ。最も適切なのはどれかの?

サクラ サクラ

チューブ抜去を家族同席で行うのはどうでしょう。

博士 博士

抜去時は出血や縫合が必要な場合もあるからの、家族には別室で待っていただく方がよいぞ。

サクラ サクラ

枕を低くして開口を防ぐ、はいかがですか。

博士 博士

逆じゃ。下顎が落ちて開口するから、枕は少し高めにして頸部を前屈させるのじゃ。

サクラ サクラ

では死亡後2時間以内に行う、ですか。

博士 博士

その通り。死後硬直は2〜3時間で始まるからそれまでに整えるのが原則じゃ。

サクラ サクラ

口腔内は吸引しないというのは?

博士 博士

残った分泌物や血液は感染源にもなるからの、必要に応じて吸引するのじゃよ。

サクラ サクラ

なるほど、エンゼルケアにはタイミングが大事なんですね。

博士 博士

故人の尊厳を保ち、ご家族のグリーフケアにも繋がる大切な看護じゃ。

サクラ サクラ

綿詰めは必ずするのですか。

博士 博士

最近は最小限の施設も多い。体液漏出のリスクや家族の希望を踏まえて判断するのじゃ。

サクラ サクラ

死後硬直の進み方も覚えておきます。

博士 博士

顎から始まり全身に広がる。半日ほどで完成し1〜2日で緩解するのじゃ。

POINT

死後の処置は死後硬直が進む前の2〜3時間以内に行うのが原則です。チューブ類の抜去や創部処置は家族の同席を避け、整容を整えてから対面してもらいます。開口防止には枕を高めにして下顎を支え、口腔内分泌物は吸引して清潔を保ちます。エンゼルケアは故人への最後のケアであるとともに、遺族の悲嘆を支える重要な看護実践です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:死後の処置について最も適切なのはどれか。

解説:正解は3の「死亡後2時間以内に行う」です。死後硬直は死亡後およそ2〜3時間で始まるため、それまでに体位や顔貌を整える必要があります。硬直が進むと衣服の着替えや顔貌の整復が困難になります。

選択肢考察

  1. × 1.  体内に挿入したチューブ類の除去は家族同席で行う。

    チューブ抜去時には血液や体液の漏出、抜去部の縫合などの処置が必要となるため、家族には別室で待機してもらい、看護師が処置を済ませてから対面してもらうのが一般的です。

  2. × 2.  枕の高さを低くし開口を防ぐ。

    開口を防ぐためには枕を高めにして頸部を前屈気味にする、あるいは下顎にタオルを当てるなどの方法を取ります。低くすると逆に開口しやすくなります。

  3. 3.  死亡後2時間以内に行う。

    死後硬直が始まる前の2〜3時間以内に処置することで、整容や着替えがスムーズに行え、故人の尊厳ある外観を保つことができます。

  4. × 4.  口腔内は吸引しない。

    死後も口腔内には分泌物や血液が残っていることがあり、感染予防と整容のために必要に応じて吸引・清拭を行います。

死後の処置(エンゼルケア)は、遺体の清潔と整容を行うとともに、家族の悲嘆ケア(グリーフケア)の一環でもあります。死後硬直は顎関節→頸部→上肢→下肢の順で進み、2〜3時間で始まり半日ほどで全身に及びます。腐敗や体液漏出を防ぐため鼻腔・口腔・耳・肛門に綿詰めをすることもありますが、近年は感染源となる場合のみ最小限とする施設も増えています。家族の希望や宗教観に配慮し、一緒にケアに参加してもらうことも大切です。

エンゼルケアを行うタイミングと、家族への配慮を含めた基本手技の正誤を問う問題です。