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グリセリン浣腸はなぜ効くのか

看護師国家試験 第104回 午後 第44問 / 基礎看護学 / 日常生活援助技術

国試問題にチャレンジ

104回 午後 第44問

グリセリン浣腸の効果で正しいのはどれか。

  1. 1.腸管の蠕動を促進する。
  2. 2.腸管内の炎症を和らげる。
  3. 3.腸壁の水分吸収を促進する。
  4. 4.腸管内のガスの吸収を促進する。

対話形式の解説

博士 博士

今日はグリセリン浣腸の作用じゃ。効果として正しいのはどれかの?

アユム アユム

腸管の蠕動を促進する、で合っていますか。

博士 博士

正解じゃ。直腸粘膜を刺激して反射的に蠕動を高めるのじゃよ。

アユム アユム

炎症を和らげる効果はないんですね。

博士 博士

ないどころか刺激作用があるからの、潰瘍性大腸炎など炎症のある腸では注意が必要じゃ。

アユム アユム

腸壁の水分吸収を促進するのは?

博士 博士

逆じゃ。グリセリンは高浸透圧で腸管内に水を引き込み、便を軟らかくするのじゃ。

アユム アユム

ガスの吸収はどうですか。

博士 博士

蠕動が亢進するからガスもそのまま排出される。吸収は阻害されるんじゃ。

アユム アユム

浣腸の体位は左側臥位ですよね。

博士 博士

その通り、S状結腸の走行に沿うからの。立位で行うと迷走神経反射で血圧低下を起こす危険があるんじゃ。

アユム アユム

立位禁忌なんですね。挿入の長さはどれくらいですか。

博士 博士

成人で5〜6cmが目安じゃ。深く入れすぎると直腸穿孔のリスクがあるぞ。

アユム アユム

痔がある人はどうですか。

博士 博士

粘膜損傷から溶血や腎障害を起こすことがあるからの、使用を避けるか慎重投与じゃ。

POINT

グリセリン浣腸は浸透圧と粘膜刺激の二つの作用で蠕動を促進し、即効性の排便を得る目的で使用します。実施時は左側臥位、挿入5〜6cm、ゆっくり注入し、立位禁忌や痔・炎症性腸疾患への注意を守ります。看護では血圧低下や穿孔のリスクを念頭に置き、安全な手技と観察を心がけます。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:グリセリン浣腸の効果で正しいのはどれか。

解説:正解は1の「腸管の蠕動を促進する」です。グリセリンは直腸粘膜を刺激し、反射的に蠕動運動を高めることで排便を促します。

選択肢考察

  1. 1.  腸管の蠕動を促進する。

    グリセリンは高浸透圧性で直腸粘膜を刺激し、便の軟化と腸管蠕動の亢進を起こすことで速やかな排便を促します。

  2. × 2.  腸管内の炎症を和らげる。

    グリセリンに抗炎症作用はなく、むしろ粘膜刺激作用があるため、潰瘍性大腸炎など炎症がある腸管では使用に注意が必要です。

  3. × 3.  腸壁の水分吸収を促進する。

    グリセリンは浸透圧により腸管内へ水分を引き込み、便を軟化させます。水分の吸収はむしろ抑えられます。

  4. × 4.  腸管内のガスの吸収を促進する。

    蠕動が亢進してガスは速やかに排出されるため、ガスの吸収は促進されません。

グリセリン浣腸は60mL前後の50%グリセリン液を使用するのが一般的です。挿入の長さは成人で5〜6cmとし、注入速度はゆっくり行い、迷走神経反射による血圧低下を防ぐため立位での実施は禁忌とされています。左側臥位で膝を軽く曲げた体位がS状結腸の走行に沿い安全です。痔疾患で粘膜損傷がある場合は溶血や腎障害のリスクがあるため使用を避けます。

グリセリン浣腸の作用機序(粘膜刺激と高浸透圧による蠕動促進)を理解しているかを問う問題です。