加熱で防げる食中毒は?
看護師国家試験 第110回 午前 第30問 / 健康支援と社会保障制度 / 感染症と生活環境への対策
国試問題にチャレンジ
食中毒予防の原則である「中心温度75℃以上1分以上の加熱」が有効なのはどれか。
- 1.フグ毒
- 2.毒キノコ
- 3.黄色ブドウ球菌
- 4.サルモネラ属菌
対話形式の解説
博士
食中毒予防では加熱が有効かどうかを分類することが大事じゃ。
アユム
サルモネラ属菌は加熱で予防できるんですよね。
博士
そうじゃ。中心温度75℃以上1分以上の加熱で死滅するぞ。
アユム
主な感染源は何ですか?
博士
鶏卵や鶏肉、食肉じゃ。生卵や半熟卵では注意が必要じゃ。
アユム
黄色ブドウ球菌はどうですか?
博士
菌自体は加熱で死ぬが、産生するエンテロトキシンは熱に強い毒素じゃ。
アユム
加熱しても意味がないのですね。
博士
その通りじゃから、手指衛生と低温保存で毒素を作らせないことが予防の中心じゃ。
アユム
フグ毒は?
博士
テトロドトキシンは耐熱性が高く、加熱では解毒できん。専門資格者の処理が必須じゃ。
アユム
毒キノコもですか?
博士
毒キノコの毒成分も熱に安定じゃ。野生キノコの安易な採取は禁物じゃぞ。
アユム
ノロウイルスはどうでしょう?
博士
ノロは85〜90℃で90秒以上の加熱が推奨されておる。
アユム
食中毒予防の基本原則も教えてください。
博士
「つけない・増やさない・やっつける」の3つじゃ。
アユム
毒素型や自然毒は「やっつける」が効かないんですね。
博士
そう、そこが国試のひっかけポイントじゃよ。
POINT
「中心温度75℃以上1分以上の加熱」で死滅する代表例はサルモネラ属菌です。フグ毒や毒キノコの自然毒、黄色ブドウ球菌のエンテロトキシンは加熱しても失活しないため、加熱以外の対策が必要になります。食中毒予防三原則「つけない・増やさない・やっつける」と病原体ごとの特性を対応させて覚えることが、国試でも臨床でも役立ちます。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:食中毒予防の原則である「中心温度75℃以上1分以上の加熱」が有効なのはどれか。
解説:正解は4です。サルモネラ属菌は加熱に弱い細菌で、中心温度75℃以上1分以上の加熱で死滅します。一方、フグ毒・毒キノコ・黄色ブドウ球菌の毒素は加熱でも失活しません。
選択肢考察
-
× 1. フグ毒
フグ毒(テトロドトキシン)は耐熱性が高く、通常の調理温度では分解されません。予防は有資格者による適切な処理と毒を含む部位の除去に限られます。
-
× 2. 毒キノコ
毒キノコに含まれるアマトキシン類やムスカリン類などの毒素は多くが熱に安定で、加熱調理では無毒化できません。野生キノコの安易な摂取は避けることが唯一の予防策です。
-
× 3. 黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌自体は加熱で死滅しますが、菌が産生する毒素エンテロトキシンは耐熱性が強く100℃30分でも失活しません。予防は調理者の手指衛生と化膿巣のある者の調理回避、速やかな低温保存が中心です。
-
○ 4. サルモネラ属菌
サルモネラ属菌は鶏卵・鶏肉・食肉に広く存在する細菌で、加熱に弱く中心温度75℃以上1分以上で死滅します。卵の生食リスク、調理器具の使い分け、冷蔵保存とあわせて覚えておきましょう。
食中毒予防の三原則は「つけない・増やさない・やっつける」です。「やっつける」に該当する加熱が有効なのは、サルモネラ・カンピロバクター・腸管出血性大腸菌O157・ウエルシュ菌の栄養型・ノロウイルスなどの生きた病原体です。ただしノロウイルスは85〜90℃で90秒以上の加熱が推奨されます。一方、毒素型(黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌の毒素の一部)や自然毒(フグ、毒キノコ)は加熱不可・除去が基本です。
食中毒の病原体・毒素のうち、加熱で不活化できるものとできないものを区別する問題です。特に毒素型や自然毒では加熱が無効である点を押さえましょう。
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