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日和見感染症の起炎菌を見抜く

看護師国家試験 第103回 午前 第84問 / 人体の構造・機能 / 生体の防御機構

国試問題にチャレンジ

103回 午前 第84問

日和見感染症(opportunistic infection)の起炎菌はどれか。2つ選べ。

  1. 1.メチシリン耐性黄色ブドウ球菌〈MRSA〉
  2. 2.インフルエンザ菌
  3. 3.A群溶連菌
  4. 4.髄膜炎菌
  5. 5.緑膿菌

対話形式の解説

博士 博士

今日は日和見感染症について学ぼう。日和見感染とは、健常人にはほとんど病気を起こさない弱毒菌が、免疫力が落ちた人で病原性を発揮する感染のことじゃ。

アユム アユム

博士、健常者でも病気を起こす菌は日和見感染にならないんですね。

博士 博士

その通り。だから選択肢を弱毒菌か強毒菌かで分けるのがコツじゃ。

アユム アユム

1番のMRSAはどうですか?

博士 博士

MRSAはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌で、健常者の鼻腔にも常在しているが、免疫低下患者や術後患者、カテーテル留置患者で重症感染を起こす。代表的な日和見感染菌じゃ。

アユム アユム

2番のインフルエンザ菌は?

博士 博士

これは健常な小児にも髄膜炎や中耳炎を起こす一般病原菌じゃ。日和見ではない。

アユム アユム

3番のA群溶連菌は咽頭炎の原因ですよね。

博士 博士

そうじゃ。健常者に咽頭炎、猩紅熱、伝染性膿痂疹を起こす市中病原菌で、日和見感染ではない。

アユム アユム

4番の髄膜炎菌はどうですか?

博士 博士

髄膜炎菌は健常者でも侵襲性髄膜炎や敗血症を引き起こす強毒菌じゃ。集団生活で流行することもある。

アユム アユム

では5番の緑膿菌が正解ですね。

博士 博士

そうじゃ。緑膿菌は水回りに普通にいる環境菌で、健常者には無害だが、免疫低下患者で肺炎、敗血症、尿路感染を起こす。多剤耐性緑膿菌(MDRP)は院内感染対策上の最重要菌じゃな。

アユム アユム

免疫低下患者ではどんな対策が必要ですか?

博士 博士

標準予防策に加え、MRSAや緑膿菌では接触予防策を徹底し、手指衛生、環境清拭、医療器具の適切な管理が要じゃ。

POINT

日和見感染症は弱毒菌が免疫低下宿主で病原性を発揮する感染症で、MRSAと緑膿菌が代表的起炎菌です。インフルエンザ菌・A群溶連菌・髄膜炎菌はいずれも健常者にも病原性を示すため日和見感染菌ではありません。HIV感染症や免疫抑制治療中の患者では、標準予防策と接触予防策の徹底が重要です。

解答・解説

正解は 1 5 です

問題文:日和見感染症(opportunistic infection)の起炎菌はどれか。2つ選べ。

解説:正解は 1 と 5 です。日和見感染症とは、健常人には病原性をほとんど発揮しない弱毒菌が、宿主の免疫力低下時に病原性を発揮して引き起こす感染症です。代表的な起炎菌としてMRSA、緑膿菌、セラチア、VRE、カンジダ、アスペルギルス、ニューモシスチス、サイトメガロウイルスなどが挙げられ、抗菌薬耐性菌が多く院内感染対策の要となります。

選択肢考察

  1. 1.  メチシリン耐性黄色ブドウ球菌〈MRSA〉

    MRSAは多剤耐性菌であり、免疫力低下患者・術後患者・カテーテル留置患者などで日和見感染を起こす代表的起炎菌です。

  2. × 2.  インフルエンザ菌

    インフルエンザ菌は健常な小児にも髄膜炎や中耳炎を起こす一般的な病原菌で、典型的な日和見感染菌ではありません。

  3. × 3.  A群溶連菌

    A群溶連菌は健常者にも咽頭炎、猩紅熱、伝染性膿痂疹を起こす市中病原菌で、日和見感染の代表ではありません。

  4. × 4.  髄膜炎菌

    髄膜炎菌は健常者にも侵襲性髄膜炎・敗血症を起こす強毒菌であり、日和見感染の起炎菌ではありません。

  5. 5.  緑膿菌

    緑膿菌は環境常在菌で、健常者には病原性を示しませんが免疫低下時に肺炎・敗血症・尿路感染を起こす代表的日和見感染菌です。

日和見感染を起こしやすい宿主は、HIV感染症、悪性腫瘍、ステロイド・免疫抑制薬使用中、白血病・造血幹細胞移植後、糖尿病、高齢者などです。MRSA・VRE・多剤耐性緑膿菌(MDRP)はアウトブレイク対策が重要で、標準予防策と接触予防策の徹底が求められます。

日和見感染症の概念を理解し、健常者に病原性を発揮する菌と弱毒菌の違いを識別できるかを問う問題です。